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ブラッシュアップライフ 〜2周目として生きる〜

こんにちは。

昨年末day217で免疫抑制剤が終了したことで生魚が解禁となり、お寿司を必要以上に食べている今日この頃、今期のドラマのイチ押しである「ブラッシュアップライフ」(脚本:バカリズム/主演:安藤サクラ)について少しばかり語らせていただきます。

ところで、楽しみにしているドラマが1〜2本ある暮らしっていいですよね。3本以上になってしまうとドラマに追い立てられる生活になってしまうし、0本だとなんだか淋しい。今期は「ブラッシュアップライフ」1本で、清々しく楽しいクールです。

現在8話まで放送が終了している「ブラッシュアップライフ」。7話目までのほのぼの感溢れる展開から突如シリアス味を出してきています。1話〜3話と最新話はTverで無料配信されているので、今からでも是非ご覧いただきたい。

安藤サクラ演じる主人公 近藤麻美が "人間への生まれ変わりを目指して何度も今世をやり直す" という、簡単に言ってしまうとタイムリープものに分類されるドラマですが、バカリズムの、いや呼び捨てしにくい、バカリズムさんの計算され尽くしたストーリー展開と、雰囲気女優たちの絶妙な掛け合い、そして8話ではついに安藤サクラの安藤サクラたる演技力がキラキラ光る、クセになるエンターテイメントなんです。

「現実世界はすべてヴァーチャルで、自分自身がゲームクリエイターとして人生を操っている」とか「宇宙の創造主は自分だ」とか「自分が変われば世界が変わる」なんていう言葉を、数年前からよく耳にするようになりました(私だけ?いや、そんなことはないはず)。

「ブラッシュアップライフ」はそれをナチュラルに淡々とやっている感じです。何度死んでもリセットして、赤ちゃんからコツコツやり直すRPG。前回と行動を変えたり進路を変えてみると、付き合う人が変わったり周りの人の運命が変わったり。

勉強を頑張ってみたがために、前回仲の良かった親友たちと仲良くなる機会を逸して淋しい思いをしたり、薬剤師になれておじいちゃんの命を救えたり。

2周目以降の麻美は、まさに自分の人生を意図的に創造しています(親友とは仲良くなりたかったと思いますが)。

私は(たぶん)1周目で未来を知らないけど、2周目以降の気持ちで、意図的/意識的/能動的に生きれば、人生を操縦している感覚を味わえそうに思います。そんなわけで上記のスピリチュアルめな言葉の意味が、日曜の夜にふと腑に落ちたのであります。

あ、でも白血病で骨髄移植を経た今、私の血は生まれてきた時の血とは遺伝子的に違うわけで、そう思うと2周目な気持ちもあります。病気以前よりも圧倒的に、人生の舵を、麻美のように"ぼやぼやしてたらすぐ終わっちゃうかもしれない"という覚悟を伴いながらしっかり握っている感覚があります。

骨髄移植をしてなかったとしても、死に直面するような経験を経ると、2周目感が沸くような気がします。いずれにせよ人生は限りがあるのに、なんで今までは舵を握れないと思ってしまっていたのだろう。

まー、それなりに楽しく生きてきましたけどね。麻美の1周目も楽しそうだったし。1周目(的人生)には呑気な楽しさがあって、それが貴重なのかもしれない。

それにしても麻美は20代〜30代で何度も死んでて、私は白血病になったけどもう40数年生きられていてありがたいなぁと思ったり。

死後の受付で「来世はグアテマラ南東部のオオアリクイですけど、今世をやり直して徳を積んで来世を変えることもできます」と言われた場合、赤ちゃんからやり直すだけの気力ってあるかな(いや、ない)、とか、オオアリクイに生まれ変わるのは嫌だなって思うかな、とか。

しょうもない会話もたくさんあって笑わせてくれつつ、いろんな妄想を駆け巡らせてくれる「ブラッシュアップライフ」のある、ブラッシュアップライフ・ライフっていいなと思うのです。

それにしても8話の衝撃的展開。これを観ると妄想が急加速です。伏線も回収されまくりで脳が刺激されます。

人生って、大切な誰かを助けたり幸せにしたりするためのものなのかな。死ぬことって阻止するべきものなのかな。

4周目を39才で終えた麻美は、待ちに待った人間に生まれ変わるチャンスを放棄して、5周目(ラスト)に入ります。

「最後は人間に生まれ変わるためでも、徳を積むためでもない人生。来世ではなく今世をより善いものにするため。」

"今ここを生きる" 麻美の爆誕です。

はー、もう一回1話みよ(3度目)。







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