(F87) ノーレイティングの人事評価制度 (2020.4.14) by ONE TEAM LAB より抜粋加筆しました。
⑴ ノーレイティング
「従業員のランク付け(レイティング)を行わない」、
近年欧米を中心に広まった新しい人事評価制度です。
ノーレイティングでは年度単位、期末ごとなどの評価は行いません。
ノーレイティングは、従業員一人ひとりにマネージャーがつき、対面でマネジメントと育成を行います。
従来の等級制度では同じ等級に多くの従業員がいるため、ひとまとめに同じランクで扱われる可能性があります。
ⓐ個性などが表に出しにくく成長が阻害されるおそれがあると考えられます。
ⓑ評価が実際に給与などに反映されるスピードも遅くなります。
ⓒ新しい考え方に柔軟に対応できる、例えばベンチャー企業やグローバルな視点を持ち変化を続けている企業には向いています。
【メリット】
①企業を取り巻く環境の変化に柔軟に、評価制度自体も迅速に対応できる。
(そのため、従業員個人単位で目標を立て、それを企業の目標につなげていく)
②個人を起点としているため、
従業員一人ひとりの意識改革ができ、自ら業績を上げるために何をすべきか、評価につながる行動を考えられるよう育っていく。
③上司と部下で頻繁に対話が発生するため、
リアルタイムで部下を評価でき、時代や環境、社会情勢の変化に柔軟に対応して評価制度そのものも必要に応じて変化させられる。
【デメリット】
①導入事例が日本ではまだ少なく、合う企業と合わない企業がある。
合わない企業が無理に導入した場合、実績に必ずつながるといえない。
②社員同士のコミュニケーションが十分にとれる環境づくりと、上司や部下、チーム内メンバー同士の信頼関係の構築が必要。
ここがしっかりできていない組織の場合は、ノーレイティングを導入してもうまく機能しない。
テレワークを前提とした評価で困っていることは以下です。
❶遠隔で働くメンバーの仕事ぶりが見えないこと
❷コミュニケーションの取り方がわからないこと
❸評価の軸がわからないこと
→
定性評価から、定量評価へ
プロセス評価から、成果による評価へ
→
【予測される弊害】
ⓐ短期的な視点に陥りがち
ⓑ利己主義やチームワークの欠落
ⓒ後輩の指導・育成をしない
ⓓ結果を出すための長時間
ⓔ結果を得るための不正行為
→
必要な成果はチームとしての成果(プロセス評価)です。
Ⓐチームの成果につながるプロセスをマネジメントする
Ⓑテレワークでは、リアルよりさらに、プロセスをマネジメントする必要がある
今までのパフォーマンスマネジメント(目標管理・評価)は以下に変わる。
❶年度目標の設定→リアルタイムの目標設定
❷中間レビュー(半期ごと)→リアルタイムフィードバック
❸年次評価(1年ごと)→廃止
❹期末フィードバック→リアルタイムフィードバック
ノーレイティングは、
優れた組織マネジメントがあって、人事評価は効果を発揮します。
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