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映画「テンプル・グランディン~自閉症とともに」を観て

3月26日、「テンプル・グランディン~自閉症とともに」という映画をU-Nextで観た。原題は「Temple Grandin」。2010年のアメリカ映画で、ミック・ジャクソン監督の作品だ。

キャストは、テンプルグランディン役のクレア・デインズなどである。

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あらすじは、
テンプル・グランディンは4歳の時に自開症と診断され、周囲に馴染めないまま成長した。彼女に転機が訪れたのは学生時代。ある教師との出会いにより、大学で動物科学を専攻。牛の苦痛を考慮した肥育施設や、食肉処理器具などの研究に没頭していく。
で、観終わっての感想。

原点に戻された。

ただ一言。原点に戻された。
というのも。ボクには、最重度の知的障害を伴う、自閉症の息子がいる。
彼は28歳なので、長い期間一緒にいる。また、ボクの仕事も自閉症のお子さんとかかわることが毎日である。
だからこそ、この映画を観て、原点に戻された気がしたのだ。

自閉症の人の感覚を、映画で表現してくれている。

この映画の素晴らしいところは、自閉症の主人公の生きづらさが、どんな感覚なのかを、うまく表現しているところだ。
例えば、本のページをパッと見ただけで、写真のように記憶してしまう。
だから、記憶の中からそのページを読めてしまうところ。
ある言葉を言っただけで、それに関する過去の記憶が、次から次へ映像として見えてくる場面など。
とにかく、あらためて、わかりやすく映像化してくれている。

生きづらさの中から、自分の道を切り開く姿に感動

そんな主人公は、自分が苦しくなると、身体を締め付ける感覚をもとめ、自分で器械を作りその中に入る。その経験から、牛の気持ちを読み取り、それを仕事として活かしてゆく。
そのためには周りの理解、周りの能力を引き出す力が絶対的に必要だったことだろう。
だからこそ、それらがすべて合わさったとき、その人しかできない力を発揮できる。まさに、感動ものである。

主演女優の演技が、素晴らしい。

そして、この映画の主人公を演じる女優さんが、素晴らしい演技力で映画の中に引きずり込んでくれる。とにかく、ずっと釘付けになって観てしまった。

映画のラスト近くの、テンプルグランディンの言葉が忘れられない。
「母は私が必ず話せるようになると信じ、私は幸運にも周りの人たちが、夢中になれるものに導いてくれた。私は人とは違うけれど、劣ってはいない。才能がある。ほかの人とは違う視点で世界を見ることができる。」

ボク自身が、自閉症の人とのかかわりが多いからだとも思うが、とてもいい映画と巡り会えた。


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