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正社員にならないか【スパ・リブール ヨコハマ@神奈川県】(2/2)

 11時過ぎに綱島駅に到着し、路線バスに乗り換えて数分後、ようやく目指していたバス停に降り立った僕は、そこから歩いて数分先にある目的地に向かった。

「懐かしいな」

 そう、今回訪れたのは「スパ・リブール ヨコハマ」だ。実は6年ほど前に一度だけ利用したことがあったのだが、久々に当時の思い出を振り返りたくなったのだ。
 さっそく館内に入り、バス停で撮影した写真を受付のスタッフに見せた。特定のバス停間の写真を見せることで、その往復の交通費を負担してくれるようになっていたことを事前に調べていたのである。
 受付を済ませた僕は館内着を受け取り、さっそく2階にあるロッカールームに移動して準備をしたのちに、4階の浴場へと向かった。なお、3階にはレストランと2万冊の漫画が揃った休憩スペースが広がっており、ここで自由に過ごすことも可能だ。
 そして脱衣所で準備を済ませた僕は、棚に積まれているタオルを手に取り、さっそく浴室に足を踏み入れた。

「こんな感じだったっけ」

(公式サイト: https://www.libur.co.jp/floor/ )

 6年前に訪れたことがあるとはいえ、当時の記憶はほとんどなく、強いていえば最上階である5階の露天足湯や岩盤浴くらいは覚えていたものの、メインの浴場については全く記憶がなかった。

(公式サイト: https://www.libur.co.jp/hotspring/ )

 よって初めての利用に等しい新鮮さがあり、浴場だけでなく館内全体に年季が入っている様子が僕にとっては意外だった。そして記憶ではカップルのデートスポットに適しているような気がしなくもなかったが、ノスタルジックな雰囲気の浴場に似合う、渋いお客さんばかりが目立つ。なにより非常に空いていて快適だ。また、当時の記憶よりもコンパクトな印象を受け、この6年間でさまざまなスーパー銭湯を利用してきたことを実感した。
 まず身を清めた僕は、はやる気持ちを抑えながらもサウナ室へと向かうことにした。サウナマット用のビート板を1枚手に取り、ゆっくりと扉を開ける。

ーーなかなか良いじゃないですか。

 中は3段構造で15人ほどが座れる広さがあり、最上段は横になれるほど奥行きがある個性的な設計になっていた。湿度は高く、対流式のストーブによって94℃ほどまで熱せられている。
 6年前はサウナの魅力など微塵も理解しておらず、おそらくその時は利用すらしていなかったのではないだろうか。そう思うと少しもったいなかったような気もするが、自分の価値観や趣味嗜好の変化を感じることができるところも温浴施設の楽しみ方の一つであるような気がする。
 僕は空いている最上段に腰をかけ、薄暗く落ち着いた空間でテレビを眺めながら静かに蒸されることにした。すると、たちまち全身から大量の汗が流れ出し、心臓の鼓動が激しくなっていったところで、僕はサウナ室を出て頭から掛け湯を浴び、水風呂に肩まで沈んだ。

ーー心地良すぎる……。

 水温は21℃でバイブラなし。僕好みの理想的なセッティングである。そこで1分ほど自分のペースで火照った身体をゆっくりと鎮めると、僕が次に向かったのは不感温の黒湯だ。スパ・リブールでは源泉掛け流しの黒湯に浸かることができるのだが、この色が非常に濃いのである。手を5cmほど沈めると見えなくなるほど漆黒で、それだけでこの施設に来る価値があるくらいだ。なにより、水風呂の直後で幸福ホルモンが溢れ出ている時に味わう不感温浴は独特な浮遊感があり、トランス状態をよりいっそう高めてくれた。
 そして1分ほど経ったところで露天スペースに移動し、椅子に腰をかけて全身を脱力させると、僕は多幸感に包まれたのであった。

ーー穴場って、こういう施設のことを呼ぶんじゃないかな。

 僕は目を閉じ、自分が今いる状況の悦びを噛み締めた。

(written by ナオト:@bocci_naoto)

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①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます