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(C51) 日本に決定的に不足しているのはマネジメントだ-2 by 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談 (2019.6.26)より抜粋加筆しました。

⑵ 最大の問題は「マネジメント層」にある

出口:僕はいつも、次のように質問しています。

①日本の経営がすばらしいのなら、
なぜ米国、ヨーロッパ、日本の先進地域の中で、日本の成長率がいちばん低いのか

②なぜ日本人は年間2000時間も働いているのに、
1%しか成長しないのか

③なぜヨーロッパは1500時間以下の短い労働時間で、
2%成長しているのか


この問いの答えは、日本のマネジメントがなっていないということ以外にはありません。

こういう当たり前の分析をしていないところ、
「原点から考える」訓練ができていないところが、
一番の問題ではないかと思います。



アトキンソン:日本の所得が少なく、生産性も低い。
その結果、社会保障制度が不健全になってしまったというのも、マネジメントの問題です。

1990年代以降の生産性向上要因を分析すると、人的要素も物的要素もほかのG7諸国とほとんど変わりません。

しかし、マネジメントが最も関係する生産性向上要因は、諸外国ではものすごく伸びているのに、
日本ではほとんど伸びていません。


つまり、日本に決定的に不足しているのはマネジメントです。

やはり、日本の経営者は才能がない。
失われた30年の根本原因は、
マネジメントが悪いからに尽きます。


⑶ こういう話をすると「衝撃的です」と言われてしまう。
なぜこれが「衝撃的」なのか。

私は政府関係者と話をする機会が多いのですが、
日本経済を議論するときにテーブルに座っているのは、
国会議員と、経団連や経済同友会、または商工会議所の人たち。

つまりは、日本のマネジメントを中枢でやっている人たちです。
日本経済の問題点について彼らと議論をしても、
マネジメントに問題があるという単純なことは、なかなか理解してもらえません。

なぜなら、彼らにとっては自分たちが悪いと認めることになるからです。


⑷ 人事を決めるのに必要なもの

出口:Googleの人事部は社員の管理データのうち、
国籍・年齢・性別・顔写真、これらすべてを消してしまったそうです。
そんなものは必要ないからと。


人事を決めるのに必要なのは、以下の3つだけ。
①今やっている仕事
②過去のキャリア
③将来の希望

男か女か、年齢などは一切関係ないというのが彼らの考え方で、こちらのほうがはるかに人間的です。

世界の優れた企業は社員をとても大事にしている、
だからこそ良いアイデアがどんどん出てくるという好例だと思います。


日系企業の多くの人事関係者は、年齢・性別・大卒かどうかの学歴を非常に気にします。

採用面接で、優秀な人材かどうかを年齢・性別無しに判断するのもマネジメント力の1つかもしれません。

https://toyokeizai.net/articles/-/288272

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp