パフォーマンスの解釈【ドーミーイン大阪谷町@谷町四丁目】(1/2)
今日、7月10日(土)は待ちに待った大阪遠征である。といっても、その目的はサウナではない。たまたまお誘いをいただいて、人気急上昇中の女性アーティストのライブに参戦することになったのだ。
しかし、なかなか関東圏外に移動する機会がない僕は大阪までどのように向かうべきか考えたものの、結局答えを出すことができなかった。そこでTwitterのフォロワーさんに聞いてみることにしたところ、2万円程度で都内から新大阪駅まで新幹線で往復できることが発覚したのである。
細々と続けている「#noteゼミ」でも書いたけれど、この時代、持つべきものは無機質なフォロワー数ではなく血の通ったフォロワーさんだ。自分ではできないことやわからないことは、誰かに聞くのが良い。
新大阪駅には13時ごろに到着したのだけれど、ホテルのチェックインまでは時間があったため、急遽Twitterのフォロワーさんが経営するお店「NISHIGUCHI KUTSUSHITA STORE OSAKA」に立ち寄って靴下を購入することにした。少々お値段が張ったものの、実際に履いてみると普段の三足セットで1,000円程度の靴下とは比べ物にならないほどの履き心地だった。こうやってTwitterで繋がっている人同士の循環が生まれるのは嬉しく思う。
そこからホテルまでは電車で移動するつもりだったが、地図を見ると歩いて20分ほどで行けることがわかったため、せっかくなので大阪の街並みを眺めながら散歩がてら徒歩で向かうことにした。そして、程なくしてその建物は目の前に現れたのだった。
「やっぱり安定のドーミーインだな」
そう、今回訪れたのは「天然温泉 浪華の湯 ドーミーイン大阪谷町」だ。ドーミーインは、上野・御徒町店、川崎店、東京八丁堀店、池袋店に続いて、これで5店舗目の宿泊である。僕はドーミーインには絶対の信頼を置いているのだが、たまたま今回のライブ会場が近かったこともあり、大阪でもお世話になることが決まったのだ。
ただ、いつもならチェックイン直後にサウナに駆け込むものの、ライブ会場には16時半には着いていなければならず、僕は荷物をおろして部屋で小休憩をしたのち、すぐにホテルから移動を始めた。
会場周辺に着くと、そのアーティストのファンと思われる方々が数百人規模で集まっていて、中には久々の再会を喜び合っている人たちも散見された。それくらい、このアーティストを介してさまざまな絆やドラマが生まれているのだろう。
そしていよいよ開場時間を迎えて、中心にあるステージを囲むようにドーナツ型に配置された座席に着いてからその時を待っていると、予定時刻の17時半になったタイミングで会場を盛り上げる演出が始まり、ご本人が登場した。といっても、このライブでは感染対策のために観客は声を出してはいけないルールになっているため、その場にいた人たちは高まる気持ちをぐっと堪えて熱い視線を中心のステージに注いでいた。
それからの約2時間はあっという間だった。激しいダンスとともに力強く歌っていたかと思いきや、その数分後にはしっとりとした妖艶なパフォーマンスを魅せてくるキャラクターの変貌ぶりに僕の心は引き込まれて、すっかり彼女の虜になっていたのだった。
正直、もともと僕はそのアーティストのファンというわけではなかったのだけれど、そんな僕でさえライブ中に何度も心が震えたし、昨今の社会情勢の影響でライブが次々と中止や延期に追い込まれる中、ようやく開催までこぎつけた今日という日に、ステージに立つ彼女も、それを見守るファンも感極まって涙を流していた。
ただ、そこで僕はあることに気付いたのだった。そのライブ中、彼女は明らかに何度かミスをしていたのだ。たとえば衣装チェンジや、声を出すことが制限されている観客に向けて普段のライブ同様にコールアンドレスポンスを求めてしまい謝ったりと、予定していた段取りとは異なる行動を取ってしまっていたのである。
しかし、それでよかったのだ。この場において、観客にとってはリハーサル通りの完璧なパフォーマンスをすることが「正解」であるわけではなかった。そうではなく、この場所で、この瞬間だからこそ生み出せる彼女の精一杯の歌と、ダンスと、そして豊かな表情を観客は求めていたのだった。
そう考えると、多少のミスはミスでもなんでもない。それを含めて「ありのままの今の彼女」であり、このライブの正解なのだ。
僕はそれに気が付いた時、肩の荷が下りたのだった。僕は変に真面目なところがあり、何かにつけて「〜すべき」と考えてしまう習慣があった。だからこそ、その「〜すべき」から外れてしまうと焦りや混乱に襲われることがあったり、あらかじめ頭の中で想定されている「〜すべき」を守ろうとするあまり必要以上に緊張してしまったりすることが多く、そんな自分の性格にずっと悩みを抱えていた。
ただ、彼女のパフォーマンスを見ていると、いかに自分の考えが浅はかだったのかを思い知らされたのである。そもそもミスとは「〜すべき」から生まれるものなのだが、それにこだわり過ぎると本来の目的を見失ってしまうこともある。練習通りに完璧にやることだけが正解とは限らないのだ。
「もっと力を抜いて生きてみても良いんじゃないかな……」
僕はライブ中の彼女のパフォーマンスを思い出しながら、会場を後にした。
ーー後編に続く
(written by ナオト:@bocci_naoto)
YouTube「ボッチトーキョー」
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①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます