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(C50) 日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか-1 by 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談 (2019.6.26)より抜粋加筆しました。

⑴ なぜ日本人は、ここまで「のんき」なのか

出口:日本が置かれている状況は非常に厳しいのに、
それを理解している人が少なすぎます。

平成30年間のデータを見ると、
日本がいかに危機的な状況にあるかは一目瞭然です。


GDPの世界シェアを購買力平価で計算してみると、
9%から4.1%に減少。

IMDの国際競争力は、
1位から30位に陥落。

1988年には時価総額の世界トップ企業20社のうち、
14社が日本企業だったのに、今はゼロです。


日本人がこんなにものんきになってしまったのは、
高度経済成長の成功体験が大きすぎたことにあると私は考えています。


アトキンソン:一番の原因は、
日本人が「分析をしない」ことにあると思います。

たしかに高度経済成長期、
日本のGDPは世界の9%弱まで飛躍的に伸びました。

しかし、そのとき、何が成長の要因だったかキチンと検証しませんでした。

以下の直接関係のないことを成長要因としてこじつけてしまい、真実が見えなくなってしまったのです。
ⓐ日本人は手先が器用だから
ⓑ勤勉に働くから
ⓒ技術力があるから


アトキンソン:オックスフォード大学に、
リチャード・ドーキンスという生物学の先生がいます。

彼によると、人間の脳は、アフリカの大草原に暮らしていた時とあまり変わらないのだそうです。

草原で暮らしていた当時の人類は、丈の高い草の中で何かの音が聞こえたら、反射的に逃げます。


なぜなら、「あの音は何だ!?」と考えたり、エビデンスやデータを取って調べ始めたりすると、
ライオンに襲われて食われてしまうからです。
条件反射で逃げるという行動が進化したのです。

そのため、データを取ったり、エビデンスを確認したりしてロジカルに考えることが、
人間のDNAの中には組み込まれていないのだそうです。


ドーキンス教授流に言うと、
以下のように直感的に決めつけてロジックを求めない頭の使い方は、野生時代から進歩していない、と言えます。
ⓐ高度成長した=日本人すごい
ⓑ技術力があるから日本経済は復活する
ⓒものづくりで大丈夫


出口:例えば高度成長期には、
日本は年平均7%も成長したことを分析すれば、
人口増加の寄与度が一番大きかったという結果が出ます。

しかし、こういう分析を行わずに、
以下の理由で成長したと思い込んで、
根拠なき精神論のままこれからもやって行こうとしても、世界の新しい変化に対応できるはずがありません。
ⓐ日本人は器用だから
ⓑ協調性があるから
ⓒチームワークがあるから


日本人は直感的に結論づけるのが好きな国民かもしれません。
そのくせ、論理的ではない。


日本人は元々農耕民族であったため、
深く考えずに集団行動するパターンの方が多い?

https://lnkd.in/dBsg7MB

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp