なんでもない日にホールケーキを食べて孤独に打ち勝つ話
万有引力とはひき合う孤独の力である
―———————————谷川俊太郎『二十億光年の孤独』より
谷川俊太郎氏の有名な詩の一節である。
研究室あるいはバイト先と家との往復、さらに言えば時勢的なもので飲み会に行かず、人との交流が必要最低限になった6月某日、わたしは、夜の静けさの中で「孤独だ…」と思った。
孤独である。それはもう宇宙規模レベルの孤独だ。
ひとり暮らしの家は、静まり返り、ときおり冷蔵庫が唸り声をあげる。
せめて人の声を…と思ってテレビをつける。観ているわけでもない