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(H48) 中国の急速な水素の普及の背景には中国政府の支援がある-2 (2020.7.21) by 高橋大輔 より抜粋加筆しました。

⑶ 急速な普及の背景には政府の支援がある

燃料電池車は、車両や水素ステーションのコストが高いのが課題。

政府が手厚い補助金で後押しをしていて、
現在、仏山のほか上海や武漢など全国20余りの地区で水素産業の整備の計画が進んでいます。


さらに、関連産業の供給網・サプライチェーンの構築を通じて産業として成長させることに力を入れていて、仏山市には既に30以上の関連企業が進出しました。

「我々政府は多くの労力と財力をかけて水素産業の発展を推し進めてきた。
今後、さらにこの産業を発展させ規模を拡大していく」(仏山市南海区発展改革局 蔡徳権副局長)。


⑷ 課題の技術力は日本と連携

今後の課題となっているのが「技術力」。

仏山市にある燃料電池メーカー「広東愛徳曼水素エネルギー装備」では、自社の技術力強化の取り組みを進めているが、依然として海外メーカーには追いつけていないのが実情だという。

「世界の一流製品と比較するとまだ差がある。
世界最先端の製品との差を縮めて、3~5年で追いつきたい」(「広東愛徳曼水素エネルギー装備」楊煥軍副社長)


⑸ トヨタ自動車の燃料電池車などを視察する中国の李克強首相と安倍総理大臣(2018年5月11日北海道 苫小牧市)

そこで中国が模索しているのが、高い技術力を持つ日本との連携。


2018年に日本の北海道を訪れた李克強首相は、
トヨタ自動車の燃料電池車を視察し、連携に期待を示しました。

日本との連携を通じて自国の技術向上につなげたい狙いがあります。


⑹ 水素産業の国際展示商談会を東レの出口雄吉副社長らが視察(2019年10月27日中国広東省仏山市)

自動車メーカー以外の日本企業も、中国側のニーズをとらえ、売り込みに動いています。


2019年10月、仏山市で開催された水素産業の大規模な国際展示商談会には、日本の繊維・化学大手の東レの副社長らが視察に訪れました。

東レは、水素を入れるタンクに欠かせない炭素繊維や、燃料電池の部材を作っています。


この時、東レと地元政府の懇談の場が設けられ、
両者は今後の連携について意見を交わしました。

仏山市南海区 顧耀輝区長
「東レ社は水素産業で世界をリードしている。
この分野でぜひ連携を強化していきたい」

東レ 出口雄吉副社長
「去年来た時よりも、中国の水素、燃料電池関連の産業が大きく伸びているという印象を強く持った。
非常に発展が速いのでチャンスは大いにある」


急速な市場の広がりを強みに、技術の向上に挑む中国。

今後は、燃料電池車を以下に増やす目標。
①2025年に5万台
②2030年に100万台


水素の取り扱いには高度な技術力が必要。
日本は、燃料電池車で世界をリードする存在となるのか?

最近、ENEOSのコマーシャルで水素の宣伝をよく見かけるようになりました。

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