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映画「パレード」を観て

2月9日「パレード」という映画を観た。
2024年の日本映画で、藤井道人 監督の作品だ。

キャストは、美奈子役の長澤まさみアキラ役の坂口健太郎マイケル役のリリーフランキーかおり役の寺島 しのぶ、勝利役の横浜流星などである。

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あらすじは、

瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました美奈子。離ればなれになったひとり息子の良を捜す彼女は、道中でアキラという青年や元ヤクザの勝利、元映画プロデューサーのマイケルらと出会い、やがて自分がすでに亡くなっていること、未練を残して世を去ったため、まだ“その先”に行くことができずにいることを知る。そしてアキラたちもまた、さまざまな理由でこの世界にとどまっていた。現実を受け止めきれない美奈子だったが、月に一度死者たちが集い、それぞれの会いたかった人を捜すパレードに参加したことをきっかけに、少しずつ心が変化していく。

と、いった内容。
で、観終わっての感想。

突然の別れ、理解できない状況

映画の最初の段階で、鑑賞者は美奈子が死んでしまったことに気づく。
突然、被災地を走る車から声を掛けられ、追いかける美奈子。
その運転手のアキラが、美奈子を遊園地の廃墟に連れてゆくところからこの物語は始まる。
そこには、マイケルやかおり、そして勝利がたちがいる。
美奈子は混乱し、現実を受け止められない。
そんな中、新月の夜にいわゆる”パレード”に連れてゆかれるのだ。

未練を断ち切るまで、その世界に居続ける

この世界が幽界であり、未練を断ち切るまではこの場所に居続けることをしる。美奈子にとっての未練は息子であった。息子が生き続けていてくれることを望む美奈子。でも、なかなかその安否は分からない日が続く。
その他の仲間にも未練がある。
勝利は恋人。アキラは父親。かおりは子どもたち。マイケルは昔の恋人であった。それぞれのストーリーが展開してゆく。そして、美奈子は心を開いてゆくのだ。後から現れたナナに対し、以前自分が皆からされたような優しい声掛けをする。
この、ナナの存在がのちに、現世にいる息子やかおりの子どもたちにも大きな影響を与えてゆくのである。

役者陣が素晴らしい

この映画のすばらしさは、映画自身もそうであるが、やはり役者陣ではないかと思う。
主役の美奈子に長澤まさみ。そして、マイケル役のリリーフランキーがすごーくいい味を出している。もう、この人最高!
そして相変わらず、何の役もできる寺島しのぶ。もう、映画界には無くてはならない存在ですね。
ただ、一つだけ言えば・・・、佐々木の死後の役に舘ひろしは、ボクはいらないと思う。これ一つで、映画が壊れる可能性があるので友情出演は考えものであると付け加えさせていただきたい。

やはり震災の話は、日本人には苦しくなる

この話は、明らかに東日本大震災の津波で壊れた街並みが舞台になっている。日本人であるボクには、この津波の話は苦しくなる。
同時に、忘れることができない人生のできごとでもある。
それだけに、ここをテーマとする作品は、ほとんどが心に残る作品になっている。本作品は素晴らしい作品であると思う。
ただ、今後は震災の記憶は時間とともに薄れてゆくだろう。
これをテーマにした映画が今後出てきたとき、あまり変な作品は作らないでほしい。これは、一人の日本人としての願いでもある。

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