(F06) 新型コロナ対応で企業間の「人材ポーカー」が始まる。ポストコロナを見据えた、人材・組織への課題とは (2020.5.1) 木下毅 より抜粋加筆しました。
⑴ パーソルグループが2020年4月15日に開いたWEBセミナー
PERSOLKELLY Consultingマレーシアでジャパン・デスクの責任者を務める木下毅氏が以下の見方を示しました。
「今後、人材ポーカーとも言える大幅な人材の入れ替えが始まる」
⑵ 長期戦で「リアルが消滅していく」
木下氏は、今後は企業の「有り様」、
つまり、存在価値が問われるとしました。
企業が一気にリモートワーク化へと進んでいるのは、
すでにDX(デジタル・トランスフォーメーション)などの大きな時代の流れが始まっていたところに、新型コロナが発生、その動きを一気に加速させています。
これまで障害だった「場所」や「移動」が障害でなくなり、一気にデジタル化が進むきっかけになっているといいます。
⑶ 「もしかするとリアルが消滅していく」と木下氏
ゼロにはならないとしてデジタルの世界に大きく移っている流れは、たとえ新型コロナの蔓延が終息したとしても変わらない、と述べています。
その上で、新型コロナの蔓延が続く中での活動、
いわばウィズ・コロナの間は、「本質への回帰」が続きます。
リモートワークとなって多くの人たちが「生産性が上がった」と感じているように、仕事の内容や取り組み方を見直し、時間の有効活用が可能になりました。
自分は何をやらなければいけないかが見え、木下氏は以下に分析しました。
「自らの役割を見直す好機になっている」
そうした時間の効率化が進む中で、
会社が従来とほぼ変わらずまわっていることに多くの人が気付いています。
従来の仕事の仕方を徹底的に見直す良いきっかけにもなっています。
⑷ 木下氏は「制度、組織改編の好機」だという
特に人材については、
企業間での大胆な入れ替え、いわば「人材ポーカー」が起きると語リます。
企業の改革に耐えられない人はその企業から退出を余儀なくされるが、
そうした人材がマーケットに流出してくることで、「今まで確保できなかったような人材が、リーズナブルなプライスで採れる」ようになるとしました。
リモートワークが普及すると、
みんなが同じ場所に集まって、それぞれの様子をうかがいながら上司が割り振ったり、空気を読んだ部下が手を挙げたりしながら仕事を進めることはできないのです。
今までのように、
上司が「あれはやったか、これはやったか」と確認するプロセスマネジメントができません。
そのため、社員の評価は以下になります。
❶達成すべき成果や目標を定める
❷それがどの程度できたかで測る
リモートワークを推進していくと、
日本企業の働き方も「ジョブ型」への移行が必要になってきます。
今まで成果の達成度合いを厳密に示せていなかった人は、
ジョブ型に整備された時点で居場所がなくなりかねません。