ノアのおたから
母がJUDY AND MARYのファンだった。
我が家の本棚にはMr.ChildrenとJUDY AND MARYのCDがたくさんあった。
DREAMS COME TRUEもあった。
安室奈美恵は無かった。
わたしがまだ母のお腹にいる頃、母の悪阻が酷くガリしか食べられないときに安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」が街の至る所で流れていて、母はダメになってしまったと語った。
ガリしか食べられず、ガリガリになったとも言っていて全然ウケない話だと思った。
(ちなみにわたしはガリがすごく苦手なんだけど、それは母が食べた一生分のガリが胎内のわたしにも伝わったからだと思っている)
さて(話題転換)
車内で聞いた記憶は無いけど、我が家のノアにはJUDY AND MARYのアルバムがあった。
わたしは母が運転しているその傍らで、ちょっと古そうなそのアルバムのジャケットを見ていた。
「女の人は可愛い感じだけど、後ろの3人……どうしちゃったんだろう……?」と思った。
ウニみたいな髪型の人とピチピチシルバーのロン毛と内股の半ズボンの人が気になって仕方がないなかった。初めて見たのでそれくらい衝撃だった。
わたしは母に内緒で車からこっそりアルバムを持ち出し、自室のCD再生機で聴いた。
ジャケ写からは想像できない楽器隊のカッコ良さと、YUKIちゃんの歌声、バンドの、歌詞の世界観が全部最高だった。
『Hello!orange sunshine』や『Cheese"PIZZA"』など、何その歌詞!って言いたくなるのに、めちゃくちゃ可愛くてかっこいい。
それからJUDY AND MARYにハマった。
かつて自分が聴いてきた音楽を娘であるわたしが聴いていると知ると、母があれもこれもとたくさんおすすめの曲を教えてくれた。
母は『KYOTO』が好きらしい。
わたしは『Blue Tears』『ジーザス!ジーザス!』が好き。
歌詞の内容は切ないのに、ジュディマリにかかればポップで可愛い歌になるところが好きだ。
ジュディマリを聞き始めてから今年で13年が経つ。
中学生だったわたしも、もう社会人で、解散をしてしまっているジュディマリはさらに過去のバンドになってしまった。
でも、たまに好きな歌たちを聴き返して元気を出しながら、口ずさみながら出勤している。
また今度、実家に帰ったときは母と音楽の話をしよう。