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(E95) 先進中国企業における「働き方改革」事例~日本企業のグローバル人事を考える-1 (2019.7.10) by デロイトトーマツ 降矢直人 より抜粋加筆しました。

⑴ 中国の労働環境

テクノロジーの進化により生活は大きく変わり、
より便利、効率的な社会となっていることは日々実感しています。

一方で業務面に目を向けると、
テクノロジーの進化でここ5年、働き方が大きく変わったかというと、そうでもないことが多い。

どこまでスピードを重要なKPIとして業務を効率化できているかというと、特に間接部門においては課題が依然として多い。


日本も含めた決裁のプロセス、そこに至るまでに必要な資料準備の時間、討議の回数等々。

以下が問われています。
ⓐ仕事の進め方で不便がどこにあるのか
ⓑ見直しができる点はあるか
ⓒそもそも効率化や改善に向けた経営努力をしていくような風土やプロセスがあるのか
ⓓKPIは何か


⑵ 先進中国企業での取り組み

「996制度」をトップが奨励するような企業は、
ブラックであり、組合無視で従業員が身を粉にして働かざるを得ず、果てには過労死を招く企業であるという批判もあリます。


しかし、IT企業においては平均在職年数が2~3年、月退職率が10%を超えるようなことは中国に限らず珍しいことではなく、好業績企業であってもエンゲージメントが高くないという見方もできます。

日系企業が中国のリーディングカンパニーの事例をベンチマークする際、「組織風土が違いすぎるので、同じようなことはできない」という意見は多い。


一方で、自社らしさを追求し、不変のミッションを体現していくことは各社に共通する重要な使命です。

中国最大手のハイテク企業のように、
「賞与とLTIは評価上位40%の社員にのみ支給し、残りの60%の社員は退職しても構わないという人事管理」は多くの日系企業には馴染まないが、参考にできる取組みをしている中国企業もあリます。


⑶ アリババ社の例

世代間によって異なるそれぞれの志向に合った制度の導入を考え、昇格は自己申告制に変えました。

期初に今年は昇格を目指すか、
目指す場合は2段階昇格を目指すかまで社員が自身で決め、その成果によって年度末に結果が出ます。


やる気のある社員を見極める狙いもあるが、
社員それぞれのライフステージに応じて、生き馬の目を抜くIT業界において、up or outでなくても組織に残れる工夫がなされています。

同じく、中国最大手ハイテク企業においても、
管理職の昇格は自己推薦制となっており、部長職の平均年齢は40才代中盤の中、28才で昇格するスターも生まれています。


中国では、能力や実績により明確にキャリアアップが異なります。

日系企業では以下のようなキャリア年齢を多く見かけます。
40才頃:課長職
50才頃:部長職

ローカル企業では以下を多く見かけます。
30才頃:課長職
40才頃:部長職

キャリア年齢に10年ほどの差があります。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp