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(C82) WeWorkの社員4000名が解雇に直面 (2019.10.23) by BonaFidr より抜粋加筆しました。

フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の報道によると、
WeWorkの経営権を取得したSoftBankは、最大4000人の社員を削減する計画です。
 

ニューヨーク大学ビジネススクールのスコット・ガロウェイ教授は以下を発信しています。

これは大惨事であり、私たちがビジネススクールでこの先何十年も教えることになる事例。
何千人もの従業員たちがいそいそと大惨事の後始末を行わなければならない一方、イノベーターを狂信的に崇拝する者たちは創業者に何十億ドルという退職金を支払う。


確かにWeWorkの前CEOアダム・ニューマン氏は、そのカリスマ性とベンチャー・キャピタル(VC)などによる何十億ドルにものぼる投資資金のおかげで、
WeWorkを世界的な不動産企業に育て上げたのは事実です。

しかし、それがニューマン氏にしかできなかったことかと問われると、大きな疑問符がつきます。
今年だけを見ても出した利益を運転資金(コスト)でほぼ使い果たすという財務状況。

 
これまでWeWorkに投資してきたSoftBank、Benchmark、その他のVCたちは、
ニューマン氏の「魔法」にだまされてかけられてしまい、WeWorkの「成功」を実現してきました。

しかしこれまで170億ドル以上をWeWorkに投資した結果、同社の企業価値はたった80億ドル。
 

「世界の意識を高める」と、高尚で利他主義的な言葉を発してきたニューマン氏は、
そのカリスマ性と神秘性が、「ヒト」と「お金」を惹きつけてきたとも言えます。


ここ数週間、WeWorkの経営幹部たちも大脱出ラッシュとなっていることに加えて、コスト削減策が進められ、社内のやる気はかなり低いレベルにまで下がってしまっています。


米国では、業績不振などの理由で企業幹部が解雇もしくは自ら退社する場合でも多額の退職金を受け取リます。

そのことを「墜落しかかる飛行機から1人だけパラシュートを背負って飛び降りる姿」に例えて、
退職時に受け取る多額の退職金パッケージが、
「ゴールデン・パラシュート」と呼ばれています。


ベンチャー企業に巨額の投資を行い続けることで、
ビジネス実態に沿わない企業評価額へと釣り上げます。
それら企業がIPOを果たす際には、
投資した金額よりもさらに高値で売り抜けることでリターンを得る。

SoftBankのビジョンファンドを批判する識者や業界関係者たちは、こうした投資手法を非難しています。


WeWorkは、ニューヨーク市、シカゴ、デンバー、そしてロンドンの中心部において、最大手のテナント企業。

WeWorkは、470億ドル分のリース契約を家主と締結しており、世界でも最大のテナント企業の一つとなっています。

WeWorkが倒産することになれば、全米における商業用不動産市場が大打撃を受けることになリます。

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