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「待望の実写化」&「ふたりの英雄」

北方謙三「水滸伝」が、WOWOWで実写ドラマになります。

放送スケジュールはまだ出ていませんが、全19巻を映像化してくれるようです。しかも主人公の宋江を演じるのは、あの織田裕二さん。

少し前に、お客様からのお問い合わせで知りました。ありがとうございます。

「志」という言葉の本当の意味を教えてくれた名作です。時は12世紀の中国。腐敗した王朝・宋を倒し、民のための新たな国家を作るべく、一芸に秀でた者たちが梁山泊へ集う。

以前に北方さんが話していたのですが、梁山泊ツートップの一角である宋江のキャラクターはキューバ革命の英雄であるカストロを、もうひとりの晁蓋はゲバラを意識したとのこと。いま思うと、たしかに彼らの持つカリスマ性やリーダーシップ、行動哲学の違いが反映されていました。

織田さんのドラマは学生時代にかなり見ています。「東京ラブストーリー」や「振り返れば奴がいる」「踊る大捜査線」などが有名ですが、好きな作品をひとつ挙げるなら「お金がない!」でしょうか。

貧しいけど前向きでエネルギッシュ。純粋さと狡猾さを併せ持ち、時には手段を選ばない。そして出世を続け、性格や生活スタイルが変わっていく己に少しずつ違和感を抱く。そんな主人公の姿がちょっとゲバラに近かったかもしれません。

ゆえに織田さんが晁蓋役なら納得。しかし今回は違います。ド素人の私が言うことではないけど、宋江の方が人間性が複雑で特徴を掴みにくいはず。だからこそ興味深い。かつてゲバラっぽいイメージだった俳優さんが年輪を重ね、カストロ的なリーダーを演じる。想像しただけで胸が躍ります。

「水滸伝」長いようで夢中になればあっという間です。ドラマが始まる前にぜひ。

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