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「芥川&直木賞予想」と「先見の明」

↑は直木賞候補作「塞王の楯」の著者、今村翔吾さんのツイートです。彼は大阪郊外にある本屋「きのしたブックセンター」のオーナーでもあるのです。

ノミネートされそうな本を全てお店に揃えたうえで候補作発表日を迎える。サラッと書かれていますが、相当難しい作業です。少なくとも私は「直木賞候補になりそうな本を予め絞り込んで早めに発注」できるほど熱心で詳しい文芸書担当をまだ見たことがありません。発表後に「これが獲るだろう」とヤマを張って的中させる人はいましたけどね。

プロの作家が書店運営に携わることのメリットをひとつ発見しました。自分も当事者だけあって現在進行形の作品に詳しい。でも時代小説の書き手である今村さんが他のジャンルの話題作(しかもデビュー作)までチェックしているのは本当に素晴らしい。頭が下がります。

「塞王の楯」読み進めています。あと芥川賞候補作の↓にも近日中に取り掛かる予定。

まずタイトルが目を引きます。「皆のあらばしり」とは? どうしても町田康の「リフォームの爆発」とか「記憶の盆をどり」を連想してしまうのですが、たぶんああいう突飛な作風ではないですよね。

↑の作品紹介を見る限りでは、本に纏わるミステリィという感じでしょうか? 以前読んだ北村薫「太宰治の辞書」みたいな雰囲気を感じましたが、はたして。

最後にコンペティションである以上、選考結果は重要です。作家の人生が変わりますし本屋の品揃えにも影響します。一方で、イチ書店員としての本音は「みんな自分なりの『受賞作』を見つけて」ということ。気になる候補作をぜひ一冊読んで欲しい。もし今回ダメでも他の作品でいつか獲れば「先見の明があった!」となります。けっこう嬉しいものなのです。

と言いつつ、私は上記の二作品が来ると予想しています。外れたら笑ってやってください。

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