「思いがけずブリュレ」とは?祝Mステ披露、関ジャニ∞楽曲「ブリュレ」が表すものは何か。
アイドルに全く興味が無かった私が、関ジャニ∞を好きになった理由は「曲の良さ」だった。そんな彼らの楽曲を語ります。(今までの関ジャニ∞シリーズはこちらから!)
シリーズ第5弾は、満を持しての「ブリュレ」である。
そう、昨日、2021年2月5日のMステで、関ジャニ∞がなんとなんと新曲ではなく「ブリュレ」を披露した。
この曲は2009年に発売された「PUZZLE」というアルバムのカップリング曲である。新曲でもシングルでもないのだ。
ファンの間では人気のある楽曲であるが、カッコイイけど意味はよく分からないのよね、という声も多々見られる。
なので、今回は大人気曲「ブリュレ」の歌詞考察や歌の魅力について、私の超個人的見解を語っていきたい(超個人的ですのであしからず)!
▶0:Mステの感想
と、考察を始める前に、昨日のMステの感想をちょっと話したいぞ!!
(どうでもいいよという方は、目次から「1:人気の理由」に飛んでください。)
まさかの選曲に衝撃を受けたあの日、初めてブリュレを聴いた日を思い出す。
関ジャニ∞が好きになった当時、よく聴いたアルバムの1つがPUZZLEであったし、よく観ていたライブDVDもPUZZLEのツアーであった。DVDを何度も繰り返し見ては、少しでも憧れの関ジャニ∞に近づこうとブリュレのダンスを覚えた。
そんな思い出深いブリュレが、十数年の時を経て、とうとうMステという大舞台で解き放たれるのか!?
私は何だか感慨深い気持ちとライブに行くくらい楽しみな気持ちが入り交じっていた。
さて、ブリュレが始まって驚いたのは、なんと言っても横山氏の歌声だろう。
フォーメーションでセンターにいることから、出だし歌うのか?とは思ったが、まさかまさかの歌声。横山氏独特のウィスパーボイスを残しつつ、格段に聴きやすい歌声だった。ボイトレをしているとは知っていたが、成長スピードが半端ない。
私は音楽をきっかけに関ジャニ∞のファンになったのだが、実は横山氏のあの独特な声が素晴らしかったことが要因だ。
私が関ジャニ∞と出会ったきっかけであるアルバム「8UPPERS」にて「モノグラム」の出だし、「Ah〜 ちらばったジェリービーンズ」を聴いて私はビビビと来たのだ。この声質、とんでもない歌声の持ち主だ!と。そして関ジャニ∞の音楽にハマってファンになっていった。
そんな彼の持ち味を捨てることなく、技術力を高めた歌声に、何だかもう胸がいっぱいになった。
そして、もう一つ、私の心に残ったのはラストの丸山氏である。
こんなことを言っては失礼なのだが、私は今まで丸山氏のダンスで「刺さる!」みたいなことが無かった。
というのも、私自身が関ジャニ∞に対して、「キュンキュンするステキ!」ではなく「カッコイイ!憧れる!」というスタンスであるため、興奮する軸がちょっと違う。
恋心的な興奮ではなく、芸術的に凄い!技術的に凄い!という興奮で見てしまうのだ。これは、自分が表現者であるゆえの職業病の一つでもある。
そのため、関ジャニ∞が全員で踊っている時、私の目は推しを追いかけることをせず、割と大きく見てしまう。こういう見方は私も不本意なのだが、まるで自分が演出家としてダメ出しをするかのような見方なのだ。
しかし、今回の丸山氏、ラストの停止してから海老反りに至るまでの動きが、余りにも妖艶で美しかったので、''本当に''目を奪われた。
最後の2秒ほど、気がついたら丸山氏しか見ていなかった。私の頑固で偉そうな目が、丸山氏しか捕えないのである。
控えめに言っても、ブリュレ史上最高のダンスだった。
と、しがないただのヲタクの感想でした。
では、早速本題に入りましょう!
▶1:人気の理由
この曲がヲタクに人気である理由として
・カッコイイ曲調
・ダンスをガシガシ踊る
・歌詞がキュンとする
・バンドバージョンもある
などが挙げられる。
関ジャニ∞は応援系ソングが多いイメージがあるため、「ブリュレ」のようなガッツリ踊る恋愛ソングは貴重な存在であるとも言える。
恋愛ソングだからこそ、キュンとする歌詞が沢山ある。特にサビの一部がヲタク心にぶっ刺さる。
<サビの一部>
許して すべて分かりたい その線を超えてしまいたい
覗き見してしまったような気持ちになりたい
このサビは、主人公(僕)が君に対する想いをかなり赤裸々にぶちまけているのだが、「許して」の前置きを武器に、「線を超える」「覗き見」といった不穏なワードが並び、愛が暴走してしまっている。
が、ヲタクからすると、マシンガン級の胸撃ちワードであり、「線?どうぞどうぞ超えてください。覗き見?どうぞどうぞしてください。許して?許す許すかまわんよ〜!むしろウェルカムトゥミー!!」と思ってしまうのである(私だけ?)。
これは2番サビでも同様に、
<サビの一部>
ひっそりのめり込まれたい ほんのり煙たがられたい
''目障りだけど気になるアイツ''になりたい
またしても、ヲタクのハート乱れ撃ち状態である。
ヲタクは自分自身に対してこんなこと思っている推しを想像して悶える。
これは、関ジャニ∞が恋愛ソングを歌う時にありがち(というか関ジャニお家芸)の「完璧じゃない恋愛下手の男=リアルで身近な相手に感じる」という技である。
いわゆるアイドルならば、「愛してる」「君は素敵だ」「君を連れていくよ」的なキザなセリフが真骨頂。
しかし、良い意味でアイドルらしくない、完璧じゃない恋愛下手な男を歌うことで、「私の周りにいるかも……」という親近感を演出している。そしてヲタクはその''近さ''を妄想してウホホイ!!となる。
まぁ、当たり前の如く、関ジャニ∞は近所にいないのだが……。
▶2:ブリュレが表す三つのこと
さて、「ブリュレ」がヲタク心にぶっ刺さる恋愛ソングであると分かったところで、この恋愛ソングにおける僕と君を考えてみる。
(ヲタク的には僕≒エイト、君≒私になるのだから、よく考えるべき案件である。)
<Aメロ>
心配性の悪魔が 消極的な僕らに苛立ってるみたいだ
薄暗い夕暮れの小部屋 今日こそはゆっくり話しましょう
薄暗い夕暮れの小部屋に、僕と君がいる状況。しかし、二人は「消極的」である。
先程述べたように、サビの様子からしても、この僕は「恋愛下手」であり、二人は恋人でないのだろう。
僕は君のことが好きだが、何も行動を起こせずにいる。だから、僕の中にいる「悪魔」が「好きなんだろ?はやくその子を好き勝手しちゃえよ!」と苛立ってるわけだ。
僕が行動を起こせない様子は、そのまま次の歌詞にも続いていく。
<Aメロ続き>
きっと牽制してるんだ どこか謙遜してるんだ ぎこちない歯車
手を差し伸べたらどうなるんだ? 時間の限り考えましょう
恋愛(自分の恋心や相手)に対して、「牽制」や「謙遜」をしてしまい、まだまだ上手くいっていない僕。
さらには、恋愛(自分の恋心や相手)に「手を差し伸べたらどうなるんだ?」と自問自答しつつ、「時間の限り考えましょう」と結局行動せず先延ばししてしまった。
このようにAメロでは、僕と君のまだ実っていない恋愛関係が描かれる。
一方、続くBメロでは、場面が大きく変わっていく。
<Bメロ>
ザラメ糖を焦がしたクレームブリュレ
甘いカラ 破って
その中にある柔かいのを ひとさじ分けて欲しい
デカい期待 抱いてたいなぁ
ここにきてスイーツのブリュレが登場。
お恥ずかしい話だが、私は甘いものが苦手で疎いので、この曲に出会うまで「ブリュレ」そのものを知らなかった。
そもそもスイーツのブリュレとは、ざっくり言うとプリンの表面(カラメル)を焦がしたスイーツみたいなものだ。
そんなことは分かっているよ!と思うかもしれないが、この曲のタイトルをプリンでもシュークリームでもティラミスでもなく「ブリュレ」にしたのだから、ブリュレにしかない特徴がポイントになってくる。
それがまさに、「カラを破らないと中身を食べられない」ことである。
ブリュレのメインであるプリン部分は、表面を焦がしたキャラメリゼを突き破って初めて食べられる。
何か壁を突き破らないと、メインにはありつけることができない。別の言い方をすれば、メインは壁によって隠れているとも言える。
それがこの曲だと何を表しているのか。先程のサビの話や、ブリュレの歌詞を知っている人はピンときたのではないだろうか?
それは「主人公と君の恋愛模様」のことである。
Aメロでも分かるように、僕は君のことが好きであるにもかかわらず行動に移せていない。
一歩踏み出さないといけない恋、片想いだとか告白をしていないだとか付き合えていないだとか、とにかく言動をもって成就していない恋なのだ。
上のカリカリのキャラメリゼをスプーンで割って初めて、中にある甘いプリンが食べられるブリュレのように。
何か言動をもって一歩踏み出さないと、壁を突き破らないと、”メイン”の甘い恋愛にはたどり着けないのだ。
もっと的を絞って、ブリュレは「君」のことであると考えても良い。
君とは恋人関係ではない。だから、君が本当はどんな人間なのか僕は知らない。君を知るためには、僕と君の間に立ちはだかる「恋に発展するための」壁を壊さないといけない。
僕にとって君はブリュレのようなものだ。
さらに、先程述べたように「メインは壁に隠れている」ということは、僕自身にも当てはまる。
僕のメインすなわち本心は「君が好き」という気持ちであるが、僕は君への好意を行動に移せていないため、その本心は隠されている。ブリュレは僕自身のことでもあるのだ。
つまり、
ブリュレとは
①僕と君の恋愛模様
②君自身
③僕自身
のどれにも当てはまるということだ。
どれを当てはめても成り立つが、この三つの中でもより適したものを見極めることもできるだろう。
では、このBメロはどうだろうか。
「その中にある柔かいのを ひとさじ分けて欲しい」ということは、プリンというメインを食べたい=メインを手に入れたいということだ。
すると、①僕と君の恋愛模様と②君自身が当てはまる。
①ならば、僕と君の甘い恋を手に入れたいということ。
②ならば、君自身を手に入れたいということ。
こうしてみると、①の延長線上が②なんだから同じことじゃないか、と思うかもしれないが、変な話、恋愛成就をしなくても君自身を手に入れることは可能なのだ。
最悪の発想だが、例えば「体だけの関係(告白をしていないが恋人のような状態にある関係)」であれば、恋を手に入れなくとも君自身は手に入る。もちろん逆も然り。
なので、①≠②であり、①と②は必ずしも両立しないのである。
続く「デカい期待 抱いてたいなぁ」についても、①ならば、楽しい恋愛になるといいなぁと恋愛に対して期待しているし、②ならば、君自身に期待しているということになる。
ここで、さらに個人的な解釈をさせてもらうと、先程の最悪な発想に近い考えであるが、下心にフォーカスして考えてみる。
ブリュレを”食べる”ということは、②の場合、君自身を”食べる”ということだ。つまり、恋愛とかはさておき、とにかく君とどうにかなりたいという邪な気持ちであるとも考えられる。
思い返せば、Aメロで「心配性の悪魔」と出てきた。
僕の心に住む天使と悪魔のうち、悪魔だけが出てきて僕を後押ししていることからも、僕はどこか下心があるに違いない。
カラを破った奥にある柔かいもの、という表現は君の体を表しているような官能的表現にも捉えられるし、「デカい期待」というのも君とどうにかなりたい期待であるとも取れる。
つまり、Bメロは、恋愛下手な僕の邪な妄想シーン、いや僕の隠されたもう一つの本心であると考えても良い。
(ちなみに「ひとさじ分けてほしい」って絶対ひとさじじゃ終わらないだろ、という感じである。これは謝罪しながら述べるが「先っぽだけだから!」に近いものを感じてしまう申し訳ない。でもそれがまた恋愛下手っぽさになっている。)
恋愛成就したい、君を手に入れたい、そんな純粋な想い。はたまた、邪な気持ち全開の妄想パート。いや、その両方が本心であるからこその純粋な恋心なのかもしれない。
どれをどう取るかは人によるが、何にせよ、恋愛下手な僕の願望が描かれているのだ。
※私は、君のことが純粋に好きで結ばれたい気持ちと邪な気持ちが両方渦巻いている状態だと考えている(それが僕自身がブリュレである所以だと思う)ので、以下そのような考察で進むところもあります。
では、みんな大好きなサビへ行こう!
<サビ>
君を知り尽くしたくて 時折 傷つけちゃって
そっから何か学んで生まれる愛情
許して すべて分かりたい その線を超えてしまいたい
覗き見してしまったような気持ちになりたい
前半の「君を知り尽くしたくて〜生まれる愛情」では、僕が頑張って君にアタックしているけれど思い通りに上手くいっていない様子が分かる。
「君を知り尽くしたくて」が、まさにBメロで描かれた願望を彷彿とさせる。知りたいのではなく知り尽くしたいのだから、僕は君の隅々まで知りたい=君の心も体も知りたいのだと私は思う。
そして、ヲタク悶絶パートですね。
「許して〜気持ちになりたい」は、ヲタクからするとウホホイ!!パートであるが、ストーリー的に考えると僕の心の裏もとい本心が描かれている。
「許して」という卑怯な前置きがあって、「全て分かりたい 」「その線を超えてしまいたい」と続く。君の心も体も知りたいのだ。
そして、「覗き見してしまったような気持ちになりたい」というのがこりゃまた問題発言である。
君と恋人関係になりたいのであれば、カラを破る=行動に移せばいい。それこそ正々堂々と''ブリュレ''を食べればいいのだ。
なのに、「覗き見」となると、カラを破らずにメインを見たい=行動に移さずに君を知りたいと思っているようなもの。
本心では君のことが好きであるが、現実世界では上手くいっていない。さらに僕の本心では、君とどうにかなりたいという願望さえ持っている。でも、覗き見で良いとも思っている。(なんなら覗き見の方が興奮する!くらいに思っているだろう。)
こうやって僕の中には複雑な恋心が渦巻いているようだ。
こうして見ると、このヲタク悶絶パート、実は僕がウホホイ!!なパートなのである。
ある意味、僕の心に宿る複雑な愛の感情は、ヲタクが推しに抱く感情に似ている。
推しのこと純粋に好き、応援したい、でも本人とどうこうするのは無理、でも本心ではあんなことやらこんなこと、いやそんなはしたない感情は推しに失礼!でもやっぱり本心は……みたいな。
僕にとってのアイドルは君なのだ。だからこそ、この「妄想」「興奮」「悶絶」パートはヲタク心に刺さる、通ずるものがあるのかもしれない。
さらにサビの続きを見ていくと
<サビ続き>
心 触れるたびに揺れる
言葉の奥で はにかむ ためらう
赤く染まるブリュレ
ここで気になるのは、「赤く染まるブリュレ」の表すものである。
ブリュレの意味するものは、前述の通り、①僕と君の恋愛模様、②君自身、③僕自身である。
まず、「心 触れるたびに揺れる」に注目する。
この心は誰の心なのか?
今までのサビの流れから考えるに、僕の心だろう。
自分自身の複雑な恋心に触れるたびに、心が揺れ動く。僕の恋心を思い出してみると、本心と言動、純粋な好きと邪な好き、というように矛盾点が多い。その矛盾こそ心の揺れである。
君のことが好きなのに上手く言動に繋がらない様子、「純粋な好き」の裏にあるもう1つの「邪な好き」という本心。
だから、「言葉の奥で はにかむ ためらう」のだ。君との会話での言葉、自分自身の心に問いかける言葉、その奥には矛盾した気持ちがあって、恥ずかしかったりもどかしかったりして、はにかんだり躊躇ったりする。
つまり、はにかみや躊躇いをして赤く染まっているブリュレは、③僕自身のことだ。
僕自身をブリュレとしたときのメインは、僕の本心である。つまり、「心 触れるたびに揺れる」の心や揺れているものはメインである僕の本心だ。スイーツのブリュレのメインがトロトロと揺れている感じとも重なってくる。
もちろん、赤く染まるブリュレが、①僕と君の恋愛模様や②君自身と考えることもできる。
赤く染まっているのが君だったら、僕のこの恋心に気づいているのかな?と感じられる。「この人、私の事好きなんだ……」と気づいて照れているのかもしれない。これだけ君のことを好きな気持ちがあったら、君が感じ取っていてもおかしくない。
君はもしかすると「僕が行動を移す」ことを待ち望んでいるのかもしれない。実は君たち両想い!いけいけ!状態である。そんな二人の状態は、まさに①の赤く染まるブリュレでもあるだろう。
きっと、どれでも当てはまるし、どれも正解なんだろう。あとは好みもある。私は自分自身と重ねやすいので「③僕自身」がしっくりくるというか、一番刺さるのだ。
皆さんはどれがお好み?
▶3:二番でさらに濃厚に
そのまま二番も見ていこう。
<Aメロ>
ちゃんと貢献してるんだ みんな経験してくんだ 恥ずかしい青春を
ハンカチなしでは語れない ドラマを一緒に作りましょう
「恥ずかしい青春」とは、この恋愛だったり僕の気持ちだったりするだろう。恋愛下手でドギマギして赤く染まっちゃうような恋愛なのだから。
でも、そんな「恥ずかしい青春」は「みんな経験してく」のである。誰もが僕たちのような甘酸っぱい恋愛をしている。
「みんな」を盾にして、俺だけじゃないから!青い恋愛しているのは!!と主張しているようにも感じる。「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」的な、みんなしてるから大丈夫みたいな。
その「みんな」にもちろん僕も含まれている。僕の恋愛もまた、「みんなが経験する恥ずかしい青春」という盾に「ちゃんと貢献してる」のだ。だから良いだろ!と。
そのため、「ちゃんと貢献して''るんだ'' みんな経験して''くんだ''」と、みんなに向かって主張し、自分自身に言い聞かせている。
そして、僕の青い恋愛が、ある種正当化されたところで、「ハンカチなしでは語れない ドラマを一緒に作りましょう」と振り切ってくる。恥ずかしい青春かもしれないけど、みんな経験してるし、僕も貢献してるんだから、いっそ素晴らしい恋愛にしようじゃないか!というわけだ。
こういう考えそのものが青臭い感じがして香ばしいが、私はそんな僕の気持ちが分かるし、恋愛下手な僕が愛おしい。
(「ちゃんと〜青春を」を、ある種少年のような安田氏が歌っているのも私の性癖にぶっ刺さるよ……僕の垢抜けて無さよ……)
続いて願望パートことBメロ。
<Bメロ>
時間をかけて煮詰めたキャラメリゼ
まだツヤツヤなうち
一番美味しいタイミングで是非とも味わいたい
ヤバイ未来 見越してたいなぁ
一番Bメロと同様にブリュレを②君自身として考えていこう。
一番では「ひとさじ分けて欲しい」などと言っていたのに、「一番美味しいタイミングで是非とも味わいたい」とは強欲である。
もちろん、スイーツのブリュレなら、キャラメリゼが仕上がったばかりの美味しいタイミングで食べたいというわけだが、この曲ではそうはいかない。
僕は、君の心と体を知り尽くすのに、最高のタイミングを狙っている。それは君との恋愛が上手くいくタイミングでもあり、「ヤバイ未来」=君とあんなことやこんなことができる未来を見越せるようなタイミングでもある。恋愛下手なくせに妄想だけはいっちょ前だ。
もっと下心にフォーカスして読み解けば、一番の「カラを破った中にある柔かいの」から、ブリュレが君の体を官能的に表現しているとすれば、「時間をかけて煮詰めたキャラメリゼ まだツヤツヤなうち」は違う意味を持つ。
君が時間をかけて守ってきた、まだツヤツヤな誰も触れていない貞操を破り、一番手として味わう。それが一番美味しいタイミングで味わうということ、と捉えられなくもない。
とにかく、やはりBメロは僕の願望パートなのだ。
さぁ、みんなが大好きサビに行こう!
<サビ>
君に捧げたくなって 至れり尽くせりやって
余計に世話焼いちゃって悩める純情
ひっそりのめり込まれたい ほんのり煙たがられたい
''目障りだけど気になるアイツ''になりたい
さっきまであんな願望を言っていたのに「君に捧げたくなって〜悩める純情」なのだ。やっぱり心で思っていてもそう簡単に実行できないのものだ。まさに僕はブリュレである。
そしてこの僕の恋心は言うまでもなく「純情」なのだ。
からの、お馴染みヲタク悶絶パート、いや、僕のウホホイ!!パート。
一番でも「覗き見」があったように、「ひっそり〜になりたい」においても、どこか僕は受動的だ。
めちゃくちゃ君のことが好きであるのも伝わるし、言動に移せない感じも伝わる、物凄いストレートだけど複雑な恋心がたまらない。
もしかして、僕はツンデレ?と思わさせられるようなワードチョイスである。(ツンデレの構造もブリュレに近いしね)
<サビ続き>
心 乾くほどに燃える
忘れた頃に はじまる 戸惑う
思いがけずブリュレ
ここでも、「思いがけずブリュレ」が何を表すものかが気になってくる。
「心 乾くほどに燃える」は、僕の恋心は満たされないほど燃えるということだろう。直前に「ほんのり煙たがられたい ''目障りだけど気になるアイツ''になりたい」と言っているし、実際君との恋愛は上手くいっていない。思い通りにいかないからこそ、僕の恋心は燃え上がるのである。
そうやって心が燃え上がってきて、いざ君への恋心を打ち明けるぞ!という時に、果たして僕はどうなるだろうか?
そう、僕の心には、恥じらいだったり、緊張だったり、素直になれない気持ちだったり、それまでの熱とは裏腹な感情が芽生えてくる。
本心では恋心が燃え上がっているのに、裏腹な感情が壁になって上手く想いを打ち明けられない。まさに僕は「思いがけずブリュレ」になってしまうのだ。
自分自身がブリュレのようだったことを「忘れた頃に はじまる」この感情に、僕は「戸惑う」のだ。
すなわち、「思いがけずブリュレ」は③僕自身を表している。
もちろん一番同様、①②でも当てはまってくる。
②ならば、君への恋心を打ち明けようと思ったけれど無理であった=君というブリュレを味わうことが出来なかった。「思いがけずブリュレ」にぶち当たった。
①ならば、熱い恋心により上手く行きそうな二人の恋愛模様に「思いがけずブリュレ」、立ちはだかる壁によってやはり成就しなかった。
と様々な解釈ができる。
これもお好みである。
その後、みんな大好きなゴリゴリダンス間奏が入り、Bメロ(実質のCメロ)がやってくる。
<Bメロ(Cメロ)>
いろんなアングルで眺めてたいや
皿の隅々まで
どんな予想外の味だって喜んで平らげます
デカい期待 抱いてたいなぁ
Bメロは今までの傾向通り、願望パート&②君自身として考える。
「いろんなアングル〜隅々まで」はまさに一番サビでも歌っているように、君の全てをどの角度でも漏れなく知り尽くしたい、という願望だ。
そして、君自身が「どんな予想外の味だって」僕は「喜んで平らげます」と宣言している。
君をとにかく''食べたい''という願望が、一環してBメロで歌われているのだ。
この後、一番サビと二番サビを合体させた大サビが続いて、この曲は終わる。
さて、ここで問題なってくるのが、「果たしてブリュレを食べたのか?」ということである。
▶4:ブリュレを食べたのか問題
「ブリュレを食べる」とは
①恋愛成就、②君自身を知り尽くす、③僕自身を打ち明ける
ということであり、これらができたのか?は大きな問題である。
食べた説と食べてない説で、それぞれ考えていく。
<ブリュレを食べた説>
説1:Bメロ(実質のCメロ)で食べている
私が今までの歌詞解釈シリーズでも何度も言っていることだが、Cメロは革新的な歌詞が多い傾向にある。
願望パートとして歌われてきたBメロだが、二番サビ明けの実質Cメロであるあの部分は、何か他と違うのではないだろうか?
<Bメロ(Cメロ)>
いろんなアングルで眺めてたいや
皿の隅々まで
どんな予想外の味だって喜んで平らげます
デカい期待 抱いてたいなぁ
今までの願望パートと違う部分として、ブリュレが「皿」に乗っている状態であること。
そして、一番Bメロは「分けて欲しい」、二番Bメロは「味わいたい」と、ブリュレを〇〇したいというI wantであったのが、ここでは「平らげます」という申告、I willであること。
つまり、ブリュレが皿の上に出されていて、「いただきます」と手を合わせて挨拶をしているような食べる寸前の状況下であると考えることができる。
もう、君を''食べる''寸前の状態であるということだ。
二番で「ちゃんと貢献して〜恥ずかしい青春を」とか言ってた少年ヤスくんが、ここにきて「喜んで平らげます(ハート)」とか言っててまさに''安田''という感じがする。歌割り神ってる。
さらに、ここでダンスも兼ねて解釈しちゃうのだが、「デカい期待 抱いてたいな」のあとに♪で〜でれでれでれダンダンダンダンというメロディが入る。ダンダンダンダンに合わせて、ダンスでは足踏みするところだ。
このインスタで、丸山氏が踊っている部分だ。
連続して強く足踏みしている様子は、何かを破壊しているよう。破壊するといえば、そう、ブリュレのキャラメリゼをかち割っているよう!ブリュレを食べるために、スプーンでカンカンカンカンと。
このように歌詞やダンスから、大サビ直前にブリュレが食され、盛り上がりの大サビはまさに僕の(恋の)盛り上がりとなっていると解釈できる。
説2:大サビの「思いがけずブリュレ」で食べている
言うても、このCメロは願望パートとも取れる。
Cメロで他と違うと言ったが、それは「妄想レベル」の違いであるとも言えるのだ。
一番二番を通して、僕がこんなにも君のことが好きなのに言動に移せないという、もどかしい様子を描いてきた。
そんな恋愛下手でドキマギしている僕だが、Bメロやサビのヲタク悶絶パートのように急に表れる僕のドロっとした本心。これこそまさにブリュレであり、この曲のスパイスでもある。
そんな僕の、純粋なのに(だからこそ)危険な、複雑化した愛のカタチは、Cメロに来てより一層濃度を増す。
「いろんなアングルで眺めてたいや 皿の隅々まで」の「皿」というのは、君が心と体を預けている場所=属しているコミュニティなどになってくるのかもしれない。君自身だけではなく、君がいる場所の隅々まで見ていたい。ある種ストーカーに近いような雰囲気さえ感じる、そんな危険な欲求まで生まれてくる。
そうやって君を眺めている僕が宣言する「どんな予想外の味だって喜んで平らげます」は、なかなかに恐ろしい。どんな君であっても構わない、といえば聞こえが良いが、もはや君に心酔しきっている。どんな君でも受け入れるということは、君にはもう逃げ場がないのだ。
そして、大サビがやってくるが、歌詞は一番と二番と同じなのだ。何か進展などの変化があるわけではない。
結局こんなにドロドロな本心を抱えてはいるものの、やっぱり行動に移すのは難しくて、ブリュレたる僕の葛藤を感じる。
しかし、最後に、大サビから少し間が空いてから「思いがけずブリュレ」とくる。
しかもここの「ブリュレ」、音楽が一度止まるまでリフレインする。意味ありげである。
この「思いがけずブリュレ」は、二番サビのような「上手く行きそうなところで、目の前に立ちはだかる壁」的な「思いがけずブリュレ」ではないのかもしれない。
ここまで二人はずっとブリュレたる恋愛をしてきた。一番、二番、Cメロからの大サビ、と三回も繰り返している。
そんな二人にとって上記の「上手く行きそうなところで、目の前に立ちはだかる壁」的な「思いがけずブリュレ」はもはや成立しない。もう、思いがけずじゃなくなっている。
もはや「またしてもブリュレ」「やっぱりブリュレ」「分かってたよブリュレ」と歌いたくなる。
だからこそ、この最後の「思いがけずブリュレ」は、今までの歌詞とは違うような、正真正銘の''思いがけず''であるような予想外な展開でなければならない。
つまり、思いがけずブリュレ''を食べることができた''のだ。
またしても、ダンスからの解釈もしてみると、「思いがけずブリュレ」のあとに今までに無かったような、大ジャンプがある。
