(H65) フェイスブックはとっくの昔に欧米の利用者は30%未満になっている-2 (2020.7.3) by 一田和樹 より抜粋加筆しました。
⑷ 中国は一帯一路参加国を中心に強力なソフトパワーを広げている
サイバー空間に広がる中国のソフトパワー文化や価値観などを通じて自国への理解や共感を広げる力をソフトパワーと呼びます。
中国のプロパガンダに関するレポート(Freedom House、2020年1月)は中国のプロパガンダの目的を下記の3つだと指摘しています。
①中国と統治体制に対するポジティブな見方を広める
②海外から中国への投資を推奨し、海外への中国の投資と戦略的提携を奨励する
③中国への批判やネガティブな言説をなくす
そのために行っているのが以下の4つです。
Ⓐ現地の中国人移民のメディアと連携し、中国批判を抑える
Ⓑ相手国の情報インフラの中枢に関与する
ⒸSNSとデジタル・テレビ会社経由で、中国政府よりの政治色のあるコンテンツを提供する
Ⓓ中国は他の国の模範であることを広める
⑷ 世界にソフトパワーの影響力を広めるための主たる中国メディアは次の4つ
①人民日報(新聞) 7,200万人
②新華社(通信社) 7,000万人
③CGTN(放送局) 9,000万人
④チャイナデイリー(英字新聞) 8,400万人
一帯一路の影響が大きいアフリカでは、
これに中国企業StarTimesが加わります。
StarTimesは、
アフリカにデジタル・テレビを普及させる中国政府の構想「10,000 Villages Project」を実行し、30ケ国で1,000万の視聴者を得ました(CNN、2019年7月)。
その結果、
ケニアの首都ナイロビの郊外の水道もない貧しい家のリビングに大きなパラボラアンテナが設置され、家族でカンフー番組を観ている奇妙な日常風景が当たり前になった。
これも、ソフトパワーによって、
アフリカにおける中国の影響力を増大させる仕掛けの1つです。
日々、エンタメからプロパガンダまでさまざまな放送が、
中国からアフリカの日常に流れ込んでいます。
⑸ フェイスブックの「いいね」数ランキング20位にランクインしている国営および政党のメディアは以下の2つ
①10位:中国のCGTN(国営テレビ局中国中央電視台中国グローバルテレビジョンネットワーク、中国環球電視網)
②13位の中国共産党のチャイナデイリー
付け加えると、
フェイスブックグループの利用者の7割以上は、
グローバル・サウス(アジア、ラテンアメリカ、アフリカ)の人々です(2020年第一四半期)。
つまり、一帯一路の主たる対象国の人々なのです。
欧米のSNSというイメージのあるフェイスブックだが、とっくの昔に欧米の利用者は30%未満になっているのです。
SNSの世界(ソフトパワー)は、世界全体でみると、
アジア・アフリカなどの欧米以外に移っているということです。
中国のソフトパワーが凄いです。
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