白血病は突然に

ある日突然に急性骨髄性白血病と診断された四十路未婚の手記です。

白血病は突然に

ある日突然に急性骨髄性白血病と診断された四十路未婚の手記です。

最近の記事

未来の不安は今を悔いなく生きることで消えるみたい

全然早くは感じないのだけど、早いもので骨髄移植をしてから2年が経ちました。早く感じないのは主に2つの理由があります。 1、少々制限のある生活をしている=やりたいことを少し我慢しているので制限が取れる日を待ち望んでいる 2、再発を恐れてヒヤヒヤしている=早く5年経過して”治癒”の称号を手に入れ、安心したい 特に2の方は、ちょっと体調が悪くなったり、検査結果がよろしくなかったりするとたちまち不安となって私に襲いかかってきます。体調がちょっと悪くなることくらい、普通に健康に生き

    • 骨髄移植から1年

      こんにちは。 わたくし、1年半ほど前に突然白血病と診断を受け、3クールにわたる抗がん剤治療の後、骨髄移植を行いました。 そして先日無事に骨髄移植から丸1年を迎えることができました。いわゆるセカンドバースデーを迎えて1歳になりました。 骨髄バンクのドナーさんをはじめ、お医者さん、看護師さん、病室を毎日掃除してくれてたおじさん、リハビリのお兄さん、食べ物やパジャマの替えをせっせと運んでくれたお母さん、手を替え品を替え元気付けようとしてくれた友人知人、復帰を待っていてくれた会

      • エブエブ(とブラプラと歌舞伎)

        3日前にアカデミー賞7冠を獲得した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(以降エブエブ)。 4日前に最終回を迎えたテレビドラマ「ブラッシュアップライフ」(以降ブラプラ)。 (安藤サクラの一人称わし…なの?) 今日までの5日間で私が観た3つのエンターテインメント(3つめは後述)は、どれも宇宙を感じさせる作品でした。脳内が宇宙でパンパンになっちゃって、ちょっと頭の整理が必要になってきたのでここに書き出しておくことにしました。脳も宇宙の一部だから"脳が宇宙でパ

        • 季節ごとに好きな場所で暮らす 〜2拠点、たまに旅〜

          どこでも住めるとしたらどこで暮らしますか。私は荷物をまとめるのは面倒だけど、季節ごとに好きな場所で暮らしたい。 好きな季節はいつですか? 好きな場所はどこですか? 小さい頃、私は冬が好きで夏が嫌いだったけど、ハワイに行くようになってから夏も好きになりました。春と秋は過ごしやすくて元から好きなので、今やすべての季節が好きです。それでもまあ、できれば夏は少し涼しめで、緑豊かなところか海があるところで暮らしたいし、冬はあたたかめで、雪はドカドカとは降らないけど何度か降るようなと

        未来の不安は今を悔いなく生きることで消えるみたい

          ブラッシュアップライフ 〜2周目として生きる〜

          こんにちは。 昨年末day217で免疫抑制剤が終了したことで生魚が解禁となり、お寿司を必要以上に食べている今日この頃、今期のドラマのイチ押しである「ブラッシュアップライフ」(脚本:バカリズム/主演:安藤サクラ)について少しばかり語らせていただきます。 ところで、楽しみにしているドラマが1〜2本ある暮らしっていいですよね。3本以上になってしまうとドラマに追い立てられる生活になってしまうし、0本だとなんだか淋しい。今期は「ブラッシュアップライフ」1本で、清々しく楽しいクールで

          ブラッシュアップライフ 〜2周目として生きる〜

          『エルピス』と腸内環境と細胞 -希望-

          久々に夢中になったテレビドラマ『エルピス』。最終回から10日が経ちましたが、まだまだ折に触れ思い出します。 時間があっという間に過ぎていくのを防ぐために、数年前からテレビをあんまり見なくなって、1年ちょっと前に思い切ってテレビを捨てました。直後にまさかの白血病で病院送りとなり、看病のために田舎から出てきて一人暮らしの我が家に住んでくれた母の強い要望でテレビを再購入。 退院して半年間というもの、四六時中バラエティ番組ばっかり見てガハハと笑っては免疫細胞を元気づけていたのです

          『エルピス』と腸内環境と細胞 -希望-

          骨髄移植完了報告

          しばらく更新が途絶えていましたが、骨髄移植が無事に済んで本退院いたしました〜。 移植は、今までの抗がん剤治療とは桁違いに精神的にも肉体的にもハードだったので、退院してもなかなかすぐには「note更新しよーっと!」という気力が湧いてきませんでしてハイ。 私が行った骨髄移植は、正確には非血縁者間造血幹細胞移植と呼ばれるもので、骨髄バンクのドナーさんから頂いた骨髄を私の身体に注入して、私の血液の細胞をドナーさんの細胞に入れ替えてしまう、という生命の神秘を感じる大それた作戦です(

          骨髄移植完了報告

          どんな時でも自分は自分の最大の理解者でありたい

          急性骨髄性白血病の治療を始めて3ヶ月半。約4週間1クールの抗がん剤治療を3回終えて、現在は骨髄移植に向けて、全身の検査や新薬の投与を行うために入院しています。 毎クールちょこちょこ嫌なこと(皮疹、食欲不振、下痢、便秘、発熱、カテーテル挿入による不自由感、カテーテル挿入失敗、骨髄穿刺、皮膚の生検、輸血によるアレルギー等)はありましたが、大きな問題はなく無事に治療が進んでいます。 3回の抗がん剤治療を経て、がん細胞である芽球の数値は1.6%。血液学的寛解を保てている状況(5%

          どんな時でも自分は自分の最大の理解者でありたい

          ひとり暮らし猫飼いが長期入院することになったらどうするか

          我輩は四十路である。結婚は(まだ)してない。子どもはいないが、子どもと同じくらい大切な、愛する猫と暮らしている。 猫と四十路独身女の濃密なるニャンニャンライフ。周りが何と言おうと幸せです。しかし飼い主が突然白血病になり緊急で長期入院することになったら、そうも言っていられません。 昨年11月22日、会社の健康診断で再検査が出ていたので、特に体調が悪かったわけでもないけど血液検査を受けに行ったら急性骨髄性白血病であると診断され、即日緊急入院に。 このまま入院だと通告する先生

          ひとり暮らし猫飼いが長期入院することになったらどうするか

          信じて打つべし(第3クール 抗がん剤投与完了)

          去年の11月に突然急性骨髄性白血病と宣告された私ですが、2ヶ月以上が経ち、さすがにこの状況にも随分慣れてきました。 1月25日に3度目の入院。毎回全ての荷物を持って退院し、3日後に全ての荷物を持って入院。病院に向かうタクシーの中で「あゝ、またあの看護師さんたちのいる病院に戻るんだなぁ」と少しホッとする感情すらわいてくる始末です。 朝9時に病院に着くとコロナの抗原検査。検査結果が出るまで1時間以上待合室で待機。オミクロンの勢いが甚だしい時期、ちょっとドキドキしましたが無事に

          信じて打つべし(第3クール 抗がん剤投与完了)

          人に甘えることは、良くないことなのか

          ある日(というか2021年11月22日)、突然に無菌室での闘病がはじまり、私は病室から一歩も出られない身の上となりました。 コロナ禍で病院に不特定多数の人間を入れるべからずということで、Amazonなどへの発注なども禁止され、毎日15時〜16時の1時間だけ開かれる受付へ、誰かが私宛に差し入れをしてくれないと飲み水すらも断たれる、という状況。 一人暮らし歴、早20余年。 ほぼ全てのことを1人でやりおおせてきました。電球も自分で替えるし、虫も退治する。仕事に出ている間に洗濯

          人に甘えることは、良くないことなのか

          手放してみたら "あ、実は我慢してたんだ" ってことに気づいたりする

          2020年の春から続くコロナ禍。私の会社は娯楽産業、業界的に大打撃を受けています。企業にとっては危機ですが、私個人にとっては時間的ゆとりができました。コロナ以前よりも忙しくなくなったからです。 ひどい時には残業時間が月に200時間を超えることもあり、夏休みや有給休暇はおろか、公休を取りきるのも困難。そんな20代、30代を送っていました。周りの友人たちよりも休めていないことには気づいていたけど、好きな仕事にはつけているし、辛いこともあるけど楽しいこともある。基本的には笑顔で働

          手放してみたら "あ、実は我慢してたんだ" ってことに気づいたりする

          未来の不安を憂うことには何の意味もない

          そんなこと言われいでも分かっとるわい!でもさ…って感じだと思うのですが、自戒を込めてちょっと書き連ねておきます。 病気になってから改めて思いましたが、ゲッターズ飯田っていいこと言いますね(上から)。ちなみにゲッターズ飯田のTwitterをフォローし始めたきっかけは、こちらのツイート。 突然の白血病発覚に戸惑いながらも粛々と入院や治療を受け入れてきた身にとって、大変励みになる言葉でした。そう、私、運いいから。 入院した日に、先生に言われました。「いつ脳内出血するかもわから

          未来の不安を憂うことには何の意味もない

          病院で年越し(第2クール 抗がん剤投与完了)

          年越しは抗がん剤とともに無菌室で過ごしました。第2クール(地固め療法①)は12月29日から1月3日の午前中まで、5日間24時間の年またぎ抗がん剤投与です。(キロサイド5日間24時間+ノバントロン3日間各30分投与) 病院は12月29日から1月3日まで外来なし。祝日体制で人員少なめです。ドクターは不在、看護師さんが交代で頑張ります。年末に両隣の患者さんが本退院されたらしく、病室もどことなく静か。 私の楽しみはと言えば、正月の病院食です。一人暮らしをして早20年強。お正月休み

          病院で年越し(第2クール 抗がん剤投与完了)

          3日間のシャバ、からの第2クール開始(抗がん剤初日)

          サンタさんに一時退院という粋なプレゼントをもらって、クリスマスの朝に一時退院しました。3日間限定のシンデレラシャバ生活です。 2021年11月22日に緊急入院し、途方などに暮れる間も無く淡々と第1クール(寛解導入療法:キロサイド7日間24時間+イダマイシン3日間各30分投与)に突入。下痢や皮疹、高熱、脱毛の副作用を乗り越え、血液学的寛解という寛解導入療法の成功と呼ばれるラインに到達。血中の芽球と呼ばれるがん細胞が5%以下になれば成功扱いらしいのですが、私は2.4%にてゴール

          3日間のシャバ、からの第2クール開始(抗がん剤初日)

          ゼロベースになったら、そこには愛しかなかった

          私、今、白血病で無菌室に入っていて、抗がん剤治療してるんですが幸せなんです。強がりとかではなくて。 去年の12月23日に彼氏から突然LINEで別れを切り出されまして、去年のクリスマスは健康で元気で自由だったけど不幸せでした。クリスマスイブは一人暮らしの部屋にまっすぐ帰るのが嫌で(多分泣き暮らすから)、スタバで読書してから帰りました(ちなみにそこで読書した本の内容は大変有益でした)。心が弱っていたので、歩く速度もゆっくりで、ふとした時に涙がこぼれる日々を送っていました。 今

          ゼロベースになったら、そこには愛しかなかった