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(F34) 自慢目的でタワマンを買った中産階級。コロナで"引くも進むも地獄"状態に-1 (2020.4.27) by 古谷経衡 より抜粋加筆しました。

⑴ タワマンを買う中産階級(パワーカップル)たち

都心や湾岸部での規制緩和(容積率緩和)や耐震技術の進歩により、
続々とタワーマンション(以下タワマン)が林立し、2000年代以降、いわゆるタワマンブームが到来しました。

現在、日本全国にタワマンは1300棟以上、
東京都だけでその3割にあたる400棟が存在します。


本当の富裕層はタワマンを買いません。

日本の伝統的富裕層は、もともと都心部の地価の高い住宅地に伝統的に土地所有権を有しているので、
4階未満の一戸建て住宅に住む例がほとんどです。

マンションにおける区分所有という所有権形態が以下と知っているから。
「大規模修繕や建て替えの時に自分だけの意思ではどうにもならない難物である」


タワマンブームが起こったゼロ年代初頭、
タワマンの主力購買層は、株や起業で財を成した新興の富裕層。


しかし、タワマンがここまで普遍的になると、
マンションデベロッパーはその購入ターゲットを新興富裕層からそれ以下の中産階級に拡大させざるをえなくなりました。

現在タワマンの主な購買層は以下が担っています。
「パワーカップルと呼ばれる中産階級」


⑵ パワーカップルのタワマン購入、自殺に等しい

パワーカップルとは、
夫婦の合算年収が1000万円近くの購買力旺盛な世帯だと考えてよい。

マンション業界は、
夫の年収だけではなく妻の年収をも合算した世帯所得を基礎に、世帯所得の5倍程度でようやく手が届く範囲のタワマンの売り出し戦略としてパワーカップルに照準を当てました。


実際に銀行の住宅ローンでは、
年収の7~8倍程度まで融資を受け付ける例が多い。

タワマンの主力となったパワーカップルの世帯年収が1000万円だとすると、おおむね7000万~8000万円の物件まで融資を受けられ、購入の射程に入ってきます。


7000万円だと、どうせ長期ローンを組んで同じマンションを買うならタワマンのほうがいい、ということでタワマンブームは続いてきた、というわけ。

事実、東京都内の新築タワマン相場は、
おおむね5000万~1億円です。


しかし、取得倍率が5ないし7を超える住宅を、
長期ローンを組み購入する行為は自殺行為に等しい。

パワーカップルの定義は、世帯年収だけではなく、
旺盛な購買意欲の存在もその定義入ってきます。
だから、室内の家具・家電にも最新のものを求め、
子供の教育にも余念がない。


リモートワークの浸透で、都内に住むニーズが減少しました。

今週、以下の引越しのニュースがありました。

❶引越し前:渋谷区内のマンション(2LDK)
駐車場込みで家賃が、30万円/月

❷引越し後:栃木県の一戸建て住宅(5LDK)
駐車場込みで家賃が、8万円/月

オフィス相場、マンション相場が大きく変わるでしょう。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp