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(F47) 中国に追いつけ追い越せ、コロナ後の社会インフラ: 「新しい生活様式」で特に参考になる中国の先行事例-1 by 瀬口清之 (2020.5.25)より抜粋加筆しました。

⑴ 日本政府は非接触型の日常生活を定着させるため、「新しい生活様式」を提唱している

「新しい生活様式」への移行に当たっては、
「日本に住んでてよかった」と多くの国民が感じるスピード感のある的確な政策対応が求められます。


「新しい生活様式」の最大の目的は、
新型コロナウイルスの感染再拡大の阻止です。

中国では新型コロナウイルスの感染拡大防止のために以下を実施。
①武漢における都市封鎖など強力な隔離政策を実施
②中国全土において厳格な外出規制を徹底

中国が早期抑え込みに成功したのは、
外出自粛の徹底により、人同士の接触が極端に減少したことによるものと考えられます。


⑵ 中国では「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉をしばしば耳にする

中央政府がいくら全国一律に政策を実施しようとしても、
地方分権的で地域別に極めて多様な14億人の国民全員には徹底できないのが中国の常です。

それにもかかわらず、今回は厳しい外出自粛を徹底できたのは以下が大きかったように思われます。
①各地域における町内会のような伝統的なコミュニティのモラルに基づく自発的努力が機能したこと

②「新しい生活様式」を可能にする様々な社会インフラの整備


⑶ 中国において一般国民の外出自粛徹底をベースの部分で支えた陰の主役は社会インフラでした

それはこの数年の間に急ピッチで整備が進められたもの。

中国では2010年代に経済社会のIT化、デジタル化が急速に進展しました。
様々な分野でこれほど利便性が高まることは10年前には誰も想像すらしていませんでした。


①各家庭に固定電話がなかった
→携帯電話やスマホが普及

②便利な商店がなかった
→eコマースがそれにとって代わる

③便利な金融機関が存在していなかった
→電子決済、フィンテックが急速に発展

④それをAI・ビッグデータ分野の技術革新が加速させる

⑤IT・AI・デジタル化技術に基礎を置く経済社会インフラを中国に定着させた


⑷ 利便性の高い新技術の登場によりある段階の技術を飛び越えて、次世代の先進技術が一気に普及する現象は「馬跳び」型発展と呼ばれている

経済社会のIT・AI・デジタル化が進展する中、
中国での消費財小売総額に占めるネット消費の比率は以下に急上昇しました。
2014年は、10.4%
2019年は、25.8%
2020年1Qは、28.2%
(2020年1Qは外出自粛のためにeコマースに頼らざるを得なかった)


中国は経済社会のIT化、デジタル化の基盤ができつつあった所に、
コロナショックによりさらにIT化、デジタル化が加速したイメージです。


中国にあって他の国に無いもので、IT化、デジタル化(オンライン)を支えているものが以下です。
「配達(外卖)の料金が非常に安価」

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp