見出し画像

(H72) データが人生を決める。そんなことが起こりうる時代になっている-2 (2020.4.15) by 伊賀亮人/堀内健太 より抜粋加筆しました。

⑷ プライバシー保護よりも重要

取材に訪れた日には、
「自殺リスクレベル7」の人がいるという通知が届いた。

市民団体が連絡を取ったところ、
成都に住んでいる20代の女性でした。

失恋をきっかけに気分が晴れない日が続き、
AIが予測したとおり、飛び降り自殺を考えていたというのです。


団体の代表、李虹さんによると、
このプロジェクトは発足から1年半で、リスクが高いと判定された人、延べ1700人の自殺を防いできたといいます。

黄教授は下記に語ります。
「人々は多くの情報や考え方をデジタルデータとして残している。

われわれは、分析により市民の自殺を食い止めなければならない。
これは、個人のプライバシー保護よりも重要だ」


⑸ 米国ではデータの活用が、地域の安全に役立つものなのか市民に対する監視につながるものなのか、議論が起きている


きっかけは、
アマゾンのグループ会社「リング」の住宅用監視カメラシステムの普及です。

玄関に設置されたカメラがとらえる映像は、本来防犯のためのもの。

カメラはネットにつながっていて、
利用者が専用の動画サイトに無料で映像を投稿できる機能もあります。


監視カメラの前に人が現れると、
自動的に作動するため、不審者の姿だけではなく家族や隣人の私生活も撮影される。

今、その映像を近所の人とシェアし合うのが、
ちょっとしたブームになっています。

本来の目的と離れて、
映像に映る無防備な姿が一種のエンターテインメントとして人々にウケているといいます。


⑹ 監視社会につながる懸念も

防犯になり、楽しむこともでき、地域の治安に貢献もできる。
いいことずくめにも聞こえるが、このシステムに対する懸念が広まっています。


以下を指摘されています。
①知らない間にカメラに映り込んだ人のプライバシーを侵害する

②無実の人を不審人物として警察に通報することで差別につながる

つまり、プライバシーに関わるデータを住民側がみずから提供することで、無意識のうちに公権力による監視が強化されることが危惧されています。


⑺ 人生を決めるのは行動ではなくデータ?

米国では、
犯罪が起きる可能性を予測するといったSF映画のような研究も行われています。


あなたのリアルな行動ではなく、データが人生を決める。
そんなことが起こりうる時代になっているのです。

データを活用する立場の企業や政府には、
一層の透明性や説明責任が求められます。


また、無料のサービスと引き換えにデータを提供する私たち利用者も、データがどう使われ、プライバシーをどう守るのか考えなければならない。


中国は、
常に便利さを優先するので、個人情報保護への敷居が低い。

だから、容易にビッグデータを構築することができ、
IT先進国になれた、という話もあります。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp