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(E41) 「巣ごもり消費」が広がる中国の寒すぎる現状 (2020.3.17) by 西村豪太 より抜粋加筆しました。

⑴ 中国政府が3月16日に発表した1~2月の主要経済指標は歴史的な悪化を示した

①工業生産が、前年同月比13.5%減
②社会消費品小売総額が、同20.5%減
③固定資産投資が、24.5%減

いずれも統計開始以来最悪の数字。
記者会見で質問した中国国営テレビの記者が以下にコメントしたほどです。
「世間の予想を超える悪化だった」


⑵ 各種イベントや外食に強烈な規制導入

国を挙げての対策によって新規感染者は減少し、
2月10日からは湖北省以外での経済活動が再開されました。

しかし、1~2月の60日のうち、20日前後は稼働をストップしていた分野が多く、経済への影響が深刻なのは火を見るより明らか。


⑶ 毛盛勇・国民経済総合統計司長が断言

「新型コロナの影響は短期的かつ外在的で、中国経済の発展の勢いを変えることはない。
今年の目標を達成する自信も変わらない」


⑷ 内需の復調が今後のカギ

毛氏は中国の生産力が健在であることの例として以下に語りました。
「マスクの1~2月の生産量は前年同期の2.9倍となり、
2月29日時点での1日あたり生産量は1億1600万枚に達した」


湖北省以外では、
2月29日の段階で売り上げ2000万元以上の製造業の95%以上が操業を再開したといいます。

しかし、今後のカギを握るのは生産よりも内需の復調でしょう。


⑸ 中国の消費が極めて低調なのは、社会消費品小売総額の数字からも明らか

分野別にみると、厳しい数字が並びます。
①レストランは、43.1%減
②自動車は、37.0%減
③家具類は、33.5%減
④家電販売は、30.0%減


⑹ この状況で中国政府が期待するのは、デジタル分野

ネット経由での物品販売は前年同期より3.0%伸び、
社会消費品小売総額の21.5%(前年同期より5%ポイント上昇)を占めました。

国家統計局の毛氏は強調します。
「ネット経済の勢いは変わらない」


そして、さまざまなオンラインサービスが成長のチャンスをつかみました。

例えば、
釘釘(Ding Talk)は、オンライン授業に採用されることで、教育機関にも一気に普及。

現在では中国全土の14万校、1億2000万人の学生に使われているといいます。
こうした現象はeコマース、医療、ゲームなどさまざまな分野で起きています。


デジタル関連の好調は生産にも表れており、
1~2月には3Dプリンターやスマートウォッチなどの電子製品の生産量が2倍以上となりました。

太陽電池や半導体の原料となる生産量は以下です。
単結晶シリコンの生産量は、45%増加
多結晶シリコンの生産量は、35%増加


中国共産党は「2020年にはGDPを2010年の2倍にする」という公約を掲げています。
逆算すると、2020年の成長率は5.6%以上が必要です。

果たして、V字回復できるか?

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp