見出し画像

(C68) 中国のプラットフォーマーの成長要因と特徴-1 (2019.5) by 岡野寿彦 より抜粋加筆しました。

アリババなどインターネットプラットフォーム企業(以下「プラットフォーマー」)に焦点を当てます。

⑴ 中国プラットフォーマーの成長は、
銀行など伝統的企業が以下に対応できていなかったことが背景にあります。
①中国社会の課題
②実体経済のニーズ


プラットフォーマーはこれら“困りごと”を、
デジタル技術を活用して解決することを通じて成長してきました。

一方、中国政府は、「経済新常態」において、
以下の政策課題に対応しつつ、経済の質や生産性を高めていく道を模索しています。
①社会秩序の維持・雇用確保
②中国企業の国際競争力


その重点政策の一つが「インターネット+(プラス)」であり、以下を経済成長の切り札と位置づけています。
「インターネットを介したつながりによるイノベーション」


❶プラットフォーマーを中心とする新規サービスの創出を支持し、以下の規制ポリシーをとってきました。
「先ずはやらせて、必要に応じて規制をする」


❷中国市場が抱える高い取引コストを、
「円滑な信用創造」により打ち出された政策である「社会信用体系」によって、
国民や企業に関する情報の収集と活用が促進され、インターネット企業の急成長の側面的要因となりました。


❸中国人企業人の、
短期で効率的に儲けようとする「トレーダー的思考」、
“先ずはやってみる”というマインドが、
デジタル技術を活用したサービス開発にマッチしていました。

以下がこうした企業活動を後押ししています。
①豊富な資金提供者
②失敗に対して寛容な社会


⑵ 今後プラットフォーマー間の競争ポイントは、以下に変化しています。
①ネットとリアルの融合
②生活シーン囲い込み


このうち、「ネットとリアルの融合」によるサービス提供については、
アリババの「盒馬鮮生」が事例紹介されることが多いですが、次の特徴が見られます。

❶ネットで蓄積してきた顧客や商品のデータを活かして、店舗の立地選定を行い、仕入れ、値付けなどを柔軟に調整することで、ネットとリアルで連動して商品を売り切る(この精度を高めていく)。

言い換えると、
ネットで蓄積したデータを活かして、
ネットとリアルが融合した新たなリテール・モデルを設計し、これに基づく店舗構築・運営の実験を行っています。


❷中国企業の組織マネジメントの特徴の一つは、以下の組み合わせだと考えます。
①少数の高スキル者(エリート)がモデル設計、R&D、IT開発」を行う
②一般労働者がルールに従い実行し、成果報酬又はペナルティを受ける


プラットフォーマーの成長は以下の要因が大きい。
❶低賃金労働者の人海戦術
❷フィンテックによる信用経済
❸先ずはやってみる、というマインド
❹普及スピードの速さ
❺速い段階での市場プレーヤーの絞り込み
(キャッシュレス市場は支付宝とWechatPay)

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp