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(H58) ソニーがCES2020で発表したEV「VISION-S」に世界が驚いた理由とは? (2020.2.18) by 菊池貴之 より抜粋加筆しました。

⑴ ソニーは2020年1月、米国ラスベガスで開催された「CES2020」で、同社初の電気自動車「VISION-S」を発表した

CES2020のプレスカンファレンスで、以下に言い放ったのはソニーの吉田社長。
「次のメガトレンドはモビリティだと信じている」


これまでの10年の間、生活を根本から変えたのは、
スマホ。

今後はクルマのEV化が、
新たなモビリティのソリューションを生み出していくきっかけになるというのです。


⑵ 「VISION-S」は、aiboなどを手掛けたロボティクスビジネス担当役員が深く関わって生まれたという

ソニーは、
ビデオカメラ等で培ったイメージセンサーで世界を席巻しており、その勢いはスマホから自動車用デバイスに及びます。

ただ、そのデバイスを表現する方法をソニー自身は持ち合わせていなかった。


ある日、ソニーの担当役員は、
トヨタのGRスープラを生産するカナダの大手サプライヤー「マグナ・インターナショナル」の生産現場を目にします。

そこで担当役員が気づいたのは、以下のことでした。
「EVならソニーも新たなモビリティとしては関われるかもしれない」

2018年初頭のこと。
そこからVISION-Sの開発はスタートしました。


VISION-Sには、
ソニーならではの取り組みが随所に採り入れられています。


将来の自動運転を見据えたコンセプト「Safety Cocoon」をコアに、車載向けCMOSイメージセンサーを中心とした計33個のセンサーを搭載。

これによって、
「霧や夜間など、視界不良な状況で走行しても、周囲360度にわたってセンシングしながら安全な走行を追求できた」


⑶ VISION-Sの開発の狙い

見逃せないのは、
ソリッドステート型LiDARの分野でもソニーの参入が明らかになったことです。


実は、カメラには、
形状認識や遠方の視認性では高い優位性を持つ一方で、
霧や暗闇などで視界不良ではセンシング能力が一気に下がるという弱点がある。

この弱点を補完できるセンサーを組み合わせる"センサーフュージョン"が、主流になりつつあります。


中でも赤外線レーダーのLiDARは、
ミリ波レーダーが苦手な非金属の物体も検出できるメリットがある。

つまり、LiDARなら、
ヒトの検知でも優位性を発揮できるのです。


ただ、LiDARは部品価格が高価であることから、
現状では普及率がほぼゼロの状態。

将来有望なLiDARの分野へソニーが参入するにあたり、
よりわかりやすい形で提案できるVISION-Sの開発は欠かせなかったというわけです。


VISION-Sが実現できる自動運転レベルは、
運転支援の「レベル2」。


昔から期待されていました。
「ソニーがクルマを作ったら、どんな車になるのか」

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