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(D33) “高齢者版追い出し部屋”だけじゃない。70歳雇用義務化がもたらす「どの世代にも残酷な未来」-1 (2019.10.7) by 溝上憲文 より抜粋加筆しました。

⑴ 2019年9月27日

70歳までの就業機会を確保することを法制化するための具体的議論が厚生労働省の審議会で始まりました。

政府の狙いは65歳までの雇用を義務付けている現行の高年齢者雇用安定法(高齢法)を改正し、雇用の上限を70歳に引き上げることにあります。

審議会の議論を経て、努力義務を課す改正法案を2020年1月の通常国会に提出する予定です。


2020年に提出予定の高齢法改正を第一段階として70歳雇用を努力義務とし、
第二段階として制度の運用状況を見て、努力義務から義務化に格上げします。

第一段階の法改正では企業は65歳以降の選択肢として次の7つから選ぶことができます。
(1)定年廃止
(2)70歳までの定年延長
(3)継続雇用導入
(4)他の企業への再就職の実現
(5)個人とのフリーランス契約への資金提供
(6)個人の起業支援
(7)個人の社会貢献活動への資金提供


(4)~(7)の選択肢は、他企業への就職やフリーランスといった非雇用も認めるなど、企業に配慮しているように見えますが、
第二段階で同一企業における70歳雇用の義務化を想定していることを考えると、政府の狙いは(1)~(3)にあリます。


⑵ 70歳雇用を前提にした人事戦略

現在の再雇用者の平均年収は約344万円(産労総合研究所調査)。

現役時代の半分程度に下がる上、役職も外れ、仕事の中身も現役社員のじゃまにならない程度の補助作業というのが一般的。


しかし、企業にとっては60歳から70歳まで10年間雇用することになると、
全体的な賃金制度の見直しだけではなく、60歳以前の能力開発などの人材投資も必要になリます。

企業にとっては、70歳雇用を射程に入れた人事戦略を練り直す必要があリます。


現在、65歳定年を導入した企業は以下。
全体の16.1%

日本・東京商工会議所の「高齢者雇用の拡大に関する調査」(2019年1月9日)によると、継続雇用年齢の65歳超への義務化に対して、
計50.5%が反対しています。
①29.7%:義務化に反対
②20.8%:65歳までは雇用できるが、それ以上の対応が難しい


建設関連企業の人事部長もこう語リます。
「再雇用の社員に限らず現役世代も含めて今の年功賃金から完全成果主義に転換し、成果に応じて給与が増減する仕組みに変えていく必要があるでしょう。

当然、これまで法律があるから仕方なく福祉的に雇ってきた再雇用者社員はお荷物扱いされるでしょう。
60歳以降も残すかを早い段階で選別し、残さない人は退職してもらうことも考えないといけないでしょう」


少子高齢化
→一億総活躍社会
→女性や高齢者の活用
→人生100年時代
→70歳雇用の義務化
→リカレント教育
→生涯現役

少子高齢化により、時代が動いていきます。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp