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病院で年越し(第2クール 抗がん剤投与完了)

年越しは抗がん剤とともに無菌室で過ごしました。第2クール(地固め療法①)は12月29日から1月3日の午前中まで、5日間24時間年またぎ抗がん剤投与です。(キロサイド5日間24時間+ノバントロン3日間各30分投与)

病院は12月29日から1月3日まで外来なし。祝日体制で人員少なめです。ドクターは不在、看護師さんが交代で頑張ります。年末に両隣の患者さんが本退院されたらしく、病室もどことなく静か。

私の楽しみはと言えば、正月の病院食です。一人暮らしをして早20年強。お正月休みもほとんどない仕事をしていたので、お正月らしい料理には割と無縁に過ごしておりました。しかし病院食のメニューを見ると「12月31日 年越しそば」「1月1日 重詰」などと季節を意識したメニューが並んでいます。抗がん剤で食欲を削がれながらの食事ではありましょうが、楽しみなものは楽しみです。

抗がん剤初日:抗がん剤の流量を制御する装置を点滴台に装備され、これから5日間は電源を意識した生活に。このコード捌きがなかなか厄介なのです(トイレや洗面に行く時に長さが足りないのでプラグを抜かないと行けなかったり、座り位置を変える時にコードのポジションを変えたりとか)。体調には特段変化なし。夜ごはんの煮込みハンバーグに浮かれる。私、四十路。

抗がん剤2日目:この日も特段変化なし。

抗がん剤3日目:朝の体重測定で、抗がん剤投与前の体重と比較して1kg増していることが発覚。1kg以上増えると自動的に利尿剤を処方されます。抗がん剤に加えて、生理食塩水も24時間投与しているので浮腫むんですよね。この日は大晦日。夜ごはんに年越しそばが出てきて嬉しむ。紅白を観たりで、大晦日を楽しむ。

抗がん剤4日目:未明に腹痛がして、本年初のナースコール。カロナールを服用。元旦の朝ごはんはおかずに数の子黒豆ふき煮が。いつもはお箸は自分で持ってきたものを使わないといけないのですが、朝食だけは寿と書いた立派な割り箸が添えられてました。その後、生理がやってくる。なんだかな。抗がん剤で止まると先生から聞いていたのに2回目もやってきましたよ。頑張るね、我が卵巣と子宮よ。昼ごはんのおかずはお雑煮風のお椀。餅は喉に詰まらせる危険性があるからでしょうか、大根か山芋か何かで餅っぽく成形された何かが浮かんでいました。そして夜ごはんは重詰。重詰の中身は、栗きんとん鯛の塩焼きローストビーフ筑前煮です。それに生理を祝うかのようなお赤飯蛤の潮汁。お重こそプラスチック製ですが、栄養士チームの意気込み感じる元旦でした。この日は排便がなく(恐らく抗がん剤の影響で便秘)、なのにたくさん食べたので(間食にミニサイズのえびせんとベジたべるも食べちゃいました)、お腹がいっぱいでもう少しで吐きそうでした。

抗がん剤5日目膨満感ムカつきとともに迎えた朝。果たして抗がん剤の副作用か単なる食べ過ぎか便秘の影響かはわかりません。1月2日、病院はまだお正月を引きずっていて朝食は伊達巻昆布巻ふき煮。味噌汁は甘めの白味噌。全部甘くて白米を進めることもできず、食欲もないしで半分残す。おせちっていうのはアレですね、元旦にはワーってなるのに、2日目以降はテンションが下がっていきますよね。午後の検温で37.7℃。熱が出るタイミングではないので看護師さんを焦らせましたが、自覚症状もなく様子見に。生理は2日目にして勢いダウン。最後の力を振りしぼってるのかな。なんかごめんね、我が卵巣と子宮よ。

翌朝:久々にぐっすり眠れて、熱も36.9℃に下がる。午前11:30に抗がん剤投与終了!電源コードからも解放され身軽に。3が日ということで、朝ごはんはまだおせちを引きずっていましたが、昼ごはんでラーメン点心(シュウマイと小籠包)杏仁豆腐という天才的裏切り!たいそう嬉しかったです。栄養士チームに脱帽。

という、抗がん剤の記録だか、食の記録だか分からない感じになってしまいましたが、第2クールの抗がん剤投与、無事に終了いたしました。第1クールは7日間24時間だったのですが、今回は丸5日。2日短いだけで初日から随分と気が楽でした。

緊急入院した日に先生から「途中状況を見て移植に切り替える可能性もあるがこれから4クール抗がん剤治療をする」と言われ、「4クールの中で山場はどのクールですか?」と聞いたらば「どれも同じ。強いて言うなら未知の1回目」との回答だったのですが、確かにそうかもしれません。

1回目は、突然病名を宣告され即日入院し、心の整理がつかないまま翌々日から人生初の抗がん剤治療。2回目は少し気持ちも整理がついた上で、1回目の経験も経て、しかも2日少ない5日間。

様々な副作用や感染リスクが出てくるのはこれからではありますが、投与が終わると少なからずホッとします。

国立がん研究センターの統計によると、2021年の白血病罹患者予測人数は14,600人らしく、その内、私と同じ急性骨髄性白血病が33%。この1年で4,818人が同じ病気を宣告されている計算になります。毎日10人以上の人が私と同じように「あなたは急性骨髄性白血病です」と宣告されていると思うと心が痛みます。(※他にも色々な病気が発覚したり再発したり、辛い思いをされている方々がたくさんいらっしゃると思いますが、私は急性骨髄性白血病のことしかわからないので限定させて頂きました)

もし宣告されて間もない方が、希望を求めてネット上をさまよっていらしたとして、私の食い意地が少しでもこれからの励みになったらいいなと思う静かなお正月です。

今年の目標は治癒!!愛猫と一緒に暮らすんだ!!

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