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コイントスで進め【千代の湯@学芸大学駅】※番外編(2/2)
かばんに必要なものを入れ、準備を済ませた僕は、22時を少し過ぎたところで自宅を出た。4月14日(木)の東京はあいにくの雨模様で、傘をささなければ全身が濡れてしまうほどだ。幸か不幸か、だからこそ今夜の選択肢が絞られたわけなのだが。
「やっぱり安心するんだよな」
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そう、今回訪れたのは、目黒区は学芸大学にある「千代の湯」だ。実は千代の湯には過去に何度も足を運んでいて、「ホームサウナ」を持たない僕にとっての、いわゆる「ホーム銭湯」なのである。
なぜ僕が千代の湯を「ホームサウナ」と認識していないのかというと、その理由はシンプルで、この銭湯にはサウナが無いためだ。
最近、僕は「僕にとってのサウナ」について考えていた。そこで導かれた結論が、僕はサウナに行きたいわけではなく、日頃の悩みやストレスから解放されるための非日常感を味わい、そしてメンタルデトックスをするために最適な空間と時間を探した結果として、たまたま「サウナ」という手段を利用していたにすぎないということだ。逆に言えば、それらの目的を果たすことができる手段が他にあれば、サウナはなくても良いのである。サウナは好きだけれど、サウナに依存はしない。これが、僕がこれまでさまざまなサウナ施設に足を運んで出した結論である。
そんな僕が頻繁に利用をしているのが、この千代の湯なのであった。ここは改良湯や文化浴泉などの人気温浴施設を手がける今井健太郎建築設計事務所の魅力を随所に感じることができる銭湯で、昔ながらの文化と現代の感性との融合が実に絶妙な居心地の良さを演出してくれるのだ。さらに、施設自体はもちろん、基本的に利用客は近隣の住民がほとんどであるため、常連さん同士のコミュニティとしての機能も果たしている点が僕のお気に入りなのである。
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さっそく館内に入り、下駄箱に靴を預けてから券売機で購入した入浴券をフロントのスタッフに渡した僕は、脱衣所で準備を済ませると、いよいよ浴場へと足を踏み入れた。
「うん、やっぱり落ち着く」
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大きなお風呂と炭酸泉、そして小さな水風呂というシンプルな造りの浴場を引き立てているのは、中島盛夫氏による鮮やかな赤富士のペンキ絵だ。いつもと変わらない様子の浴場だが、天気と時間帯の関係か、比較的空いている。
僕は身を清めてから、やや熱めの42℃に設定されたお湯に浸かりながらジャグジーや電気風呂などで体温を上昇させた。千代の湯では、肌に優しいといわれている軟水が使用されているものの、そこに5分も浸かっていれば心拍数は上がり、全身が火照ってくるものである。そのタイミングで隣の17℃の水風呂に身を委ね、バイブラによる刺激を受けながら30秒ほどクールダウン。
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そして仕上げに、壁に囲まれた薄暗い半個室の中にある36℃の不感温炭酸泉で脚を伸ばし、半身浴をしながら数回の深呼吸を行う。これが僕のルーティンだ。その呼吸に応じて体の緊張はほぐれていき、僕の心身はリラックス状態へと達していた。
ーーこの温冷交代浴ができれば、僕は十分だな。サウナがあろうがなかろうが、結局は決めの問題なんだ。
その後も2セットほど温冷交代浴をいただいてから、僕は約1時間の滞在で浴場を出て帰宅の準備を始めた。まだ全身の熱が冷めず、喉が渇いていた僕は、脱衣所の自動販売機の前でコインを握りしめていた。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
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①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます