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(E74) トヨタの「スマートシティ構想」がスマートではない理由 (2020.3.5) by 大前研一 より抜粋加筆しました。

⑴ トヨタのコネクティッド・シティプロジェクトが2021年に着工される予定

このプロジェクトの目的は、
人々が実際に生活するリアルな環境の下、自動運転、MaaS、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、AIなどを導入・検証し、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けること。

※MaaSとは:
ICT(情報通信技術)を活用することにより、自家用車以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな移動の概念


「Woven City」とは、「網の目のように道が織り込まれ合う街」の姿を意味します。

以下が網の目のようになった街を創ります。
①スピードが速い車両専用の道
②歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存する道
③歩行者専用の道


要は、次世代の自動車技術やサービスの新潮流であるCASEの実験を行なうわけで、
今やCASEにおいて技術的に未解決の問題は割と少なく、実際の人々の生活の中に入り込んだ時に安心できるかどうかがテーマになっています。

※CASEとは:
Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語


現実の道路では様々な出来事が起きます。
ⓐブレーキとアクセルの踏み間違い
ⓑ信号無視
ⓒ飲酒運転
ⓓ逆走
ⓔ後ろから極度に車間距離を詰めるあおり運転

しかし、そういう想定外の事態にどう対応すればよいのか、という実験は、モデル都市ではなく生臭い現実の都市でなければできない。

エンジニアが考えうる想定外、
つまり「プログラミングされた想定外」は、想定外ではないからです。


⑵ シェアリングについても同様の疑問が言える

トヨタはウーバーのような「相乗り」を想定しているのかもしれないが、
現実の都市では隣人と不仲だったり、近所と付き合いがなかったりするし、他人との相乗り自体を拒否する人も少なくありません。


だから、米国ボストンのローガン国際空港などでの実証実験では、同じ方向に行く人を見つけるマッチングが意外と難しいことがわかっています。

そうしたことも想定できなければ、リアルな環境とは言えません。


MaaSで公共交通機関と自動運転を組み合わせると、
メインの移動手段はバスや電車になるから自家用車はどんどん不要になリます。

MaaSやCASEが進展して次のフェーズに行けば、
自動運転のバスやタクシーが指定した時間に自宅まで迎えにきて、最寄り駅や会社や学校などの目的地まで運んでくれます。


そうなると、街を走っている自動車の台数は、
現在の10分の1くらいになると思います。


トヨタは、
❶KDDIでは第2位の大株主
❷ソフトバンクとの提携はスマート・カー
❸NTTとの提携はスマート・シティ

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp