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エッセイ

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2020年1月の記事一覧

深海魚

 昼下がり。15時を過ぎた頃に、眠気がやってきた。眠りに落ちるとき、体が沈むような感覚がする人がいるそうだけれど、私は深海を泳いでいる感覚になる。

 そこは時間が止まったように揺るがず、何も聞こえない。視点を高くしていけば、私は女性で、人で、生物だ。仲間はたくさんいるけれど、この深い海で私はひとりでいる。

 孤独であることは私を落ち着かせてくれる。誰も私を傷つけることはできないし、誰も私を救う

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気分の波がnoteの更新頻度

気分の波がnoteの更新頻度

 こんな調子でnoteを開く気にもなれず更新が滞った。毎日更新しようと決めたはずなのに、なんとかnoteを開いたところで一瞬で閉じるのを何度か繰り返しては憂鬱な気分になった。

 このままnoteから離れていってしまうのかな、noteを始めたときはあんなにワクワクしたのに…と思っていたけれど、いざ日常が始まってみれば自然とこうしてここに書き込んでいる。

 するするとすべる指から浮かび上がった文章

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考えてみるといいかもって事リスト

考えてみるといいかもって事リスト

日本人はお金を持っていないと幸せになれないのか?
 この一文を見てハッとした。近頃、自由にお金を使って預金残高が減った。このことで将来の不安を連想させてお金を得るには…なんてことばかり考えていたから。

きっと今の私に必要な問いかけはこんなのだ。

■お金を使わない幸せってどんなの?■そもそもお金ってなに?■ほんとに必要なものってなに?■自分を幸せにする方法ってどんなものがある?■そもそもどうした

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はじめのだいいっぽ

 へぇーいいなぁそれ。なんて何の気なしに思うけれど、重い腰が上がらない。noteの#一駅ぶんのおどろき もそのひとつだ。物語を妄想してはみたものの、夢の中で見た話のようにぼや〜っとしている。

 ヨイショッとするだけで後は楽になったりするもんだけど、その第一回目のヨイショに割と気力体力がいるからめんどくさい。

 子どもの頃からめんどくさいが口癖で、あまりにもめんどくさいばかり言うもんだから母に怒

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noteを始めて今日でちょうど3ヶ月

noteを始めて今日でちょうど3ヶ月

 お絵かきが好きな娘は何を描こうかなんて迷わない。好きに書いていいよと言われなくても自由に描く。私もお絵かきが大好きな子どもだったし、まだ何も書かれていない真っ白なページは私をわくわくさせてくれた。

 小学校に入れば、文房具屋さんのノートコーナーにわくわくした。まっさらなノートがいくつも並んでいて、どれに何を書くかは私の自由なんだ。それが嬉しかった。

 noteを知ったとき、まっさらなノートを

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悲しいときこそ筑前煮

悲しいときこそ筑前煮

 年が明けたら夫の実家へ挨拶に伺うのが毎年恒例で、いつも料理上手な義母がテーブルいっぱいに手作りのお節を作って待ってくれていた。今年も楽しみにしながら伺った。

 けれど家族が増えたこともあり今年は仕出のお節だった。もちろん美味しかった。手作りのエビフライも、豚カツもめちゃくちゃ美味しかった。

 だけど私は何よりも筑前煮が食べたかった。亡くなった祖母が元気だった頃、いつも親戚が集まればテーブルい

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沈んでは少しずつ浮上する

沈んでは少しずつ浮上する

 年末年始は欲にまみれた怠惰な生活を過ごした。ようやく日常に戻るかと思っていたら祖母が亡くなって沈んだまま日々を過ごしていた。

 常日頃幸せでいるように心がけていたし、上機嫌であることはとても大事なことだと思っていた。でもこんな時に幸せじゃなくてもいいよなぁ。

 先日記事に書いたのだけれど、祖母が亡くなった瞬間、先に亡くなって祖母を心配していた祖父と共に私のところへやってきてくれた。

 『あ

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虹をよく見る意味

虹をよく見る意味

 最近とても虹を見かける機会が多い。なんだかスピリチュアル的な意味があるのかもとふと思い立って調べた。龍神に後押しされているだのどうだのと書かれていた。

 少し前、私は龍神だの神様だのというスピリチュアルな世界に興味を引かれてブログを読みあさっていた。毎日毎日いくつかのブログを開いては新しい記事がないかチェックした。

 しばらくした頃、心理テストか何かで試したら『スピリチュアルに頼りすぎないで

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人生の終わりにいい人生だったと振り返る余裕はないのかもしれない

 先日、祖母が亡くなった。最後になるかもしれないと病院にお見舞いに行った夜、私が帰った数時間後に息絶えた。

 口腔癌を患っておりリンパなどにも転移があったようだ。高齢だったし認知症も患っており、どの道弱っていくことになるのは素人が見ても明らかな事だった。

 お見舞いに行った最後の日の彼女は息をするのも苦しそうで、意識も朦朧としているようだった。その中で、彼女は自分の生きた人生を振り返っただろう

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さよならのうた

季節外れの暖かい風が体を包んでは流れてゆく

時の流れが止まらないこと

触れ合うほどに愛が深くなってしまうこと

いつか終わりがくること

ハンドルを握る自分の手がぼやけて見えて消えてしまいそう

会ってしまえば別れがつらくなるから

どうしてもあなたのもとへ行きたくないと思ってしまう

ありがとう

さよなら

遅ればせながら新年のご挨拶

遅ればせながら新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。

 この言葉を言えるのは一年でこの時期だけで、新年を迎えられたという事だけで素晴らしいという事だ。

 子どもの頃からこの言葉を言う度に違和感を覚える。わけもからず「どこそこのお宅へ伺ったら『あけましておめでとうございます』って言うねんで。」と言われ、頭の中からその一文を引っ張り出しては口から出すという一連の動作をしていた。

 これは大人になった今も続いていて

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