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(C48) 「企業規模拡大」にはいくつものメリットがある-3 by デービッド・アトキンソン (2019.1.25)より抜粋加筆しました。

⑹ 企業の規模を拡大する「4つのメリット」

①メリット1:賃金が上がる

人口が減少する日本で個人消費を守るには、
個人の所得を増やす必要があります。

企業の規模と社員の所得の相関が強いという事実はすでに確認されています。

日本は中小企業の中でも、極めて従業員の少ない零細事業者に労働人口が集中しているのが、
所得が低くなってしまっている理由の1つなのです。

企業の規模を拡大することの最も大きなメリットが、
所得が上がることです。


②メリット2:技術が普及する

日本の技術力は優れており、イノベーションを起こす力も強いと評価されています。
にもかかわらず、なぜ生産性が低いのか。


こちらも小さい規模の企業が多いことで説明できます。
企業の規模が小さければ小さいほど、
技術の普及が進まないのです。

従業員数が少ないほど、新しい技術を導入することによるメリットは小さくなります。
また、その技術を導入するための予算が足りないという問題も抱えやすくなります。

ビッグデータなどはデータ量が勝負の分かれ目になるのに、規模が小さければ、規模の大きい企業と戦えるだけの数を集めるのは容易ではありません。


革新的な技術でも、広く普及して、実際の役に立たなければ何の意味もありません。

特許庁によると日本は特許の数が世界一のようですが、
使われていなかったり、事業化されていない特許の比率も世界一高いと言われています。


たしかに技術の「革新」と「普及」が進めば、
人口減少など脅威ではありません。
しかし、その技術の「普及」を進めていくためにも、
企業の規模が小さいことが障害になります。

この現実を直視して対策を打つ必要があります。


③メリット3:女性活躍が進む

小さい企業が多いことが、
日本では女性活躍の妨げにもなっています。

日本国民の約半数は女性です。
先進国では、女性活躍と生産性の間に0.77と言う極めて高い相関係数が確認できます。

日本と米国の生産性の違いの約半分は、
日本の女性の所得の低さで説明できます。


社員の数が多ければ、柔軟な組織運営が可能です。
小さい企業で、たとえば経理担当者が1人しかおらず、
その人が女性の場合、仮に産休にでも入ろうものなら、途端にその会社はパニックに陥ってしまいます。

こういう場合、中堅以上の企業ならば対応可能な体制がとられていますが、
それができない規模の小さい会社が日本にはゴマンとあるのです。


以下の成長スパイラルができれば、日本は経済成長をしていけると考えられます。

企業の規模を拡大する
→技術が普及する
→生産性が上がる
→賃金が上がる
→個人消費が増える
→日本経済が成長する


それでは、日本の中小企業が大企業化する方法はあるのでしょうか。

https://toyokeizai.net/articles/-/261573

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp