マガジンのカバー画像

ぼくゼロ監督と母の往復書簡

32
『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 〜空と木の実の9年間〜』監督の常井美幸です。これから、主人公のお母様の小林美由起さんと、9年間のできごとを振り返っていくエッセーを始めます。同じで…
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

監督から母へ。美由起と美由紀とみゆきと美幸。

前回、くみちょ。が、「生きてきた道のりが私の世界とは全く異なることを知った」と書いてくれましたが、こんなに異なる生い立ちをもつ2人の「ミユキ」が出会って、いまは同じ目的のもとに共に向かっていること、本当に不思議です。

美由起と美由紀とみゆきと美幸。『ぼくゼロ』はここから始まりました。今日は「ミユキ」のお話をさせてください。

美幸こと私が性別のことに疑問をもったのが2010年。当時、性別に違和感

もっとみる

母から監督へ その11(命がけの覚悟)

これまで幼少期から結婚、出産までをお伝えしました。
かなりハードな人生でしたが、今回は命がけの覚悟を決めたお話しです。
ぼくゼロの母は、なぜ子供からのカミングアウトに動じなかったのか?
主人公の母くみちょ。の謎に迫る生い立ち編。

相変わらず機嫌のいい時と、悪い時の差が激しい父。
5番目の母は断酒会に参加したり治療も続けていましたが一進一退の状態でした。

細々としたことを書いていくとキリがないの

もっとみる

母から監督へ その11(孫ができても変わらぬ父)

ぼくゼロ書籍化を目指して、とこちょ。とリレー形式で続けている「監督と母の往復書簡」。
今は、お互いの生い立ちについてを書いています。
前回のとこちょ。の回では、とこちょ。が国際結婚をされた理由も解明されたし、生きて来た道のりが私の世界とは全く異なる事を知りました。

ぼくゼロの母は、なぜ子供からのカミングアウトに動じなかったのか?
幼少期から25才まで実母から5番目の母までの事を書いて来ました。

もっとみる
イギリスに導かれた人生 My Dear UK

イギリスに導かれた人生 My Dear UK

前回、辛かった中学校時代を支えてくれたのは、イギリスの音楽だったことを書きました。私が高校に入った80年代初頭のミュージックシーンは「第2次ブリティッシュ・インベイジョン」と呼ばれていて、イギリス勢がアメリカのヒットチャートの上位を独占していた時代。私はイギリスのビジュアル系ポップバンドの音楽を夢中で聴きまくっていました。特にミュージックビデオが大好きで、深夜に放送されていた洋楽ヒットチャートの番

もっとみる