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(I63) 劣勢だった中国テンセント、クラウド市場でアリババ追撃 (2020.7.3) by Pei Li記者、Josh Horwitz記者 より抜粋加筆しました。

⑴ アリババに追い付くべく新たな態勢に入っていた騰訊控股(テンセント)にとって、新型コロナは完璧なチャンスとなった


テンセントは、
2018年9月にクラウド事業を重要な成長分野と位置付け、これまでにない積極姿勢を示し始めました。

同社クラウド部門の消息筋は以下に明かしました。
「今ではアリババとの競争が非常に激しくなっており、セールスチームは互いに、あらゆる案件で競い合っている」


テンセントは、今年だけでも、
クラウド部門で3000人以上を採用。

2月に中国で封鎖措置が取られ、
企業向けビデオ会議サービスの需要が急増すると、2ケ月前に立ち上げていたクラウドサービス「テンセント・カンファレンス」支援のため、たった8日間でクラウドサーバーを10万台増強しました。

これは同社に言わせれば、
中国のクラウド史上で初の快挙。


中国中央部のクラウド関連プロジェクトやスマートシティ計画を手掛けられるように、武漢市のデジタルセンター建設を加速すると表明しました。


⑵ テンセント国際ビジネスグループの楊宝樹副社長はロイターのインタビューで

クラウド事業にもっと参入するとの並々ならぬ意欲を示しました。
「実際に需要や問い合わせが増えている。
多くの事業を喚起する良いきっかけになっている」


調査会社カナリスのデータによると、
第1・四半期の中国のクラウドインフラサービス市場は、39億ドル(前年同期から67%拡大)

各社のシェアは以下です。
①アリババは、44%(首位)
②テンセントは、14%
③華為技術(ファーウェイ)は、14%


チャイナ・ルネッサンスのアレックス・リュー氏は以下に話しました。
「テンセントはこの市場参入でアリババに後れを取った。

しかし、この分野でアリババに追いつき、あるいはいつか首位を奪うことを願って、この事業特有の比較的長い投資サイクルに耐えようとしている」

テンセントでの昨年のクラウド部門の売上高は以下です。
会社全体の4.5%
アリババでは、8%


⑶ 法人向けに期待

法人向け分野は、アリババが優位な分野。
テンセントは、消費者向けの製品や設計により強みがあります。


テンセントのクラウド事業に詳しい関係者は以下に話ました。
「テンセントの遺伝子は、消費者向け分野では優れている。

しかし、法人向け分野ではプロダクトマネジャーがいなかったし、人材は採用したばかりで、それももともと消費者向け分野でやっていた連中だった。

だから彼らの発想を変えるのに時間は少々かかった」


テンセントクラウドは、日本にもデータセンターがあります。

❶日中間に専用線があり、日中間の通信が高品質
❷低遅延、リアルタイムに優れている
❸192のソリューションと、200以上のプロダクトを提供中

日中間ビジネスに強みを発揮します。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp