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未来の不安は今を悔いなく生きることで消えるみたい

全然早くは感じないのだけど、早いもので骨髄移植をしてから2年が経ちました。早く感じないのは主に2つの理由があります。

1、少々制限のある生活をしている=やりたいことを少し我慢しているので制限が取れる日を待ち望んでいる
2、再発を恐れてヒヤヒヤしている=早く5年経過して”治癒”の称号を手に入れ、安心したい

特に2の方は、ちょっと体調が悪くなったり、検査結果がよろしくなかったりするとたちまち不安となって私に襲いかかってきます。体調がちょっと悪くなることくらい、普通に健康に生きていても時折あるというのに、前提条件が変わると同じ出来事でも不安度が全然異なるものです。

この不安をどうにかして手放したいなぁとずーっと思っていました。いや、手放せる時もあるんです。でもちょっとしたことでまた舞い戻ってくる。それを繰り返す日々でした。

そんなある日の通院時に「採血の結果が良くない」と主治医に言われました。悪い細胞が増殖する時に上がってくる指標の数値がよろしくないと。そして翌月もこの数値が上がっていたら再発を疑わないといけないとのことでした。

それまでありがたいことに順調に過ごせていたのでこれはかなりショックな出来事でした。数値改善のためにできる自助努力は特にない、と先生に言われましたが、なんとか翌月までに健康な血液にしようといろんなことを試みました。勤務時間を減らしたり、健康な食生活をしたり、運動したり、自然に触れたり、笑ったり、神頼みしたり…

で、翌月また採血。結果はその次の週の金曜日に聞きに行くことになっていたのですが、2日前の水曜日に主治医から直電。話しにくそうな感じで「私から電話がきたということはあまりいい話ではないのですが…」と切り出されて私の心臓はバクバク!!

医「先週の採血の結果が良くなかったので明日骨髄検査をしましょう」
私「明後日じゃ遅いんですか?」
医「明後日は金曜日なので何かあった場合対処が遅れるので…」
私「明日は骨髄検査だけでうちに帰れますか?」
医「はい多分。明後日また来てくださいと言うかもしれませんが…」

こんな電話が来ることをずっと恐れていた私。でも電話を切ったら、意外にも落ち着いている自分がいました。不思議と心は凪いでいて、根拠は何ひとつないけど「大丈夫だ」と思えていました。何かに守られているような感覚もありました。

ふと目にしたSNSの投稿がなぜかたまたま病気が奇跡的に治った話だったり、ふと時計を見るとゾロ目だったり誕生日の数字だったり、神社にお参りに行ったらサーッと陽が射したり、そんなことがその日いくつも続いたというのもあります。(わたしは普段から些細なサインをすべて吉兆だと捉えているので、それが功を奏しました)

そして心が落ち着いていた大きな理由は、その日その日を悔いなく生きているからだと思い至りました。

心身ともに健康であるために、私は日々できることをすべてやっている。免疫力がアップするとかがん抑制に良いと聞けば、ヤクルト1000でも抹茶でもアロエでも飲んでいる。毎日よく歩いて、ストレッチして、週末はジムで運動している。早寝早起きしている、などなど。

やりたいこと・食べたいもの・会いたい人・行きたい場所、物理的に可能だったらできるだけ先延ばしにしないで、自分の希望を叶えてあげるようにしている。

日常を当たり前だと思わずにいつも感謝している。家のベッドで寝れること、点滴に繋がれず自由に動けること、好きなものを食べられること、お風呂に入れること、外をお散歩できること、それぞれの素晴らしさを日々味わっている。

だからあんまり「もし明日から入院するんだったらあれをやっとけば良かった!」とか「今日はごちそう食べとかなきゃ!」とか思うことなく淡々と過ごすことができました。

そして「できるだけのことをやっているのだから、これでまた入院だと言われたとて、もう私にできることは何も無い」と思うと更に落ち着きが増しました。

コントロールできるところだけしっかりコントロールしたら、あとは天にお任せする。だってそれしかできないんだもん。いつかやってくる大地震に対して、食糧や水を備えておくことや地震保険に入ることはできるけど、地震自体はコントロールできないからそれ以上こちらからは何もやりようがないのと同じ。

そして翌日骨髄検査をして、その翌日検査結果を聞きに行きました。診察室に入ると先生は苦い顔をして言い出しにくそうに「どうだったと思いますか?」と聞いてきました。落ち着いてたとは言え、そこで楽観的な回答をすることはさすがに私もできず「いや…ちょっとわからないです」と答えると「骨髄検査の結果は悪くない、緊急入院はないです。採血の結果がよくなかったので油断はできないけど、2週間後に帰ってくる遺伝子検査の結果を見てまた判断する。今日は帰っていい。」と言われました。

そんなこんなで私は無事に帰宅しました!薬3倍になったけど、シャバやっほー!!

誰だってその身にいつ何が起きるか分からない。1日1日を心地よく、悔いなく生きましょう。



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