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イチ末端書店員が「経産相と本屋経営者の会合」に思うこと

いくつかの記事を読み、どういう話し合いがされたのかを掴みました。

「カフェを併設したりイベントを企画したりしてお客を集めたという取り組みの報告」
「地域の図書館の本の貸し出しや返却を書店でできるようにしたところ、本の売り上げが増えた」
「万引き防止や在庫管理の効率化のためにICタグを導入する後押しを」
「利益率が低いので、キャッシュレス決済の手数料が負担」
「補助金申請の際の手続きの簡素化」
「書店を増やすための創業資金の助成などの支援を」

図書館との連携強化はイメージが膨らみました。近隣で借りた本の返却を書店でも受け付ける。ある程度の在庫データを共有できたら、さらに便利かもしれません。「絶版なの? じゃあ図書館で探すわ」とか「図書館で読んで面白かったから買いに来た」みたいな方が少なくないので。

気になるのは、出席した書店経営者の方々から、再販制度の見直しや返品率を下げる代わりに本屋の利益率を上げる取り組みに関する話は出なかったのか、ということ。

大臣は「政府が対応できるものと業界の慣行を直せば前進するものを整理したい」と話しています。まったく触れなかったわけではないはず。

ただ再販制度の問題は根が深いというか、業界の中だけでどうにかできるテーマではない気がします。国に頼るのではなく「本屋の減少を止めるためには、返品率を下げて利益率を上げる改革が不可欠」と書店側から強くアピールし、政府がそれを後押しする形へ持っていきたい。

あと次回はぜひエプロンを着けてレジに立っていただき、朝の荷開けや品出しも体験してもらいたい。こんなことを少ない人手で年中やっているのか、しかも最低賃金でと身体でわかるはずです。そしてできれば店長や現場の社員、実質的に店舗を支えているベテランの非正規雇用からも赤裸々な実態を聴いてほしい。

やっていきましょう。

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