かの

イギリス留学→現地就職。「アラサー×バツイチ」な舞台監督または演出助手的な人。

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  • ステージマネジメントにしひがし

    イギリスの舞台制作の裏側をまとめつつ、日本との違いはあるのか?共通点は?などをみようとするシリーズです

最近の記事

オリヴィエ賞2023とアジア人であること

超お久しぶりのnoteです。 イギリス時間本日4/2夜に、オリヴィエ賞の授賞式がありました。 オリヴィエ賞とは時折「イギリス版トニー賞」と呼ばれる賞なのですが、そもそもトニー賞というのはアメリカNY・ブロードウェイの演劇・舞台芸術を対象としたアカデミー賞のようなものです。オリヴィエ賞はそのロンドン・ウェスト・エンド版です。 2023年オリヴィエ賞はコロナが"完全に明けた"印象で行われる最初のオリヴィエ賞みたいな、ちょっと華々しい感じもあるオリヴィエだったのですが、その中で

    • 舞台「千と千尋の神隠し」は舞台の神様がくれた究極の贈りもの

      舞台版「千と千尋の神隠し」を帝国劇場で観てきました。 感じたことをどこかにまとめようと思ったのですが、Twitterでは到底文字数がおさまらないので、久しぶりにnoteのエディターを開いています。 うまく言語化できる気が全くしませんが、そして時々語弊を生むような表現があるかもしれませんが、一人の演劇愛好家の意見としてお付き合いいただければ嬉しいです。 一応、なるべくネタバレはないように書くつもりです。 --- 1幕、幕間の休憩がはじまってしばらく、衝撃で動くことができま

      • 「舞台監督」について思うこと、とか

        だいぶお久しぶりの更新になってしまいました。 一時帰国を決断し、隔離やら何やらを経て短期の仕事を開始。その契約がそろそろ終わりに近づこうとしている今日このごろですが、仕事に追われて(っていうほど忙しかったかわからないけど)更新がすっかりおろそかになってしまいました。 その間、次を見据えて仕事用Twitterをつくってみたり、こんなご時世だけど感染対策気をつけながら久しぶりの人にあったり、その方から次の仕事をもらったり、そんなふうにして日々を生きています。 短期の仕事はあ

        • イギリスから緊急一時帰国(長期)することにしたレポ、覚え書きまとめ #2 - 渡航編

          3月16日に入国して、自主隔離期間がそろそろ終わろうとしています。おかげさまで陰性だったので、追加で検査したり隔離したりはなく終われそうです。前回、帰国にあたっての準備のところを書きましたが、それより何より帰国当日が精神的にめちゃくちゃ疲れたので、忘れないうちにまとめようと思います。 渡航前準備編はこちら↓ どたばたコメディ in ヒースロー準備編で書いたように、出国に必要なコロナの検査は、渡航当日にヒースロー空港でLAMP検査をする形で予約をしました。飛行機が飛ぶのが1

        オリヴィエ賞2023とアジア人であること

        • 舞台「千と千尋の神隠し」は舞台の神様がくれた究極の贈りもの

        • 「舞台監督」について思うこと、とか

        • イギリスから緊急一時帰国(長期)することにしたレポ、覚え書きまとめ #2 - 渡航編

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        • ステージマネジメントにしひがし
          6本

        記事

          イギリスから緊急一時帰国(長期)することにしたレポ、覚え書きまとめ #1 - 渡航前準備編

          突然ですが、2月下旬に発表されたボリス首相のロックダウン緩和のプランを受け、イギリスの大学院を9か月(予定)休学して一時帰国することにしました。 帰国を考え始めたのが2月中旬、それからボリス首相の発表があって、学校との相談数回で決定したのが3月頭、そこから約1週間ですべて準備し、3月15日に英国を出発、今現在は日本で隔離中です……と書くと、いかに急ピッチで準備したかが伝わる、のだろうか? 帰国のもろもろはそこそこ大変だったので、せっかくなので覚書としてまとめることにしまし

          イギリスから緊急一時帰国(長期)することにしたレポ、覚え書きまとめ #1 - 渡航前準備編

          ステージマネジメントにしひがし#6 - Deputy Stage Manager編 Part 1

          イギリスにおけるステージ・マネジメントで最もユニークなのが、Deputy Stage Manager(通称DSM)の存在です。アメリカではその役割がステージ・マネージャーとASMに分散されていたり、イベント業界では Show Caller という別の名前の近しい役割が存在したり、やっぱり少し変わっています。変わっているけれど、とても重要でとっても面白いのがDSM。今回はこちらを掘り下げていきます。 DSM=演出助手?Deputy Stage Manager は直訳すると「舞

          ステージマネジメントにしひがし#6 - Deputy Stage Manager編 Part 1

          留学してドラァグクイーンと2年間同居したら思考が開けた話

          突然ですが、学部留学後半の2年間、わたしはドラァグクイーンとハウスシェアをしていました。 以前イギリス留学における住宅事情の記事に書いたように、わたしは1年目は寮生活、2年目以降はハウスシェアという「イギリス大学生鉄板ルート」をたどりました。留学生活の始めの頃、ペアでのプレゼンで組んだエイミー(Amy)という女の子に誘ってもらって、ただ流れに身をまかせて話に乗った形でのシェアでした。エイミーは同じ学年のダニエル(Daniel)と既に寮でフラットメイトだったので、その流れで3

          留学してドラァグクイーンと2年間同居したら思考が開けた話

          ステージマネジメントにしひがし#5 - Assistant Stage Manager編

          制作タイムラインを振り返ったところで、ここからはイギリスで「ステージ・マネージャー」と呼ばれる人たちが何をしているのか?をについて、もう少し掘り下げて見ていきたいなと思います(たまには留学のことから離れてこっちの話も書こうよ、ってね)。今回は駆け出しステージ・マネージャーの登竜門、Assistant Stage Manager(通称ASM)です。 おさらいはこちら!↓ ASM = 小道具担当?イギリスのASMの最大の特徴は、小道具屋さんだということです。小道具の調達・管理

          ステージマネジメントにしひがし#5 - Assistant Stage Manager編

          「どうやって英語勉強したんですか?」

          人生で1番訊かれた質問といっても過言ではないでしょう。「どうやって英語勉強したの?」「今度、英語の勉強法教えて!」etc etc... あと「英語できるんだ!なんか英語で喋って!」っていうのもありますね。これはされて1番嫌な質問というか無茶振り…だって何について喋ればいいかわからないんだもの……!(訊いてる側に悪気がないのはわかっている) というぼやきはおいておいて、じゃあ実際自分がどうやって渡英までの27年間、「純ジャパにしてはすごい」と言ってもらえるレベルの英語を身に着

          「どうやって英語勉強したんですか?」

          滞在先どうする?問題

          留学先の学校が決まったらいよいよ渡航準備です。何より大事なビザの申請、航空券をとったり、荷物を整理したり、留学保険に入ったり……やることはたくさんありますが、その中でも大切なことの1つは「滞在先を決める」ことでしょう。留学生の滞在先候補はいくつかあります。 ・学校指定の寮に入る ・ハウスシェア(またはフラットシェア)する ・ホームステイする ・自分で物件を探して一人暮らしする 学校指定の寮に入る1番シンプルで、1番てっとり早くて、1番定番なのが学校指定の寮に入ることです。

          滞在先どうする?問題

          面接は「選ばれる」ためだけの場じゃない

          12月上旬、ついに出願完了!とっても達成感がありましたが、気を抜いてはいられません。出願した5校中4校は、書類を通過したら面接が予定されていました。面接の招待が来ることを願いつつ、準備をすすめます。 ポートフォリオを作るアート・デザイン系志望ならあたりまえのように提出するポートフォリオ、なぜかドラマ・スクールのステージ・マネジメント部門でも求められる場合がありました。アマチュアでもなんでも、過去に関わった公演や作品などの例をまとめたポートフォリオを求められ、直接的なステージ

          面接は「選ばれる」ためだけの場じゃない

          留学先に出願する

          学校選びと並行して行っていたのが出願書類の準備です。日本で大学受験といえば、受験生が一斉に試験を受けて合否を決めるイメージが強いですが、イギリスの大学受験は書類審査(と面接)が一般的です。 出願に必要だったもの: ・志望理由書(Personal Statement) ・IELTSのスコア ・英文職務経歴書 ・推薦状 1通 ・最終学歴の英文成績証明書&卒業証明書 など イギリスの大学・大学院受験はUCASというシステムを通じて行われます。UCASにアカウントを作って、連絡先

          留学先に出願する

          留学先の学校選び

          留学先をイギリスに決めた私は、イギリス留学に特化した留学エージェントbeoさんに、とりあえず話を聞いてもらおうと足を運びました。beoさんのすごいところは、簡単なカウンセリングと出願・ビザ手配のサポートならなんと無料でやってくださるところ!(2016/2017年時点のことで今のサービスはわかりませんが、きっと近しいサービスをされているとおもいます)そこでどうやって検索するかや学校選びのポイント、学校のウェブサイトではどこを見るか…などなどを教えていただきました。 どこからは

          留学先の学校選び

          社会人留学だけど学部留学にした理由

          留学のこともちょこちょこ書いていこう!ということで、留学を決めたときのことを振り返ってみようと思います。 ステージ・マネジメントを学びに留学するぞ!と決心したものの、いざ学校選びを始める前にいくつか決めなければいけないことがありました。 ・いつから留学するか ・アメリカにするかイギリスにするか ・学部にするか院にするか いつから留学するか留学を決意したのが1〜2月くらい(確か)だったので、ものすごく頑張ればその年の9月入学にぎりぎり間に合う時期でした。当時26歳社会人、

          社会人留学だけど学部留学にした理由

          ステージマネジメントにしひがし#4 - 舞台制作タイムライン編 Part 3 - 小屋入り後

          ぼんやりとしたアイディアからスタートした公演も稽古期間を経ていよいよ小屋入りまでしました。(前回の記事はこちら) テクニカル・リハーサルプロダクション・マネージャーに率いられた搬入クルー(ステージ・マネージャーやASMが行うこともあり)によって舞台の準備が整ったら、いよいよキャストも小屋入りしてテクニカル・リハーサルの開始です。日本では「場当たり」とか「舞台稽古」とか「テクリハ」とか呼ばれている…のかな?(ぼんやり・情報求む)イギリスやアメリカでは略して Tech と呼ばれ

          ステージマネジメントにしひがし#4 - 舞台制作タイムライン編 Part 3 - 小屋入り後

          ステージマネジメントにしひがし#3 - 舞台制作タイムライン編 Part 2 - リハーサル期間

          このシリーズをメインにnoteをすすめるつもりが、すっかりすっかり間があいてしまいました…。が、イギリスで学んでいる経験をアウトプットしていきたい(そして日本の舞台裏との相違を自分が知りたい)ので、2021はがんばって書いていくぞ…! さて、前回でリハーサル開始前の、デザインが決まって人も決まって、というところまでいきました。今回はその続きです。 (前回のタイムライン画像があまりにもスマホユーザーアンフレンドリーだったので直しました。笑) リハーサル初日リハーサルの初日

          ステージマネジメントにしひがし#3 - 舞台制作タイムライン編 Part 2 - リハーサル期間