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(H13) 働き方縛るモノ作りの残像 〜逆境の資本主義2 (2020.1.7)by NIKKEIスタッフ より抜粋加筆しました。

⑴ 労働の「賞味期限」長く

働く時間や肉体から「知」が生み出すアイデアへ。
デジタル化で、労働の価値は大きく転換しました。


⑵ 「100年後には、1日に3時間も働けば生活に必要なものは得ることができるようになるだろう」

経済学者ケインズが『孫たちの経済的可能性』と題したエッセーでこんな予想をしたのは、1930年でした。


⑶ 8億人の仕事消失

ケインズは2030年までに経済問題が解決し、自由な時間をどう使うかが人類の大きな課題になると述べました。

英オックスフォード大学の推計では、米英独のフルタイム就労者の労働時間は以下です。
1870年で、週56.9~67.6時間
2018年には、6~7割に減った


ケインズが描いた理想郷と対照的な未来予想図を米マッキンゼー・アンド・カンパニーは唱えます。
「AIやロボットによる代替が進み、
世界の労働者の3割にあたる最大8億人の仕事が失われる」


⑷ 日本の雇用、時代遅れ

働かなくてもよくなるのか、働けなくなるのか。
その捉え方は違えど、労働の未来は大きく二極化します。


現在の雇用形態の源流をたどると、フランス革命と産業革命に行き着く。
労働者は身分に縛られず、契約で労働力を売り、工場内で分業するようになりました。

神戸大学の大内教授は以下に話す。
「時間主権を企業にささげる働き方が雇用だった」


若さや肉体に価値を置いたまま多くの国は、
高齢化時代を迎え、次々と「引退」する世代を年金で支え続けることは難しくなっています。

日本ではいまだ主流の定年制は、もはや時代遅れです。


⑸ 高まる知の価値

「知」が価値を持つ今は、
年齢や肉体の衰えとは関係なく、優れたアイデアを出す人が果実を得ます。

デジタル化が、
資本主義を成り立たせてきた資本家と労働者の境界を消し始めました。


都内のセキュリティ企業に勤務する馬場将次さん(31)には、その腕を見込んだ海外企業からも仕事の依頼が舞い込む。

昼休みや勤務終了後に取り組むのが、
ソフトウエアやウェブサイトの脆弱性(バグ)を見つけて企業に報告する「バグハント」。

2時間の作業で200万円になることもある。
企業の依頼を掲示する国内サイトのランキングでトップを走る。


⑹ スキル、陳腐化早く

自由な働き方を喜んでばかりもいられない。

労働政策研究・研修機構の浜口所長は以下に語ります。
「デジタル時代はスキルの陳腐化が格段に早まり、労働者の安定性が揺らぐ」


⑺ 「終身雇用はいらない」と語る一橋大クリスティーナ・アメージャン教授

技術が誕生するたびに一部の労働者は職を奪われたが、
それを上回る需要が雇用を生んだ。

時間や肉体ではなく知で勝負する時代には、
働き手の「賞味期限」はのびます。


知で勝負する新しい競争が始まりました。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp