記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

韓国映画「7番房の奇跡」を観て

7月23日、「7番房の奇跡」という映画を観た。2013年の韓国映画で、原題は「7번방의 선물」。イ・ファンギョン監督の作品だ。

キャストは、イ・ヨング役のリュ・スンリョンイェスン役のカル・ソウォン/パク・シネヤンホ役のオ・ダルスなどである。

*****************************

あらすじは、
知的年齢が6歳のイ・ヨングはしっかり者の6歳の娘イェスンと暮らしていたが、道に倒れている少女と二人でいるところを目撃され、殺人罪で逮捕されてしまう。娘と離れ離れになり寂しさを募らせるヨングだったが、同じく7番房に収監されている房長の命を助けた礼に娘と会いたいと頼む。7番房の囚人たちの助けを借りて、イェスンは無事房内に潜入しヨングと再会する。一方、刑務所の課長はヨングが殺人事件の犯人であることを疑い事件を再調査していくうちに、事件で死んだのは警察庁長官の娘であり、なんとしてでも犯人を逮捕したかった警察の誤認逮捕でヨングは無罪だと確信する。房内でも囚人たちや娘の協力で無罪を勝ち取るためのヨングの証言の練習が繰り返され、事件の公判の日を迎える。といった内容。

で、観終わっての感想。

トルコ映画のリメイク版を先に観ていなければ号泣していたかも

トルコ映画の「七番房の奇跡」を昨年9月に先に観てしまった。
そちらはリメイク版ではあるが、かなり感動した。
今回は、いわゆる大元の作品である。
もしこちらを先に観ていたら、号泣をしていたかもしれない。
でも、実際には、トルコ映画の方が格段感動があった。
というのも、現実味がない場面が所々に出ていて、「やっちまったな~!」と頭の中に、クールポコが出てきそうになったからである。

その最たるものは、気球。
刑務所内で、手作りで気球は作りなど現実離れしているし、さらに空気を入れる作業だって、機械がないと入らない。
ましてやそれで、脱獄しようとして、ひもが引っ掛かりできない。
細かいことは置いておいて、たとえ脱獄できたとしても、その気球はどこに行ってしまうのか?
突っ込みどころは満載である。

暴力シーン、これ犯罪だろ?

娘が欲しがっていた、セーラームーンのランドセル。それを先に越されて、店内に入り懇願するシーン。ここで、不快だったのが相手の父親が、主人公の知的障害の父親に対し、顔を叩くなどの暴力を公然とふるっていたところである。それも、後でわかったのは、その人物は警察庁長官。
これって、そこで警視庁長官は、逮捕ではなかろうか?
そして、刑務所の課長も、イ・ヨングに対して、電話機で思いきり頭を叩く。不快でしかなかった。

結局は、冤罪で死刑執行された後の裁判での戦い

そして悲しかったのは、結局冤罪でイ・ヨングは死刑を執行されてしまうところである。要は、殺されたと同じである。死んだ人は戻らない。この怒りを裁判で争うことは、ストーリーとして悲しすぎる。

最後に感じたのは、トルコ映画の感想でも書いたが、やっぱり、この人たち(知的障害のある人たち)はこの世界に生まれてくる意味があるということだ。

この殺伐とした、利己主義、物質主義で蔓延した世の中には、
むしろ、絶対に必要な存在だということだ。

なんて平和で、なんて優しく、純粋なのだろう。「なぜ人間は、このような気持ちを、いつの間にか忘れてしまうのだろう。」と思うのだ。

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,412件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?