調整役【久松湯@練馬駅・桜台駅】(2/2)
あれは8月10日(水)のこと、練馬区内の会社に伺って打ち合わせを終えた僕は、その足で次の目的地に移動を開始した。
練馬駅に到着したのは15時頃。そこから住宅街をしばらく歩くと、ついにその建物が現れた。
「これは美術館かなにかか?」
そう、今回訪れたのは久松湯だ。実はこちらの銭湯には2年ほど前から目をつけていたのだけれど、生活圏外だったため、ずっと機会をうかがっていたのである。
中に入り、受付でサウナ利用の旨を伝えると、目印として首から下げるタグを渡された。なお、入浴料はサウナ込みで1050円、タオルは別料金である。
脱衣所に進み、ロッカーに荷物を預けて準備を済ませた僕は、いよいよ浴室に足を踏み入れた。
「さすが、きれいだ」
外観から期待は高まっていたが、屋内も白を基調とする洗練されたモダンなデザインが施されていた。内湯には炭酸泉やジェットバス、そして露天には加水なしの茶色く濁った温泉という、なかなか魅力的な仕様である。
まず身を清めた僕は、お風呂に軽く浸かり、さっそくサウナ室へと向かった。
「意外と広いな」
扉の向こう側には、薄暗く落ち着いた空間が広がっていた。物理的にはおそらく10〜12人程度が座れる2段構造のベンチには、数人の先客が静かに蒸されている。僕も上段の空いているスペースに座り、正面のテレビを眺めながら同じように蒸され始めると、すぐに全身から汗が流れ始めてきた。ガス遠赤外線ストーブによって温度は96℃ほどに保たれているのだけれど、湿度も高いため実際の室温よりもさらに熱を感じるのだ。
それから数分後、いよいよ限界を迎えた僕は立ち上がり、サウナ室を出てシャワーを頭から浴びると、水風呂に肩まで浸かった。
ーーほぉ……。これは気持ちいい。
水温は17.9℃の表示。バイブラによって水流が生まれている冷水は深く、僕の火照った身体はみるみるうちに鎮められていった。
それから露天スペースへ移動し、腰をかけて大きく深呼吸。
ーー最高じゃないですか。
風はとても心地よく、吹き抜けの青空を眺めていると、時間の経過と共に僕の心は軽くなっていった。期待以上の満足度だ。ここまでの施設を完成させ、そして運営を続けられるようになるまでには、きっと素晴らしい調整役の存在があったに違いない。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます