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(D63) 2060年、未来の世界経済の中心は欧米から中印へ-1 (2020.1.5) by 野口悠紀雄 より抜粋加筆しました。

⑴ 経済規模や豊かさは、現在とはどのように変化するでしょうか?

①人口動向が大きな影響を与えます。

若年者人口の増加率が高ければ労働力の増加率が高くなるので、経済成長率が高くなります。
逆であれば逆になります。

ヨーロッパや日本では、
若年者人口の増加率が低い(あるいはマイナスになる)ので、経済成長率は低くなるでしょう。
中国も経済成長率が低下するでしょう。

インドでは、若年者人口の増加率が高いので、
経済成長率が高くなると予測されます。


②国民の教育水準や技術進歩などが大きな影響を与えます。

アフリカ諸国は若年者は増えても、経済発展につながるかどうか、わかりません。
かえって貧困化が進行することも考えられます。

さまざまな要因が絡み合っているので、経済の予測は容易なことではありません。


⑵ 日本の比重は低下し、インドの比重が上昇

①世界の実質GDPは以下に推移します。
2020年~2040年の間に、1.72倍
2020年~2060年の間に、2.62倍

年平均成長率で見ると以下に推移します。
2020年~2040年の間は、2.74%
2020年~2060年の間は、2.44%


②OECD諸国とそれ以外の国を比べると、
OECD諸国の成長率は、
それ以外の国より低くなっています。

ユーロ諸国の成長率は、
OECD諸国よりもさらに低くなっています。

日本の成長率は、
ユーロ諸国の成長率よりさらに低くなっています。

このため、世界経済の中での日本経済のシェアは、
大きく低下することになるでしょう。


③米国の成長率は、
世界全体の成長率よりは低くなっていますが、
OECD諸国の平均成長率とほぼ等しく、ユーロ諸国の成長率よりは高くなっています。

このため、高所得国の中での米国のシェアは、
上昇することになるでしょう。


④中国の成長率は、
2020年から2040年までの期間において、世界全体の値より高くなっています。

したがって、世界経済における中国の比率は高まるでしょう。


OECD諸国やユーロ諸国、日本と比べると、成長率はかなり高くなっています。
したがって、現在の高所得国に対する中国の比率は、かなり高まると見られます。


⑶ 中国の成長率は将来は鈍化

2020年~2060年の間の成長率は、
2020年~2040年の間の成長率よりかなり低くなり、全世界の平均値より低くなっています。

これは、少子化の影響で中国の経済成長率が鈍化することを示しています。


⑷ インドの成長率は、
世界全体の成長率よりかなり高くなっています。

これは、インドにおいて若年層人口の増加率が高いことの結果です。
このため、世界経済におけるインドの地位は高まるでしょう。


経済規模や豊かさの成長率は、若年者人口に比例します。
日本経済の地盤沈下が進みます。

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