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【どうする家康】家康に刃を向けた虎松が許された納得の理由。「三方ヶ原」がターニングポイントになるか。第16回「信玄を怒らせるな」深掘り

NHK大河ドラマ『どうする家康』(以下、『どう康』)第16回の深掘り感想です。

前回の感想はこちら↓

(※以下、ネタバレ注意)
(※本記事のセリフの引用箇所は一部ノベライズに準拠しており、ドラマのセリフとは異なる場合がございます)

●殿に刃を向けた虎松が許された理由は?家康の成長がうかがえるセリフに注目

今回は第15回のラスト、そして第16回の序盤で出てきた井伊虎松(後の井伊直政・演:板垣李光人)が、なぜ家康に許されたのか?について深掘りしていきます。

いきなり殿に向かって刃を向く、というセンセーショナルな登場でしたけど。「あれで家康から許されるのはおかしいだろ!」みたいなツッコミもSNSで見られましたね。

しかし第16回の舞台となった元亀元年(1570)という年、虎松はまだ10歳。演じられた板垣さんは21歳なんで、まぁ「成長著しい虎松」が描かれたんだろうなぁというところは考慮すべきかとも思いますが。一応、家康のセリフでも「待て、子供ではないか」というセリフもありましたし。

それよりも僕が注目したのは「こ奴が次、我らの前に現れるとき、さらなる敵となっているか、あるいは味方となっているか……それは、我らの行い次第」というセリフでした。これぞまさに、未来の家康たちの姿を暗示しているようでしたね。

ただ、そもそも家康の「罪を犯した人を許す」というこの姿勢。やはり一向一揆の失敗や、第8回の幼少期の今川義元からの教え、そして第9回の鳥居忠吉じいさんの教えからいろいろ学んできているものがあるんだろうと改めて感じましたし。

そういう意味では虎松が許されるのも、個人的には違和感なく見れたところではありました。

●異国の地を治めるということ。主君としての在り方を、家康もまだまだ学んでいる最中

そしてもう一つ、「この者は、遠江の民の姿そのものなんじゃろう」というセリフも印象深かったですね。特に第15回のラスト、家康が遠江に入った時点で、あまり歓迎されてませんでしたもんね……「今川様を裏切りおって」とさげすんだ目で見られてましたし、団子屋の婆さん(演:柴田理恵)なんか団子の中に石を仕込んでましたし。

「今川を裏切った」のは事実ですし、第12回でも家康は氏真に対して「申し訳ございませんでした!」と涙ながらに謝罪をしています。本当は家康、民にだって謝りたい気持ちでいっぱいだったんでしょう。

そしてやっぱり第11回。瀬名と約束しながらも田鶴の気持ちを変えることができず、戦場でも「止めよ!」と叫びながら、結果、家臣たちに討たせることになってしまったという後悔もあったハズですよね。

この第11回の物語の中盤では、引間城下の民たちに田鶴が敬われていたシーンもあり、それも今回のストーリーにとっては伏線の回収となっていた気もしました。

せっかく家臣らと共に力を合わせて切り取った遠江の地ですが、民の心が付いていかねば平定は難しい。そして第15回で信長が家康自身に遠江の統治を命じたのも、単にエラソーに指図したかったからではなく、真の統治者としての教えを授けてくれたのだと思うと「サンキュー、信長!」という気持ちも湧いてきます。

そう言えば第1回、今川義元なんかは岡崎の地を山田新右衛門なる家臣に治めさせていたじゃないですか。そんな中で、やはり岡崎の民も今川へ忠誠は誓えなかった。まぁ、主君である家康自身が健在だったというのもあるのでしょうが。

やはり「太守様」と呼ばれた今川義元ですら、異国の領土を治めるのは難しかったということをここでも対比させているように思えます。

っていうか山田新右衛門、久々に名前出しちゃいましたけど、もう忘れちゃったって方も多かったりする⁉

●信玄の調略が遠江にも伸びる。憎むべきは武田!

最後に、虎松が言い放った「武田様は我らのお味方!」という言葉にも注目しましょう。

後に左衛門尉が「武田が放った刺客というわけではなく、あくまで己の考えでやったということは……」と言い、数正が「考えそのものを武田に仕込まれているということ」と応じていますが。まさにここは、「恨むべきは虎松」なのではなく、「武田信玄こそが諸悪の根源」というシナリオだったんですよね。

虎松、後の家康にとっての忠臣となり「徳川四天王」の一人と呼ばれるまでになる人物ではありますけど、この時点ではそんな虎松すら「武田の駒」の一つに過ぎなかったという恐るべき脚本ですよ。

でも逆に言えば、初めは敵対していたやつが、後々に大きな味方となっていくなんて……少年漫画の典型!これぞ王道で、胸熱ですね。こういうのを見たかったんだよ、こういうのを!

ちなみに、史実としては虎松、家康のところへ奉公に行くのは天正2年(1574年)のことだそう。だから、2017年の『おんな城主直虎』で「虎松って、家康と敵対なんかしてなくて、初めから奉公してなかったっけ?おかしいな」なんて思われた方がいらっしゃるのもわかりますけど、そうなるにはあと4年の歳月が必要という話ですな。

そう言えば第17回で描かれる「三方ヶ原の戦い」は元亀3年12月22日(1573年1月25日)のことですから……やはりこの戦が、虎松にとっても転機となると考えて間違いはなさそう。

これもまた、今夜の第17回の見どころの一つですね。

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