伊勢神宮を美的面から見つめる
こんにちは。今回は一旦九州から外れて、日本一有名な神社である伊勢神宮について書こうと思います。どうか今回も最後まで読んでいただけると嬉しいです。
1.伊勢神宮の歴史
伊勢神宮は三重県にある、日本の神社界のトップスター的存在の神社です。なぜかというと、伊勢神宮はアマテラスオオミカミという神様を祀っているからです。
ではなぜアマテラスオオミカミを祀っていることがそんなにも重要なのかというと、アマテラスオオミカミは現在の天皇の祖先の神様であるからです。
もしよろしければ、私が以前書いた「高千穂の神社を美的面から見る」の記事の、高千穂の歴史という目次をよかったらご覧になってください。
その記事の内容について軽く説明すると、
天地がまだないときにお生まれになったイザナギノミコトはいろいろあって、川で禊(みそぎ)を行いました。(禊とは俗世で身についたものや、死に触れた際などについた「けがれ」を落とすために清らかな川の水で自身の体を清めること)
それによってさまざまな神が禊と共に誕生しました。アマテラスオオミカミもお生まれになりました。アマテラスオオミカミは天の世界を治める役目をいただきました。
その頃地の世界は、イザナギノミコトの血筋とは少し離れたオオクニヌシノミコトが治めていました。
それを見たアマテラスオオミカミは、地の世界もイザナギノミコトの子孫が治めるべきだと考え、地の世界に自分の孫であるニニギノミコトを送り、新たな支配者として君臨させました。この出来事を天孫降臨といいます。
ここまでが以前の記事の内容ですが、この話に出てくるニニギノミコトの玄孫が、初代天皇である神武天皇(じんむてんのう)なのです。
なので皇室にとってアマテラスオオミカミはとっても大切な神様なのです。
では伊勢神宮はいつ成立したのでしょうか。
神武天皇から10代天皇の崇神天皇までは、天皇の住んでいる場所と同じところでアマテラスオオミカミを祀っていました。
しかし、崇神天皇の時に疫病が発生し、天皇と同じ場所に祀るのは悪いのではないかということで、天皇の住んでいる場所と異なる場所に建物を建てて、お祀り致しました。
その次の代の天皇である垂仁天皇の時に、アマテラスオオミカミに奉仕していた垂仁天皇の四人目の娘である倭姫命は、アマテラスオオミカミをさらにいい場所に祀るため、日本中を旅しながら、祀るのにいい場所を探し続けました。
その旅の途中で、伊勢を通った際に、アマテラスオオミカミからのご神託を受けて(アマテラスオオミカミが伊勢に祀ってくれと言ったということ)、伊勢にアマテラスオオミカミをお祀りすることになりました。
これが伊勢神宮の始まりです。その後は、各時代の権力者に振り回されながらも、多くの人に愛されてきました。ぜひパンデミック明けに参拝してみてください。社の壮大さに圧倒されます。
2.The Art of 伊勢神宮
では伊勢神宮の美について私なりに考察していこうと思います。
出典(表紙の写真も同じく) https://www.jalan.net/news/article/202169/
はい、でました。きれいな白い木の建築ですね。いつまでも飽きずに見てられます!
ここで、なぜ古くに建てられた社がここまできれいなのかという疑問が生まれます。
まあご存じの方の方が多いかもしれませんが、伊勢神宮は20年に一回、社を一つ横の敷地に建て直します。この写真に写っている建物すべてです。
この行事を式年遷宮と言います。
2000年も前から、戦国時代にはいったん中断されたものの、ずっと式年遷宮は行われてきました。そのお陰で、伊勢神宮の建築様式である神明造を、時代に流されず現在まで古来の状態を守ってきました。そのため、伊勢神宮の神明造は、数ある他の神社の神明造の中でも、特に古来の様式を写したものであるため、唯一神明造と呼ばれることもあります。
出典 https://kotobank.jp/word/%E7%A5%9E%E6%98%8E%E9%80%A0-82645
↑上の図が神明造です。
では、伊勢神宮を美という面から観察してみましょう。ここからは私の圧倒的な主観に基づいて話していきます。とにかく自分に生まれた考えをぽんぽん書いていきます。あくまで私の感覚ですので皆様は皆様なりに鑑賞していただけると幸いです。十人十色の考え方ができる、それがアートですから。(ちょっとカッコつけすぎちゃった笑)(前々回の記事のコピペです笑)
主に建築の美しさについて、伊勢神宮の美術的役割の2つのポイントについてわたくしなりに考察していこうと思います。
まず、建築の美しさについて
出典 https://www.pinterest.jp/pin/519813981985393849/
伊勢神宮の内宮です。やっぱりきれいですね。
木材は新しいのに、新しさなりのうるささを感じさせない、素晴らしい建築です。また屋根などに見える、きれいな直線美を感じます。葺いた屋根も均一でとても美しく感じます。
伊勢神宮の建築の美しさのポイントは「シンプル」だと思います。
シンプルイズベスト!とよく言われますが、やはり日本人は、派手なものより質素なものに美しさを感じるのでしょうか。まさに無印良品。
シンプルの美を最初に確立した人は千利休だと思います。
わびさびです
土壁の質素な茶室で、素焼きの茶碗でお茶を嗜む。
出典 https://oyamazaki.info/archives/761
↑千利休が建てた茶室である妙喜庵待庵
千利休の嗜みは伊勢神宮にもつながります。
古来からのシンプルな建築に我々の願いを二礼二拍手一礼という簡潔な方法で祈る。このようなところに千利休の茶道と通じるところがあるのではないでしょうか。
シンプルまたはわびさびが伊勢神宮の建築の美なのです。
次に伊勢神宮の美術的役割について考察します。
伊勢神宮の式年遷宮、実は建物を立て直すだけでなく伊勢神宮に奉納された、奉納品もすべてつくりかえられます。紡績具、武具、馬具、楽器、文具、日常用具などです。それも、714種1576点つくりかえられます。このような装飾品を御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)と言います。
出典 http://museum.isejingu.or.jp/exhibition/o65yx90q.html
この刀は伊勢神宮に奉納された品の一つである毛抜形太刀というものです。
彫刻が美しいですよね。このような奉納品は主に飛鳥時代の美術様式が見られます。
そう、奉納品は神様に奉納されるものというだけでなく、美術作品でもあったということです。
その時代の美術力を当代最高の職人が込めた美術作品なのです。
その美術の結晶である作品を714種1576点も伊勢神宮に奉納するのです。
つまり、伊勢神宮は、式年遷宮をすることで美術作品の技術を守る、美術のパトロンだったのではないか、ということです。
20年に一度、美術作品をつくりかえさせることで、師匠から弟子へ素晴らしい技術を伝承していくような、技術の継承を促す効果があったのではないか。または、それを促すために式年遷宮を行ったのではないか。ということです。もちろん、御装束神宝だけでなく、建築も美術作品の一つとして、その技術を継承していくのです。
というのが私なりの考えです。この記事を読んでくださった方々は是非皆様なりの感性で、伊勢神宮という美術作品を鑑賞していただければと思います。
3.まとめ
ここまで伊勢神宮を歴史的に、美的に考察してきました。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。今回は少し自分でも暴論だったかなと思っているので、アドバイスやよくわからなかったところ、叱責等コメント欄に一言でもいただけると嬉しいです。もちろんお褒めの言葉も大歓迎です。また、伊勢神宮についていろいろ話し合えたりできると、とても嬉しいです。どんなコメントでも励みになります。
4.おまけ
ここでは実験的にいろんな企画をしてみたいと思います。
今回は新企画!
!My Favoirte Things!
ということでこの企画もたぶん二回ぐらいしかしませんが、やってみようとおもいます。全く神社と関係ないですが…
ということでまず一回目は3DCGです!
3DCGとはコンピュータ上で3Dのものを作ること、またそこでできた作品のことです。
私はWONKというバンドが去年行った3DCGライブがあって、そこから3DCGを少しずつやっています。
↑WONKのライブのスクリーンショット。すごい幻想的でとても感動しました!
まあさすがにここまでは作れないのですが、無料のソフト(Blenderというソフトです。無料ですが結構使えます。)を使って、コップとかから少しずつ作ってきました。今コロナで暇な方、おすすめです!
ということで私の作った作品の写真を少し載せて終わりにします笑ほんとにまだまだ未熟すぎて恥ずかしいですが…
↑初めて作った作品。墨でも入れたかってくらい汚いコップですね笑
↑作るの難しそうに見えて、ただ一回ボタン押すだけでできちゃうめっちゃ簡単な海。
↑WONKの3DCGをまねて作ってみた作品。ちょっと建物が少ない気がする…なんか雰囲気が出ないんだよなー
一番最近に作ったもの。ちょっと雰囲気出た気がする。よくみると気球の模様が鼻の長い人の顔に見える気がする。
というような感じです。3DCGの面でもアドバイス等ある方は是非コメントいただけると嬉しいです。
※今回は写真をすべてネットから拾ってきました。なのでいつもの写真はありません。私も小さいときにしか伊勢神宮に行ったことがないので、自前の写真がないのです。どうかお許しください。ここまで読んでくださり、ほんとにありがとうございました。
前回の記事「香椎宮を美的面から見つめる」は2月26日現在、260回も閲覧していただきました。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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