このインスタの大倉氏のダンスの部分だ。
メンバー全員だと、急にいっせいにジャンプする(急に縦方向の動きが入る)ので、ブリュレの中でもよく目立つダンスであり、印象に残っている方も多いと思う。
ジャンプしたその後すぐ低い体制になる。変則的なダンスからの静かになっていく感じも踏まえて、何かを飛び越えた、突き破った、新しい世界へ行ったような印象を受ける。
ジャンプでキャラメリゼを割り、低い体制で足を蹴り出すダンスでプリン部分をすくった。そう感じることができる。
最後の最後に正真正銘の「''思いがけず''ブリュレ」しちゃったという流れ、結構推せるなと個人的に思う。
<ブリュレを食べていない説>
食べた説2の「思いがけずブリュレ」が、今までと同じ意味での「思いがけずブリュレ」であった。というパターンである。ある種の正統パターンだ。
大サビ最後の「赤く染まるブリュレ」のあと、♪うぉ〜おお〜とフェイクが入ってから「思いがけずブリュレ」とくる。このフェイクなんかもう、僕のもどかしさの叫びそのものに聞こえる。
「照れちまったよ〜〜!うぉ〜〜!やっぱり思いがけずブリュレになっちまったよ僕は〜〜!!」と言っているよう。そのあとのブリュレリフレインも「あぁ結局ブリュレなんや……ブリュレなんや……ブリュレなんや……」とリフレインしているよう。
その後のダンスも、僕のもどかしさの大爆発だと思うとしっくりくる。
音楽とダンスがパタッと静まり、イントロの繰り返しのように曲が終わるのも、また僕がこの恋を繰り返していくようで、頑張れ!と言いたくなる。
極論だが、ブリュレを食べているのであれば、Cメロや大サビにおいて、食べた感想だとか「キャラメリゼを割った」ことを表すような言葉を入れても良いわけだ。
例えば同じ関ジャニ∞の楽曲「wander」では、一番二番サビでは「息を殺し道を行く 目を伏せ偽りの姿で」だったのが、大サビで「息を吐いて道を行く 顔上げ誇らしい姿で」に変化する。
このような、同じサビだからこそ言葉をちょっと変えて主人公の変化を表すという方法は、分かりやすいし、曲のメリハリやストーリー性が感じられて感動する。
そういった表現をしていないことからも、やっぱりブリュレは食べていないのではないか?と考えることができる。
この曲が表したいものは、二人の恋愛が成就するようなストーリーではなく、「ブリュレ」たる二人の恋愛や僕の感情であるということだ。もどかしい恋心、そこをピンポイントに表現している曲なのだ。
どの解釈でももちろんOKであるし、ここに書いていない解釈でも良いわけだが、私個人としては説2、もしくは食べていない説を推したい。
やっぱり私は、僕にはどうしようもなくあってほしい。あんなゴリゴリダンスナンバーで強気な感じなのに、それは僕の隠した本心であって実際は恋愛下手である、なんてもう最高ですやん。
▶ブリュレ最高!
長々と書いてしまったが、まとめてみると、ブリュレのような僕が、ブリュレを食べるように君をいただこうとしている恋愛ソングということだ。
こういう青い恋愛ってなんだか良い。
純情だからこそ危なっかしくて、そんな表裏一体な恋愛模様は香ばしいものがある。
あくまで超個人的解釈なので、他の説や感じ方もあると思うが、私はこういう青い恋愛をしている関ジャニ∞が死ぬほど大好きです。ウホホイ!!
それにしても、新曲発売直前のMステで、十数年前に発売した「ブリュレ」を披露することは「思いがけずブリュレ」であった。そもそも、私たちが推しに感じるギャップ萌えも「思いがけずブリュレ」であるのだが。
なんなら、関ジャニ∞というグループやメンバー各々が「ギャップの塊」である以上、それは「ブリュレ」なのである。
ホント、全く困った素晴らしい楽曲とグループである。
さぁ次は、「不意打ちWASABI」の話でもしますかー!なんて。
🌈最後までお読みいただきありがとうございます
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人間愛好家という「究極の人間好き」の目線から、大好きなエンタメの話やマイノリティの話、日常の気づきなどを書いています!
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