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贅沢は良き事哉

贅沢は敵だ!という標語がでかでかと掲げられていた時代から、ゆうに70年は過ぎた。
バブルが来て、それから弾けて_____、「戦後最大の不況」と言われた年に、わたしは生まれた。

といっても、右も左もママもパパも分からない愛らしき赤子だったので、戦後最大の不況のことなど一切覚えてないのだけれど、とにかくわたしはそういった時代に生まれた。

生まれてもうすぐ25年になる。
早めに寝た方が健康に良いとか、働くのは大変だとか、なんでも正直に言うのはやめた方がいいとか、そういったことがだんだんと分かってきた。

大人って、結構大変だ。
全然子どもの頃(18-20歳くらい)の気持ちのままでいるのに、「大人」として振る舞わないといけない。
25歳、キツいぞ!

キツい毎日と言っても、家に帰ってテレビを観たり、踊ったりして、案外毎日楽しく過ごせているのはいるので、「本当にきついのか」と問われ、裁判にかけられたら、あっという間に裁判に負けてしまうだろう。
しかし、塵も積もれば山となるという言葉のように、積りに積もってついに福岡タワーのてっぺんほどまで来てしまった鬱憤は、テレビを観て笑い転げたり、身体をくねくねと捻り、出来損ないのダンスをするのみでは晴らすことができなくなっていた。

こういうときに効くのは、ショック療法ならぬ「贅沢療法」である。
字のごとく、贅沢をするのだ。
お金は、まあ、かかる。
……が致し方ない。お金は地獄には持っていけないから、ストレスで死ぬか、贅沢をするかの2択であれば、迷うことなくわたしは後者を選ぶ。

そこで先日、えいやー!と急遽旅行に行ってきた。
「明日、旅行に行かない?」「美味しいもの食べたくない?」「温泉に入りたくない?」という気持ちだけで、翌日でも空きがあり、温泉があり、夕食も、翌日の朝食も付いてくる宿を懸命に探し、えいやー!と予約した。

安い時期とか、有給を取って平日に……とかではなく、翌日の土日で旅行である。この時点でかなり贅沢だ。
わたしは、積極贅沢をすることにしたのだ。

さて、宿についたものの夕食まで何もやることがない。
彼氏とわたしはかなりのインドア派だ。
一度、アウトドア派の知り合いカップルに連れられ、ドライブをしに行ったことがあるが、彼らが、わたしたちを「写真映えスポット」に連れて行っても、写真をまったく撮らずに車に戻ってくるため、ひどく不気味な生物を見るかのように接されたことがある。

また、彼らから事前にLINEに送られてきた予定に「山登り」とあったので、彼氏と確認しながら狼狽えた記憶がある。

そんなわたしたちが休みの日に求めているものは、おいしいお酒とご飯である。宿の夕食の時間まで時間があったので、重たい腰を上げて、近くの地酒ショップまで出向き、お酒を買うことにした。

地酒ショップ、店休日。

調べずに行動する癖があるのでこういうことが多々ある。

結局、地元にもあるイオンに行って日本酒を購入した。所変われば商品も変わるようで、イオンにも地酒の取り扱いがあり、重たい酒瓶をえっちらおっちら担ぎながら「最初からイオンに行けば良かったね」「ね!」みたいな会話を延々としていた。

さらに帰りがけに駄菓子屋を見つけたので、大人の財力にものを言わせて、店のあちらこちらから掴み取りした駄菓子を、子ども用の小さなカゴに入れた。
サワーペーパーがたくさん買えて良かった。

夕飯まで時間があったけど、お菓子を食べながら、お酒を飲みながらダラダラしていた。一切、観光には行かずに、アマプラでドラマだかアニメだかを見ていた。
アウトドアの友人が見たら卒倒すると思う。

でも積極的贅沢が好きなのでやめられない。


※書きかけの下書きがあると思ったら、こんな贅沢なことを書いていた。
この春から新生活が始まり、だいぶ、いやかなり忙しい。倒れないように頑張ります。

普段は文系院生として過ごしているため、学費や資料の購入に回します✩゜*⸜(ू ◜࿁◝ )