見出し画像

(H16) 「本当にいい組織」ほど基本に忠実という事実。分業しつつも分断されてないのが良い組織-1 (2020.1.21) by 楠木建/秦卓民 より抜粋加筆しました。

⑴ 分業だが分断されていない組織とは

楠木:私の思う奇跡の組織の1つのモデルというのは、『大脱走』という米国映画です。


ドイツの捕虜として収容所に入れられていた連合軍の兵士たちが、そこから脱走するという実際にあった話をもとにした映画です。

そこで脱走を企てる兵士たちの中にだったら、入ってもいいなと思えるくらい、いい組織だと思います。


①目的が明確。
ドイツの捕虜収容所から脱出して、それぞれが自由を取り戻す。

②「こうやって脱出するぞ」という戦略を組み立てる強いリーダーがいる。

③自生的に分業が生まれていく。
誰かに「はい、あなたはこういう部署で働いて、こういう仕事をしてください」と言われるわけではなく、それぞれが得意なことに自ら力を発揮し始める。


脱走するっていうのは、
限られた資源の中で計画どおり遂行していくわけじゃないですか。

穴を掘ってトンネルを作り、塀を越えていくわけなんですが、穴を掘るにはものすごく体力がいる。
そしたら、「俺は外で土木工事に従事していたから」といって穴を掘る人が現れる。


手で掘るだけではラチが開かないから、道具倉庫からどうにかしてスコップを仕入れてくる。
こっちは看守の目から逃れる情報を集める。
塀を越えた後の服をどうにかして仕立てる。

といった具合に、それぞれの得意分野を生かして自然発生的に組織が出来上がっていく。


以下の状態なんです。
「分業されているけど分断されていない」


⑵ セムコスタイルでも、「仕事と報酬」というのはかなり明確に合意する文化がある

例えば、“3ヶ月で冷蔵庫を20台売ってくる”という仕事で、報酬も合意されたなら、21台目を売る必要はない。


ところが、
「20台売れたのなら30台売ってこい!」という、合意されてない指令が後からきたりする。

もっと言うなら、2ヶ月で売り切れるならそれで終わってもいい。
というのが、セムコスタイルの基本的な考え方の1つです。


楠木:『大脱走』の組織や、3000人規模の会社で奇跡の組織運営をやっているセムコ社がある一方で、
「それって再現性ないよね」っていうのが多くの人の意見だと思うんです。

ただ、会社全体では起こらなくても、
1つの部署単位では、非常にうまくいっているケースもあります。


秦:セムコ社でも、実質は10人規模の組織が無数にあり、小規模のビジネスが組み合わさって大きな組織を形成しています。

①お互いがどういう人
②何に興味があるのか
③どうしてこのチームに参加しているのか
④どういう能力でこのチームに貢献しようとしているのか


人数が増えても、
小規模単位の組織が増えていく、という考え方です。

そうすると、普遍的なモデルになっていきます。


上司が直接見れる人は10人までと言われます。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp