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「主人公」はいつでも取って代わられる

↑を見てみてください。ほんの2分。感性の毛穴がぐわっと開きます。

SHOの「主人公感」すごくないですか? プレイしたくなりませんか? 「ドラゴンボール」の孫悟空みたいな純粋で真っ直ぐな心の持ち主。

彼は真面目で不器用です。ストイックに鍛え抜いたパワーと地道に研究を重ねた関節技で正面からガンガン行くタイプ。それしかできない。戦闘民族サイヤ人の王子にしてエリート中のエリートであるベジータから「貴様は俺以上の天才」と認められた悟空とは違います。

そう考えると、SHOは超サイヤ人になる前の孫御飯に近いのかも。

対するIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムは何もかもが規格外。格闘技未経験でプロレスラーになった彼もまた決して器用な天才肌ではありません。ただ表現者、エンターテイナーとしてのカリスマ性が空前絶後。ぬいぐるみから技を教わり、チャンピオンベルトと会話するなど、オンリーワンのぶっ飛んだセンスの持ち主でもあります。

意味もわからずに「じゃあケッコンすっか」で結婚し、フリーザとの戦いで尻尾を噛み、見ず知らずの宇宙人と親しくなって「瞬間移動」を習った孫悟空。そんな既存の価値観に縛られない感性に近いのはヒロムの方ですね。

ということは、この戦いは「孫悟空 vs 孫御飯」の構図になります。もちろん原作では実現していません。「精神と時の部屋」で共に修業をしたのみ。当時の悟空は超サイヤ人をさらに超えようという段階でしたが、御飯はまだ超サイヤ人にすらなっていませんでした。しかしその後秘めた力を解放し、一気に悟空を抜き去ってしまいます。

どうでしょう? 「超サイヤ人」を「IWGPジュニアのベルト」に置き換えたら妙にしっくり来ませんか? いまはヒロムの方が上。でももしSHOが王者になって覚醒したら・・・。

聞いた話だと、鳥山明さんは「魔人ブウ編」で当初御飯を主役にするつもりだったそうです。でも周囲の声に押されて悟空を返り咲かせたとか。シビアですね。主人公の座は掴むのも難しいけど守るのはもっと難しい。明日が決戦。熱い試合を期待しています。




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