(D96) 労働時間が短いドイツ人が、日本人よりも労働生産性が高い理由-1 (2019.4.23) by 鈴木拓也 より抜粋加筆しました。
⑴ ドイツ人と日本人の年間労働時間の差は354時間
OECDの2017年調査では年間労働時間は以下です。
ドイツ人:1356時間(OECD加盟国中もっとも短い)
日本人:1710時間
有給休暇をみても、ドイツ人はほぼ100%の消化率。
日本人と対照的です。
⑵ 労働時間に大きな差が生まれるいくつかの理由
①1つが法律
1日の労働時間は原則8時間まで。
延ばせても10時間で、しかも残業した分だけ、後日早めに切り上げて相殺することが求められます。
経営者がこれを守らない場合、罰金もしくは禁固刑という厳しいペナルティが課せられます。
閉店法という法律があり、キオスクなどの例外を除き、
店舗は平日・土曜の午後8時~午前6時は営業禁止、
日曜・祝日は終日営業できません。
②仕事は生活の糧を得る手段に過ぎない
もう1つの理由として、大半のドイツ人は、
以下の職業観を持っている点を、在独国フリージャーナリストの熊谷氏は指摘します。
「仕事はあくまで生活の糧を得るための手段に過ぎない。
個人の生活を犠牲にはしない」
仕事で自己実現を目指すとか、過労レベルまで仕事に打ち込むのは、一部の野心家を除いて稀だそうです。
③日本人より労働時間が少ないから、その分経済力が低いかと言えば、さにあらず
1人あたりのGDPは以下です。
日本人は、約3.8万ドル
ドイツ人は、約4.3万ドル
労働生産性は、約1.5倍もドイツ人が優っている事実を挙げます。
⑶ ドイツ人は効率性を非常に重視する
熊谷氏は以下に述べます。
「ドイツ人の行動パターンを理解する上で最も重要なキーワードは、効率性」
仕事にかける手間暇は最小限に抑えつつ、最大の効果を上げることを優先する働き方が、結果として高い生産性につながっています。
ドイツ人は仕事をする際に慌てて取りかかりません。
仕事を始める前に、注ぎ込む労力や費用、時間を、仕事から得られる成果や見返りと比較します。
仕事から得られる成果が、手順や費用に比べて少ないと見られる場合には、初めからその仕事はやりません。
発注者自身も常に費用対効果のバランスを考えながら仕事をしているからです。
自宅のPCから企業のサーバーにログインして仕事をする「ホーム・オフィス」制度も急速に普及しているそうです。
「毎週金曜日は、ホーム・オフィス」というふうに、
フレキシブルに採り入れている社員も多く、通勤時間をなくして効率化を図ろうとする気持ちは、大半の日本人よりも大きいです。
ドイツ人は、最初に計画し効率的に行動する。
日本人は、調和や協調性、忖度を重視して行動する。
従って、以下になります。
罪悪感を植え付ける教育
→残業を多くやる
→有給休暇を取らない
→リフレッシュしない
→日本人は仕事効率が悪くなる
→日本の労働生産性が低くなる
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