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(C53) 人口減少の危機に直面している今、極めて高度な経営が求められています-4 by 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談 (2019.6.26)より抜粋加筆しました。

⑺ 日本は構造的に勉強できない国になってしまっているのです。

この状況をどこから直せばいいかと言えば、意外と簡単です。
経団連の会長が、大学の成績で「優」が7割未満の学生の採用面接はしないと宣言する。

あるいは卒業してから成績証明書を持って企業訪問させればいいのです。
成績採用になったら、さすがに勉強するようになるでしょう。


新しい産業やイノベーションを起こすには、
基本的には以下が必要です。
①ダイバーシティー
②高学歴

※高学歴というのは、
ドクターやマスターなどの学位を持っているということではなく、好きなことを徹底して勉強し続けるという意味です。


⑻ 人間の限界を理解し、データとロジックで補強せよ

アトキンソン:米国の経営学の学会では、マネジメントが完全にサイエンスになっています。

なぜそうなったのかというと、
そもそも人間の頭をそのままにしておく、すなわち草原の本能のままでは、ろくなモノができないからです。

だから大学が必要で、経営者教育も必要で、株主がいて助言させます。
社長の勝手な思い込みで好き勝手にさせないようになっているのです。


今の日本の経営者がまるでなっていない理由は、
大草原に住んでいた頃の頭のままで経営をしようとしている、ただ単にそれだけだと思います。
別に人間として能力が低いわけではありません。


人口増加によって、
日本の経営者は一見すばらしく見えていました。

しかし、人口が減少するようになったために、
その弱点が表面化してきたのだと思います。

人口減少という危機に直面している以上、極めて高度な経営が求められています。
しかし、今の経営者は、自分たちが変わらないといけないということに気づいていないのです。


ほかの先進国ではすでにこのことに気がついています。
人間の限界を理解しています。
ビッグデータはその象徴的なものだと思います。

データで徹底的に分析することによって、
勝手な思い込みをする人間の欠点を取り除く経営が進んでいるのです。


出口:マネジメントのトップ、
つまり、リーダーたちが勉強して意識を変えれば、日本も変わると思います。

その意味でも、リーダーこそ根拠なき思い込みを捨てなければいけません。


今後は、勉強をして、
よりデータを使い、より分析し、より根拠を求め、
論理的に行動せよ、ということ。

人間の限界を超えたビッグデータを持つ方が、
企業戦略、国家戦略として有利になってきました。


しかし、日本で最も使われているチャットアプリは、
韓国発のLINEです。

今、日本で普及させようとしているキャッシュレス決済の多くが、米国発が多いクレジットカード会社につながるビジネスモデルです。


日本製アプリの普及が、日本の長期国家戦略では必要です。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp