(I52) ドイツではアウトプットが変わらないのならば、労働時間を減らすことは悪いことではない-2 by 熊谷徹 より抜粋加筆しました。
⑸ 労働によって自己実現しようとする人は少ない
私は日本企業の駐在員からよく以下の質問を受けます。
「なぜドイツ人はこんなに労働時間が短いのに、経済が回るのですか?」
結論から言えば、
日独のワークライフバランスの充実度を比べると、ドイツに軍配を上げざるを得ない。
これは、
私が日本で8年間、ドイツで29年間働いた経験に基づく実感です。
ドイツ人は無理をしてまで、お金を稼ごうとはしません。
労働に対する見方が、日本人よりも冷めています。
以下と考えている人は、日本よりも少ない。
「労働によって自己実現をする」
健康を犠牲にしてまで、
長時間労働をする人はほとんどいません。
彼らにとって、働きすぎによって、
精神や身体の健康を崩すことは本末転倒なのです。
ドイツでは日本に比べると、
長時間労働による過労死や過労自殺、ブラック企業が大きな社会問題にはなっていません。
大半のドイツ人は、以下の原則を持っています。
「仕事は生活の糧を得るための手段に過ぎない。
個人の生活を犠牲にはしない」
だから、同じ成果を出すための労働時間は短ければ短いほど良いと考えます。
常に、効率性を重視しています。
⑹ 「カローシ」という日本語が有名に
ドイツでは、「自分の生活を重視する」ことについて、
社会的な合意ができあがっています。
この国では、
アウトプットが変わらないのならば、労働時間を減らすことは悪いことだとは見なされない。
⑺ 男性が3ケ月の育休をとるのは日常茶飯事
日本企業からドイツ企業に出向していた山田氏は、
毎日午後6時にはオフィスがほぼ無人になる状況を見てびっくりしました。
ドイツでは、
大半の企業がフレックスタイムを導入しています。
社員たちは、
交替で2週間から3週間の有給休暇をまとめて取っています。
課長や部長も2~3週間の休みを取ります。
有給休暇を残す社員は一人もおらず、管理職を除けば消化率は100%。
男性社員が、
2ケ月から3ケ月の育児休暇を取ることも日常茶飯事。
しかも、企業は、
育児休暇を取っている社員のポストを別の人で埋めてはならない。
⑻ 日本人より短い時間で1.5倍の価値を生むドイツ人
ドイツ人は、
短い労働時間で、日本人よりも多くの付加価値を生み出しています。
OECDによると、
2017年のドイツの国民1人あたりのGDPは、4万3892ドル。
日本(3万8202ドル)よりも約15%多い。
言い換えれば、日本人は、
毎年ドイツ人よりも354時間長く働いているのに、
国民1人あたりのGDPは、ドイツよりも約13%少ないのです。
日本の1人当たりのGDPは2018年に26位まで転落。
今や韓国に並ばれようとしています(韓国は28位)。
日本人は会議と書類整理に時間を費やしすぎ。
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