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(F44) 新型コロナで勃発した中国IT市場の異変(上)-2 by 葉展旗©財新週刊 (2020.3.25)より抜粋加筆しました。

⑸ 1月23日早朝2時、武漢市が封鎖を宣告したその時からリモートワーク市場が動き始めた

本来なら(春節休暇のため)1年で需要が最も少ない時期のはずでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で発注が殺到したのです。


①DingTalk開発チームにはひっきりなしに問い合わせが寄せられた

理由は以下が求められたから。
ⓐ法人顧客が社員の体調チェック
ⓑ健康状態の報告機能

その翌日、開発に着手。
評価テストを経て「社員健康チェック」機能をリリースするまでに要したのは、わずか40時間でした。
DingTalk史上最速の開発でした。


②同じ時期、テンセントのWeChat Workチームも武漢をはじめとする数々の病院から、以下の開発要請を受け、1月24日に医療用緊急速報機能を追加提供しました。
ⓐオンラインミーティング
ⓑ緊急速報システム


「大みそか(1月24日)の食事を終えてすぐ残業を始めた。
これが当時の業界全体の当たり前の姿でした。

まさに千載一遇のビジネスチャンスであり、ツールを無償提供する流れがどんどん加速した。

しかし、感染拡大がここまでの激変をもたらすとは、誰も予想していなかった。」


③もう1つの爆発が静かに始まろうとしていた
「何よりも想定外だったのは小中学生だった」

テンセント クラウドビジネス・プロダクトセンター責任者の銭敏氏は語りました。

テンセントミーティングはもともと、ターゲットとして学生は想定していなかった。

だが、教師たちが休校措置の打ち合わせをする時にテンセントミーティングを利用したことがきっかけとなり、遠隔授業にも使われるようになったといいます。


李致峰氏によると、
1月末に中国政府の教育部(日本の文部科学省に相当)から休校しても授業を続けるよう指示があった後、学校での需要が急増しました。

以下の依頼が殺到し、業界各社はうれしい悲鳴を上げることになりました。
ⓐ遠隔授業の実績がなくても、どのアプリでも構わない
ⓑとにかく今すぐに授業のライブ配信システムがほしい


⑹ ここまで長期にわたって遠隔授業を続けるのは、ほとんどの教員にとって未知の体験でした

利用されるデータ量は想像を超える規模で増え、業界大手でも耐え切れなかった。

春節休暇が明けた初日となる2月3日午前、DingTalk、WeChat Work、WeLinkは2億人近いテレワーク利用者がアクセスしたことで、次々とシステムダウン。


調査会社オーロラビッグデータの統計によると、
1日当たりアクティブユーザー数は以下。
①DingTalk:1億2200万人に到達(春節期間の7倍に相当)

②WeChat Work:1282万人(3倍に近い)
③テンセントミーティング:600万人増(ほとんどゼロから)


IT先進国である中国がさらに先を走っていきます。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp