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社会人留学だけど学部留学にした理由

留学のこともちょこちょこ書いていこう!ということで、留学を決めたときのことを振り返ってみようと思います。

ステージ・マネジメントを学びに留学するぞ!と決心したものの、いざ学校選びを始める前にいくつか決めなければいけないことがありました。

・いつから留学するか
・アメリカにするかイギリスにするか
・学部にするか院にするか

いつから留学するか

留学を決意したのが1〜2月くらい(確か)だったので、ものすごく頑張ればその年の9月入学にぎりぎり間に合う時期でした。当時26歳社会人、ちゃんと準備したいし、留学資金とかも考えたいし、何より当時の勤務先をいきなり辞めるのはなぁ、などなど思ったので、これは1年見送ることにしました。

どこに留学するか

次にどこに行くか。専攻がステージ・マネジメントだということと、英語と日本語しか言語はできないので、これは最初からアメリカ vs イギリスの2択でした。ブロードウェイがあって世界のショービジネスの中心であるアメリカか、ウェストエンドがあってシェイクスピアからの演劇の歴史が連綿と紡がれているイギリスか……

国やカルチャーはイギリスのほうが好みだし、イギリス英語への憧れもあるけれど、イギリスの大学院は1年間(実質9か月)というのがネックでした。9か月で一体何が習得できるんだ、と。その点アメリカの大学院は日本と同じ2年間なので、現地に慣れるのにかかる時間も含めてちょうど良さそうに感じました。

そう、大卒社会人留学だったので、最初は当然のようになんとなく大学院留学を考えていました。

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学部留学という選択肢

なかなか留学国を決めきれず悶々としながら、ぱらぱらとニューヨークやらロンドンやらの学校のホームページを見漁っていた私。すると、ステージ・マネジメントができそうな院が多くないこと、そして実際よく考えると、演劇分野では業界経験がない私が院にいきなり飛び込むのは無茶なのでは?ということを考え始めました。(実際留学してみたら後者は杞憂であったことを知るんですがそれはまた別のお話)学部留学という新たな選択肢の登場です。

学部の場合、アメリカは4年、イギリスは3年。4年はさすがに長い気がするけれど、イギリスの3年だったら渡英が27歳、卒業が30歳、なんとかセカンドキャリアいける気がするぞ!という気がしたのです。イギリスという国に惹かれるものがあったし、やっぱり国はイギリスに決めよう、そして学部も視野に入れよう、という決意して、beoというイギリス留学に特化したエージェントへ足を運びました。

学部留学にしてよかったこと

3年間の学部生活を振り返って、実際この選択は大正解でした。

なんといっても言語面。高校時代のTOEFL iBTは100点超え、大学時代のTOEICは950点、今回の留学で受けたIELTSも数か月感のリハビリで8.0を出したりと、語学試験は得意分野。日本にいるけど全部の授業が英語、な某国際教養学部をそれなりに良い成績で卒業したりと、いわゆる「純ジャパ」(海外在住経験のない日本人)としては英語が得意だった私ですが、想像を遥かにこえて、特に最初の数か月感、しっかり痛い目を見たのです。

メールを読む、返事をするのは問題ない。先生がクラスに向かってフォーマルに話してるときも何の問題もない。ところが、クラスメイトの会話が全くわからない。全くわからない。

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日本に方言があるように、イギリス英語にも訛りがたくさんあります。まずこれが一つ。地元のウェールズ系訛りで苦労するのは日常茶飯事、リヴァプール出身のあの子は早口過ぎてわからないし、スコットランド人のこの子は違う言語に聞こえるし…と、とにかく最初の数か月感周りの会話が全くわからなかった(ちなみに在英4年目の今もアイルランド訛りだけはさっぱりわかりません)。でもたった1人の留学生のために訛らずしゃべるとか、ゆっくり話すとかは皆無なので、わからないけどとりあえずニコニコ聞いてるしかない。笑。

それからお勉強英語なのでスラングもよく知らないし、舞台専門用語も覚えなきゃいけない…のに、やってることがステージ・マネジメントなので、めちゃくちゃコミュニケーションしなければいけない!

山場は、留学開始約2か月で訪れた最初のグループプロジェクトでした。これは1年生の洗礼みたいなイベントで、1年生だけで企画・設営して学内劇場でパーティーを開催するというもの。これでなんと、みんなをまとめるリーダーに抜擢されてしまったのです(おそらく最年長だったからという理由で)。現場が長丁場になればなるほど英語も出てこなくなるし、身振り手振りも使いながらの(IELTS高得点とは思えない)超ブロークン・イングリッシュで必死にチームをまとめていました。イベント撤収後の先生からのフィードバックは「マネジメントはよくできてたけど、英語がひどいね」笑。

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クリスマス休暇が訪れるまでの最初の3か月間は、とにかくコミュニケーションで苦労しまくりました。それから徐々にわかる度合いが増えていって、困ることが少ないと体感できるようになったのは2年生に上がる夏。そう、結果慣れるのに1年かかったんです。「院にしなくてよかった…!」と心の底から思った1年間でした。

もう1つは純粋に得られる経験の量、です。学校選びにも関係しますが、とにかく現場経験がほしかった私は、イギリスのドラマ・スクールの中でもとりわけ実際に行うプロダクションの数が多い学校(最大10)を選びました。3年間で8つのプロダクションに、休み期間を入れたら11のプロダクションに関われた経験はめちゃくちゃ大きい。

これがもし1年の院で留学していたら、この1/3しかない中で英語に苦労していたと思うと、今の自分のステージ・マネージャーとしての自信の1/4にも満たない状態で卒業してたんじゃないかと思います。恐ろしい。

もし日本のどこかに、ステージ・マネジメントを未経験から留学で習得したい、という人がいたら、私は迷わず学部留学をおすすめします。

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